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6連勝でG1・2勝目を目指すゴールドアクター
昨年のグランプリ・有馬記念では好スタートからサッと好位につけると、逃げ粘るキタサンブラックを交わしてゴール。怒涛の4連勝で見事にG1初制覇を飾った。当時は8番人気だったが、その実力は本物であると見て間違いない。素晴らしい成長力と、抜群の操縦性を武器に一気に頂点へ立った。今年は日経賞から始動。有馬記念で接戦の2着だったサウンズオブアースよりも斤量が2キロ重かったが、3/4馬身下して優勝。G1馬としての貫録を見せた。京都は菊花賞3着以来となるが、本格化した今ならば気にならない。折り合いにも全く不安はなく、少なくとも大崩れはないだろう。
前走日経賞ではゴールドアクターを外に置き、ほぼ並んだ形でのスパート。最後の直線では先に先頭に出たが、坂を上がったところでゴールドアクターに交わされて2着に終わった。本馬の方が斤量が2キロ軽かったので、正直、勝利がほしかった。いまだに重賞勝ちがない点が示す通り、最後のもうひと踏ん張りが課題だ。それでも地力はジワジワとつけている。本質的にはコーナーが多いコースの方が良さそうな印象。昨年の天皇賞(春)は9着と案外だったが、それは度外視してもいいだろう。長距離は問題ない。善戦からの脱却を見せることができるか。
初の京都で大輪を咲かせたキタサンブラック
前走産経大阪杯は注目の一戦。中距離のスペシャリストによる強力な布陣だったため5番人気に甘んじたが、結果は2着。ハナに立ち、前半1000m通過が61秒1のスローペースに持ち込むと、2番手追走のアンビシャスとの叩き合いとなった。前が残る展開ではあったが、その分上がりが速くなるため、本馬にとっては必ずしも好ましい競馬ではなかったはず。それでも結果を出せたことが大きい。G1初制覇となった昨年の菊花賞では、先団を見ながら進み、直線では内から抜けた。コース・距離適性を示すパフォーマンスであり、今回が本番だ。ライバルは強力だが、打ち破りたい。
一気のG1制覇を目指すシュヴァルグラン
前走阪神大賞典は平均ペースの中、先団勢を見ながら追走。3〜4コーナーの中間で外を回って追い上げにかかると、最後の直線は大外へ。タンタアレグリアとの追い比べを楽々と退けて重賞初制覇を飾った。強い勝ちっぷりであったし、3000mの距離も問題なかったことも収穫と言える。ただ、メンバー構成は日経賞や大阪杯の方が強力。それらの上位組を撃破するだけの地力があるかどうかは、まだわからない。2走前の日経新春杯でレーヴミストラルの決め手に屈している点も気がかりで、京都替わりがどう出るか。それでも、自分の競馬に徹し、力を出し切るしない。
前走ダイヤモンドSは雨が降り馬場も悪い中、押さえ切れない手応えで、4コーナーで早々と先頭へ。その後の長い直線でさらに脚を伸ばすと、フェイムゲームを4馬身下して見事に優勝した。前年の天皇賞(春)2着馬を下す快勝ではあったが、ハンデ差もあり、相手は海外遠征明けで万全とは言い難い状態。条件クラスからの一連の成績を見ると、長丁場の安定度は認めつつも、いきなりG1で通用するかは微妙なところだ。芝3200mの距離適性では優位に立てても、おそらく良馬場での決め手勝負では苦しい。馬場がしぶったり、乱ペースになったりするなど、味方につけたい要因がある。
菊花賞4着以来となったダイヤモンドSは4着。着順こそ同じだったが、ひと息入っていたことと、馬場が悪かったことで本来の力を出し切ったとは言い難い。前走阪神大賞典では2着に巻き返しており、こちらの方のパフォーマンスを評価すべきだろう。ただ、内容的にはシュヴァルグランに完敗。距離がこたえている感じではないものの、G1レベルでの決め手比べには不安は残る。昨年の菊花賞では勝ち馬キタサンブラックに対し、0.3秒差での入線。今回も同じぐらいの着差で食い下がり、馬券圏内の可能性を見出したい。
重賞連勝を狙った前走京都記念はスタートであおったが、後方から行くのはいつものこと。2走前の日経新春杯同様、最後の直線で大外に出して追い出したがサッパリ伸びなかった。スパートの反応自体も悪かったし、重馬場が苦しかったとしか思えない。良馬場だった日経新春杯では凄い伸びを見せて、シュヴァルグランを2馬身差で下している。このような極端な脚質・戦法は長距離向きではないが、京都芝外回りの適性・鋭い瞬発力は魅力だ。あとは3200mの距離がどうでるか。兄姉に活躍馬が多く、2400mは十分対応も、あまり長い距離は未知数。
昨年の天皇賞(春)では中団追走から、最後の直線は外目に出されると鋭い伸び。先に抜けたゴールドシップに対し、ゴール前で急追してクビ差の2着まで迫った。ダイヤモンドSを連覇しており、長距離実績は示していたが、本筋ではない臨戦過程での好走。それだけ前年のダイヤモンドSの勝ち方が強く、勢いもあった。今年もダイヤモンドSを経て、直行というローテーション。2着が示す通り、前年のようなパフォーマンスではなかった。しかし、海外遠征明けの上、道悪・トップハンデだった。敗因はハッキリしている。叩かれての上昇は見込めるだろう。
14年の菊花賞をレコードで優勝。同レース2着がサウンズオブアースで、3着がゴールドアクターだった。彼らのその後の活躍を見れば本馬の地力も相当であることは疑う余地がない。ただ、爪や球節を痛めてしまった影響で、菊花賞後は満足にレースを使うことができていない。宝塚記念こそ4着と、地力の片りんは示したが、昨年の札幌記念が8着。そして前走阪神大賞典は7着に終わった。休み明けだったとはいえ、一変できるかどうかは微妙なレース内容。まずは、これを叩かれてどこまで復調しているかがカギとなる。
年明けからの成績は京都記念と、阪神大賞典がともに3着。日経新春杯と日経賞を連覇した昨年に比べると、正直、かなり物足りないと感じる。それでも本来の力に近い走りができれば、G1でも善戦できるはず。昨年の天皇賞(春)では折り合いを欠いてしまったこともあり、3番人気で15着という散々な結果となってしまった。距離に対する不安はまだ残るものの、ここまで負ける馬ではない。昨年の有馬記念では7着ながら勝ち馬と0.3秒差。展開が向けば、3着争いぐらいには食い込めてもおかしくない。