G1特集 第76回 菊花賞G1特集 第76回 菊花賞

血統分析

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父がキングジョージ勝ち馬のベルーフに期待!

1)サンデーサイレンス系と非サンデーサイレンス系の狙いどころ

過去10年の菊花賞における父馬の系統別成績は以下の通りだ。

父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 5回 8回 6回 103頭 4.9% 12.6% 18.4%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 3回 28頭 3.6% 7.1% 17.9%
ナスルーラ系 2回 0回 0回 10頭 20.0% 20.0% 20.0%
ノーザンダンサー系 1回 0回 1回 21頭 4.8% 4.8% 9.5%
ミスタープロスペクター系 1回 1回 0回 14頭 7.1% 14.3% 14.3%
その他の系統 0回 0回 0回 2頭 0.0% 0.0% 0.0%

馬券圏内に入る回数はサンデーサイレンス(SS)系が最多を誇る。だが103頭という出走数の多さを考えれば当然だろう。サンデーサイレンス系以外の総計は75頭出走で5勝・2着2回・3着4回となり、勝率は6.7%、連対率は9.3%、複勝率は14.7%。率的には「SS系も非SS系も似たり寄ったり」というのが実情だ。

1〜3番人気に限っても、SS系は4勝・2着2回・3着3回(出走19頭)で勝率21.1%、複勝率47.4%。対する非SS系は2勝・2着1回・3着2回(出走11頭)で勝率18.2%、複勝率45.5%とほぼ互角。いっぽう4番人気以下では、SS系が1勝・2着6回・3着3回でヒモ穴として機能しているのに対し、非SS系は3勝・2着1回・3着2回と単穴のイメージだ。

どこからでも狙えるレースだが、単穴なら非SS系(特にナスルーラ系)、ヒモ穴ならSS系と考えたい。

【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2014.10.26 1 2 トーホウジャッカル スペシャルウィーク Unbridled's Song
2014.10.26 2 4 サウンズオブアース ネオユニヴァース Dixieland Band
2013.10.20 1 3 エピファネイア シンボリクリスエス スペシャルウィーク
2013.10.20 2 14 サトノノブレス ディープインパクト トニービン
2012.10.21 1 1 ゴールドシップ ステイゴールド メジロマックイーン
2012.10.21 2 16 スカイディグニティ ブライアンズタイム ノーザンテースト
2011.10.23 1 14 オルフェーヴル ステイゴールド メジロマックイーン
2011.10.23 2 13 ウインバリアシオン ハーツクライ Storm Bird
2010.10.24 1 6 ビッグウィーク バゴ サンデーサイレンス
2010.10.24 2 10 ローズキングダム キングカメハメハ サンデーサイレンス
2009.10.25 1 1 スリーロールス ダンスインザダーク ブライアンズタイム
2009.10.25 2 3 フォゲッタブル ダンスインザダーク トニービン
2008.10.26 1 14 オウケンブルースリ ジャングルポケット Silver Deputy
2008.10.26 2 1 フローテーション スペシャルウィーク リアルシャダイ
2007.10.21 1 10 アサクサキングス ホワイトマズル サンデーサイレンス
2007.10.21 2 12 アルナスライン アドマイヤベガ El Gran Senor
2006.10.22 1 18 ソングオブウインド エルコンドルパサー サンデーサイレンス
2006.10.22 2 13 ドリームパスポート フジキセキ トニービン
2005.10.23 1 7 ディープインパクト サンデーサイレンス Alzao
2005.10.23 2 6 アドマイヤジャパン サンデーサイレンス Caerleon
2)国際G1級2400mとの相性の良さを重視せよ

過去10年に連対馬を送り出した種牡馬は計16頭。その現役成績を振り返ると、格の高い2400mG1で活躍した馬が多いことに気づく。

まずSS系種牡馬だが、アドマイヤベガ、スペシャルウィーク、ダンスインザダーク、ハーツクライ、ディープインパクト、ネオユニヴァースと、東京芝2400mのGIで連対した馬がずらり。これに当てはまらないのは日本で走っていないサンデーサイレンスと早期引退のフジキセキ、そしてステイゴールドだが、ステイゴールドは海外の2400m重賞で2勝している。ちなみに2400m実績のないマンハッタンカフェの産駒は13頭が菊花賞に挑戦して未勝利、3着以内もなし。アグネスタキオン産駒も5戦して掲示板に載っていない。

非SS系種牡馬も、やはり同様の傾向を示している。現役時、各国のダービーや凱旋門賞、ジャパンCで活躍した馬がほとんどなのだ。

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連対馬 父の現役時成績
ソングオブウインド エルコンドルパサー ジャパンC1着
アサクサキングス ホワイトマズル  伊ダービー1着/凱旋門賞2着
オウケンブルースリ ジャングルポケット 日本ダービー1着/ジャパンC1着
ビッグウィーク  バゴ       凱旋門賞1着
ローズキングダム キングカメハメハ 日本ダービー1着
スカイディグニティ ブライアンズタイム フロリダダービー1着
エピファネイア  シンボリクリスエス 有馬記念2連覇/ジャパンC3着2回

菊花賞は底力を問われるレースであり、底力の勝負&レベルの高いレースで戦ってきた“血のたくましさ”が大切なのかも知れない。

3)ノーザンダンサーの重要性

過去10年の菊花賞連対馬20頭すべてが5代前までにノーザンダンサーの血を持っている。また勝ち馬10頭中6頭にノーザンダンサーのインブリードがある。マンハッタンカフェ産駒の不調は、マンハッタンカフェがノーザンダンサーの血を持たず、インブリードを作れないせいかも、と思えてくる。

4)母の父はSS系からヘイルトゥリーズン系がリード

以下は母父の系統別成績だ。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 >連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 4回 1回 1回 34頭 11.8% 14.7% 17.6%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 1回 14頭 7.1% 14.3% 21.4%
ノーザンダンサー系 2回 5回 3回 58頭 3.4% 12.1% 17.2%
ミスタープロスペクター系 1回 0回 2回 23頭 4.3% 4.3% 13.0%
ナスルーラ系 0回 3回 1回 29頭 0.0% 10.3% 13.8%
その他の系統 2回 0回 2回 20頭 10.0% 10.0% 20.0%

SS系を含むヘイルトゥリーズン系が一歩リードしている印象。父が「非SS系種牡馬」というタイプは5勝しているわけだが、そのうち4勝は「母父がサンデーサイレンス系」なのだから、かなりの好相性といえるのではないだろうか。

結論

父馬は、ほぼどんな系統でもOK。ただしSS系、非SS系、ともに格の高い2400mG1で活躍した種牡馬であることが絶対となる。また5代前までにノーザンダンサーの血が入っていることも必須条件で、ノーザンダンサーのインブリードがあればさらに心強い。非SS系種牡馬の産駒であれば、母父がサンデーサイレンスなら大きな強調材料となる。

SS系種牡馬の産駒では、父ステイゴールドのジュンツバサ、父ディープインパクトのサトノラーゼン、リアルスティール、アルバートドックらがノーザンダンサーのインブリードを持っていて勝ち馬候補。ただ、ステイゴールドの菊花賞成績はオルフェーヴル、ゴールドシップという異能の2頭が稼いだもの、このレースとの相性を鵜呑みにするべきではないかも知れない。ディープインパクトもこれまで菊花賞未勝利という点が気がかりだ。

ならば非SS系種牡馬の産駒か。ベルーフとマッサビエルの父はキングジョージ勝ち馬ハービンジャー、レッドソロモンの父は日本ダービー勝ち馬メイショウサムソンで、いずれも母父はサンデーサイレンス、ノーザンダンサーのインブリードも持っている。この3頭から穴を狙う手もありそうだ。

【ベルーフの血統表】

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*ハービンジャー
 Harbinger
 2006年 鹿毛(英)
Dansili
 1996年
Danehill
1986年(米)
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Razyana His Majesty
Spring Adieu
Hasili
1991年
Kahyasi Ile de Bourbon
Kadissya
Kerali High Line
Sookera
Penang Pearl
 1996年
Bering
1983年
Arctic Tern Sea-Bird
Bubbling Beauty
ベルーフ
 Beruf(JPN)
 牡 3歳 父 6歳・母11歳時産駒
 2012年 鹿毛(白老町)
Beaune Lyphard
Barbra
Guapa
1988年
Shareef Dancer Northern Dancer
Sweet Alliance
Sauceboat Connaught
Cranberry Sauce
*サンデーサイレンス
 Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
レクレドール
 Les Clefs d'Or
 2001年 黒鹿(白老町)
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
ゴールデンサッシュ
 Golden Sash
 1988年 栗毛(白老町)
*ディクタス
1967年 栗毛(仏)
Sanctus Fine Top
Sanelta
Doronic Worden
Dulzetta
ダイナサッシュ
1979年 鹿毛(早来町)
*ノーザンテースト Northern Dancer
Lady Victoria
*ロイヤルサッシュ Princely Gift
Sash of Honour