G1特集 第159回 天皇賞(春)G1特集 第159回 天皇賞(春)

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フィエールマン 菊花賞馬がG1・2勝目を狙う

フィエールマン
菊花賞に続くビッグタイトルを狙うフィエールマン

昨年の菊花賞では夏のラジオNIKKEI賞以来の休み明けで制すという離れ業を披露。前半から中盤にかけてのペースがかなり緩み、ラスト800mの時計が速い流れを差し切った。未知な雰囲気もあるが、デビュー以来、まだ連対を外しておらず、単純に能力が高い馬と言える。前走アメリカジョッキークラブCでは、長期ブランク明けのシャケトラに敗れたが、僅差の2着でまずまずの内容。しかも同馬は次走阪神大賞典を圧勝した。その最大のライバルがいなくなったのは残念だが、本馬にとっては大きなチャンスだ。

エタリオウ 勝ち切れないが地力上位で堅実

エタリオウ
善戦続きからの脱却を目指すエタリオウ

前走日経賞では残り1000mあたりから前へ押し上げ、逃げたメイショウテッコンに早めに接近。ほぼ並びかける形で最後の直線に入ったが、追い比べで逆に突き放されて2着に終わった。ペースが遅かったので早めに動いた判断は悪くないと思うが、その分いつものような鋭い脚は使えなかった。父のステイゴールドも本格化するまではもどかしい感じがしたので、本馬に関してももう少し長い目で見たいところ。現時点でも堅実な末脚は大きな武器だし、距離の3200mも問題ない。マイナス材料は少なく、かなり高い確率で上位争いはできるだろう。

グローリーヴェイズ 日経新春杯を1番人気で勝利

前走日経新春杯では1枠スタートだったこともあり、内目の中団を追走。芝2400mとしてはかなり速いペースとなり、差し馬にとっては流れが向いたと言える。本馬はそのまま内目を捌き、鋭く抜けて優勝。重賞初制覇を飾った。菊花賞では8枠スタートだった上、スローペースで大外を回る展開。それでいて上がり3ハロンは、上位3頭と同じだったので能力は相当高い馬と見るべきだろう。関東馬ながら京都の経験は豊富。距離の3200mも心配はなさそうだ。鞍上は戸崎圭太騎手の予定。馬群にいれてうまく捌ける競馬に持ち込みたいところ。

ユーキャンスマイル ステイヤーとして成長

近3走すべて芝3000mのレースを使われ、3着以内に好走。4歳にして早くもステイヤーとしての資質を存分に示している。前走ダイヤモンドSでは軽ハンデのサンデームーティエが逃げて2着に残る展開。当然スローペースで、差し馬には苦しかったが、本馬は上がり33秒4の決め手で差し切り重賞初制覇を飾った。2走前の万葉Sもスローペースで、この時はヴォージュの逃げ切りを許した。少し成長を見せていると言えるかもしれない。菊花賞よりも200mでも距離が延びるのは歓迎。フィエールマンやエタリオウを逆転できる可能性は十分ある。

メイショウテッコン 落ち着いて走ることができれば

イレ込み癖があり、パドックでもテンションの高さが気になるタイプ。その影響からか菊花賞では14着と惨敗。今年1月の日経新春杯は出負けし、向正面の直線で一気に押し上げるも最後は失速。チグハグな競馬で9着に敗れた。しかし、前走日経賞は落ち着いていたようで、ゲートもスムーズ。先頭に立ち、スローペースに落とすと、最後の直線ではエタリオウとの一騎打ちに競り勝った。3歳時の実績を考えれば、これぐらい走っても不思議はないし、今回のメンバー相手でも十分勝負になる。当日の気配がかなり重要になるだろう。

リッジマン 良馬場で巻き返したい

昨年のステイヤーズSで重賞初制覇。強力な相手となるはずだったアルバートが出走取り消しとなった運を生かした。その次は有馬記念に挑戦するも後方のまま見せ場なく12着に敗退。前走阪神大賞典では2番人気に支持されるも6着に敗れてしまった。長距離適性は間違いなく高く、3000mで巻き返せなかったのは気がかりだ。有馬記念の疲労が抜けなかったか、緩い稍重の馬場が影響したのか。いずれにしてもG1に向けて自信を持てる臨戦過程ではなくなってしまった。良馬場で力を出せれば、3200mのG1ならば見せ場ぐらいは作れそうだが。

クリンチャー 京都巧者は一変できるか

昨秋はフォワ賞→凱旋門賞とフランス遠征をし、有馬記念にも出走するハードローテーション。大敗も仕方がないという印象だ。ただ、前走日経賞も内容ひと息で7着。展開は向かなかったが、状態も本調子になさそうで、本番に向けてどれだけ上昇させることができるかがまずはカギだ。京都芝コースは【2.1.1.0】で複勝率は100%。平坦巧者というイメージはないが、3〜4コーナーにかけての下り坂がこの馬には合っているのだろう。昨年の天皇賞(春)でも僅差の3着にきている。今回は条件好転で、走りもガラリと一変しても不思議はない。

カフジプリンス 豊富なスタミナが生きれば

前走阪神大賞典では中団から手ごたえよく追走。残り800m手前からシャケトラが動き、同馬にまくられたため本馬もスパートしたが、手綱がかなり動いた。同じ位置にいたリッジマンは直線で後退する中、本馬はしぶとく最後まで脚を伸ばして2着に入線。かなりスタミナがあるところを見せた。3歳時の菊花賞では3番人気に支持され、2017年のダイヤモンドSでは3着。昔から長距離での資質は認められており、前走はフロックではないだろう。ただ、一連の成績からはG1で勝ち負けができる感じではない。相当タフな流れで、他馬が苦しむような競馬になれば。

パフォーマプロミス 中距離G2・2勝の実績

18年のアルゼンチン共和国杯と日経新春杯を優勝。芝2400〜2500mのG2を2勝しており、今回のメンバーでは実績上位だ。その両レースともにスローペースの瞬発力勝負。特にアルゼンチン共和国杯では、自身の上がり3ハロンは32秒6だった。さすがに中盤のペースが遅すぎるため、G1にはつながりにくい内容に見える。本馬はこれまで2回G1に挑戦しているが、宝塚記念が9着、有馬記念が14着と大敗している。ともに稍重馬場のレースではあったが、流れが厳しく、底力が問われるレースでの脆さが気がかりだ。3200mの距離は問題ないだろうが、果たしてどこまで。

チェスナットコート 昨年は僅差の5着

昨年の天皇賞(春)にも出走し、勝ち馬レインボーラインからは0.3秒差の5着に入線した。重賞未勝利馬ながら十分善戦した結果で、ハーツクライ産駒らしく長距離適性があった。日経賞からのローテーションは昨年と同じ。しかし、同レースでの着順・内容は昨年と今年では大きく異なる。9着からの巻き返しがあるかどうか。昨秋はオーストラリアのG1に挑戦し無念の惨敗。その前の目黒記念でも11着と二けた着順に敗れており、状態面が心配だ。巻き返しのカギは、矢作芳人厩舎の仕上げ具合にもかかっているだろう。