第76回 菊花賞 レース回顧｜G�T特集

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キタサンブラック、執念の末脚で最後の１冠を奪取！

第76回菊花賞は北村宏司騎手騎乗の５番人気キタサンブラックが、中団の内々で脚を溜めると、最後の直線は馬群を捌いて執念の末脚。激しい叩き合いを制して、最後の１冠を奪取した。勝ち時計は3分03秒9（良）。鞍上の北村騎手はこのレース初勝利。本馬を管理する清水久詞調教師は、うれしいＧ１初制覇となった。

２着はクビ差で福永祐一騎手騎乗の２番人気リアルスティール。３着は半馬身差でＣ.ルメール騎手騎乗の１番人気リアファル。

レース展開・総括

スピリッツミノルがハナも、途中で急変

スタートで７番スティーグリッツが大きな出遅れ。その他はまずまずのスタート。６番レッドソロモンが飛び出したが、外から17番リアファルと18番スピリッツミノルがそれを交わして前へ。８番ミュゼエイリアンも積極的に行き、３番手へ。少し離れて４番キタサンブラック。11番リアルスティールが差がなく続き、折り合いに専念。それから16番タガノエスプレッソ。内から２番サトノラーゼン。３番タンタアレグリア、13番マサハヤドリーム。２馬身切れて14番マッサビエル、５番ベルーフ。15番ジュンツバサと10番ブライトエンブレムが差がなく追走。３馬身差の後方に12番ワンダーアツレッタ、１番ミコラソン。それから大きく離れた最後方にスティーグリッツという隊列になった。

結局スピリッツミノルが２馬身のリードを奪い、単独で１周目のホームストレッチへ。単独２番手でリアファル。１馬身差の内にミュゼエリアン。各馬折り合いはつき、ペースは落ち着いた。先団はやや縦長で、中団は馬群が密集。あまり動きがなく２周目の１〜２コーナーを迎えた。しかし、２周目のバックストレッチに入ると急変。アルバートドックとタガノエスプレッソがたまらず外から進出。ミュゼエイリアンもその動きに反応。３頭でスピリッツミノルに接近した。リアファルはペースを守り、内で我慢しつつも、ポジションは少し下がった。その後ろのキタサンブラックら３頭はペースを守り、３コーナーへ。

めまぐるしい動きに我慢し、内から捌いたキタサンブラック

先団はめまぐるしく隊列が変わり、結局ミュゼエイリアンがわずかにハナに立った。２周目の坂を下り、４コーナーへ。タガノエスプレッソやアルバートドッグらがピタリと追走。その後ろの集団もかたまって、４コーナーを回り、最後の直線へと向かった。

ミュゼエイリアンのリードは１馬身。２列目にリアファルが上がり、その内からキタサンブラックが襲いかかる。外からはリアルスティールらが追い出しにかかった。

残り200mでミュゼエイリアンにリアファルとキタサンブラックが並びかけ、激しい叩き合いに。さらにリアルスティールが猛追した。３頭による激しい凌ぎ合いが最後まで続き、最後は内からグイと伸び出たキタサンブラックが勝利した。２着にリアルスティール。リアファルは及ばずの３着となった。

底力を示し、騎手の執念も実っての勝利

スタートから1000m通過後にペースが緩み、13秒台のラップが３つ続いた。そのため、２周目のバックストレッチで隊列がめまぐるしく動く展開となった。それでもリアファルは我慢してこらえていたが、実際には被せられる形となったため、ペースを乱された可能性がある。その後ろに構えていたキタサンブラックはしっかりと折り合いに専念。その差が最後に出たか。経済コースを通りながら、最後の直線は内を捌いた。北村宏司騎手の執念とも見える、激しいアクションに応えて、抜け出た脚は見事だった。ダービーこそ大きく崩れたが、皐月賞３着の底力は伊達ではなかったといえるだろう。

リアルスティールも３冠すべてに参加。安定した成績は残したものの、勝利は果たせなかった。最後は3000mをよくこなしたが、足りない面があったということだろう。

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