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今年も3回京都開催は12日間の予定となっている。コース区分は前半6日間はCコース、後半6日間はDコース。したがって、2週目の今週はCコースが使用される。CコースはAコースから直線部7m、曲線部6m外側に仮柵が設置される。幅員は21mから32m。芝は野芝に洋芝をオーバーシード(イタリアンライグラス)した状態となっている。JRAの発表によると、野芝・洋芝ともに生育は順調で、全体的に良好な状態とのこと。
開幕週となった先週はダートコースが稍重スタートだったが、芝は良馬場だった。日曜日のマイラーズCの勝ち時計は1分32秒6(良)。近年の同レースは同じような時計が出ている。レコード決着のレースはなく、驚くような高速馬場ではないが、悪くもないといったところだろう。
京都芝3200mのスタート地点は、向正面直線の中間点よりやや左。現在では天皇賞(春)でしか使われないコースであり、外回りコースを約1周半する。菊花賞のスタート地点に比べると、最初の3コーナーまでの距離が十分に取られている状況だが、スタート直後は先行勢のポジション取りで、ある程度速く流れることが多い。一周目の正面スタンド前あたりまでは平均ペースで流れ、その後にペースが落ちて、各馬が息を入れることになる。
2周目の向正面では平均からやや遅めのペースで流れる。再び隊列が動き出すのが3コーナー過ぎ、坂の頂上付近。ここからゴールまでの800mの間、下り坂も利して、目一杯の追い比べとなる。すでに2400mを走った後だが、さらにラスト4ハロンで速い脚が要求されるという厳しいレースだ。相対的にラップ構成を見た場合、菊花賞よりも中盤が緩まないのに、後半のラップも速い。3歳馬限定戦と、古馬戦との違いが如実に表れている。スタミナに加え、息の長い末脚が要求されるタフなレースだ。
長丁場のレースであるため、ペースは平均ペースからスローペースになることが多い。ただし、12年や13年は前の馬が飛ばしたことで、厳しいレースラップとなり上がりの時計がかかった。勝ち時計にはバラつきがあり、事前に予測するのは難しい。一応、レコードは06年にディープインパクトが記録した3分13秒4となっている。過去10年で最も時計がかかったのは、稍重で行われた11年。ヒルノダムールがマークした3分20秒6だ。平均的には3分14〜15秒台の決着となる。
過去10年の脚質別成績は、追い込み馬だけが【0.0.0.44】と全く勝負になっていない。このレースに限らず、長距離線の直線一気はたいてい厳しい。高速馬場により、その傾向に拍車がかかっている。末脚を生かす競馬ではダメというわけではなく、序盤に後ろで構えた場合は、2周目の3〜4コーナーあたりでポジションを押し上げていく必要がある。昨年優勝したゴールドシップはまくりに出た形となり、2周目の3コーナーでは3番手につけた。06年のディープインパクトも、同位置までに一気に4番手まで押し上げた。
正攻法の形は先行で、【3.6.5.21】という成績。好走馬の数では差し馬【4.4.5.64】もほぼ互角ではあるが、勝率・連対率・複勝率のいずれも先行馬が優勢。回収率も先行馬が高い。逃げ馬は【1.0.0.11】。好走したのは12年1着のビートブラックだけだが、長距離戦の逃げ馬は常に警戒しておきたい。
枠順成績は、1枠が【4.1.1.12】で最多勝。連対率や複勝率も抜けた好成績。コーナーをたくさん回り、馬場もいいため経済コースを取りやすい枠順が功を奏している模様。ただ、2枠や3枠はそれほど目立った成績ではない。6枠の複勝率は30%あり、8枠も【1.3.1.23】で十分好走馬は出ている。よって、1枠が特注で、その他の枠に関してはそれほど気にしなくてもいいかもしれない。