G1特集 第32回 フェブラリーSG1特集 第32回 フェブラリーS

コース解説

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真冬の東京で火花が散る
ダート最強マイラー決定戦

コース解説

G1昇格後、03年以外は東京ダート1600mで施行。過去にはメイセイオペラやカネヒキリ、エスポワールシチーが最後の直線での激しい叩き合いを制した。

JRAで行われる年内最初のG1レース。昨年は記録的な大雪の影響で全体の開催日程に狂いが生じたが、今年は今のところ順調に前哨戦などが行われた。フェブラリーSも例年通り、1回東京開催の最終週、東京ダート1600mでのレースとなる。

東京ダートコースのクッション砂の砂厚は9.0cmで調整されている。この時期はクッション砂の凍結防止のため、コース全面に凍結防止剤が散布される場合がある。過去10年のフェブラリーSの馬場状態は良馬場が7回、稍重馬場が1回、不良馬場が2回。降雪の可能性もあり、当日の天候・馬場状態は常に気になるところだ。ダートコースは芝コースに比べ、適度に湿っていた方が速い時計が出るケースが多々ある。フェブラリーSのレコードは09年にサクセスブロッケンが記録した1分34秒6で、この時は稍重馬場だった。05年にメイショウボーラーが1分34秒7で逃げ切った時は不良馬場。水分を含んだ方が速い時計が出やすい。良馬場だと1分35秒前後が水準の時計。1分36秒台までいくと、時計がかかるという印象になる。

複数回の優勝は6〜8枠

コース解説図

スタート地点は2コーナー奥のポケット。芝部分からの発走というのが、このコースの大きな特徴。外枠に行くほど芝を走る距離が長くなる。したがって、一般的に東京ダート1600mは外枠の方が有利。このレースにもその特徴がよく出ている。過去10年の枠順別成績を見ると、8枠の成績が【4.1.2.13】で最も多くの勝ち馬を出している。さらに7枠が【2.2.0.16】、6枠が【2.0.2.16】という成績。複数回の優勝馬を出している枠が6〜8枠という結果だ。無難と思われやすい3〜5枠が未勝利。1〜2枠がそれぞれ1勝ずつをマーク。内枠が明らかに不利というわけではないが、外枠が非常に強い。

スタート後のバックストレッチは距離が長い。最初の3コーナーまでは600m以上ある。最後の直線距離(501.6m)よりも長いためテンから速く流れる。3〜4コーナーのカーブは小回りコースに比べると当然緩い。そのためまくりは利きにくい。最後の直線に入ると、各馬死力を振り絞っての叩き合いとなる。直線部分が長く、コーナーが2回しかないので、全馬が力を発揮しやすい舞台だ。

瞬発力が要求され、差し馬にもチャンス

ダートのマイルG1という性質上、前傾ラップが基本だが、昨年はペースがあまり上がらず、後半の600mの方が時計が速かった。ただ、これは例外のケース。普通は前半600mの方が後半の600mよりも速くなる。そうなった場合、この流れを逃げ切るには相当な能力が必要。一般的にダートは逃げ・先行馬が有利だが、押し切るのは容易ではない。速い流れを追走しつつ、東京コースならではの瞬発力が要求される。時計がかかる深いダートを、馬力で押し切るのを得意とする馬にとっては、厳しい条件だ。

05年以降、逃げ馬の成績は【2.0.0.8】。好走したのはメイショウボーラーとトランセンド。ともに1番人気に支持された実力馬だった。先行馬の成績は【4.5.3.26】で昨年のコパノリッキーはここに該当する。1着よりも2着が多いものの、複勝率31.6%はトップ。一方、差し馬は【3.2.6.48】。当日3番人気以内に支持された馬が多いものの、鋭い差し脚を持っている馬にもチャンスは十分ある。なお、追い込み馬は【1.3.1.45】。前傾ラップの展開でも追い込み馬が勝ち切るのは容易ではない。勝利したのは12年のテスタマッタだけ。昨年は1番人気のベルシャザールが3着に終わった。