G1特集 第41回 エリザベス女王杯G1特集 第41回 エリザベス女王杯

血統分析

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ディープ産駒3頭の三つ巴! 最有力はマリアライト

1)ヘイルトゥリーズン系断然だが実情は?

過去10年の系統別成績は以下の通り。ご覧のようにサンデーサイレンス系を含むヘイルトゥリーズン系が9勝と圧倒的な数字を残している。

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種牡馬系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 6回 5回 4回 96頭 6.3% 11.5% 15.6%
その他のヘイルトゥリーズン系 3回 0回 0回 17頭 17.6% 17.6% 17.6%
ナスルーラ系 1回 2回 0回 10頭 10.0% 30.0% 30.0%
ノーザンダンサー系 0回 2回 0回 30頭 0.0% 6.7% 6.7%
ミスタープロスペクター系 0回 1回 5回 13頭 0.0% 7.7% 46.2%
その他の系統 0回 0回 1回 3頭 0.0% 0.0% 33.3%

サンデーサイレンス系6勝の内訳は、ディープインパクトとアグネスタキオンの産駒が各2勝、サンデーサイレンスとスズカマンボの産駒が各1勝。その他のヘイルトゥリーズン系による3勝は、このレースを連覇したスノーフェアリーの父Intikhabとレインボーダリアの父ブライアンズタイムだ。

ここで名前のあがった6頭の種牡馬を除いたヘイルトゥリーズン系/サンデーサイレンス系の成績は、68頭が走って2着2回、3着1回。馬券に絡んだのはスペシャルウィーク産駒ブエナビスタ(3着)とハーツクライ産駒ヌーヴォレコルト(2着2回)で、すべて1番人気でのものだった。ステイゴールド産駒が9戦未勝利、マンハッタンカフェ産駒が8戦未勝利など、一概に「ヘイルトゥリーズン系/サンデーサイレンス系強し」といえないのが実情だ。

一応はこの系統の中から有力馬を絞り込みつつも、他の系統にも注意を払っておくべきだろう。

【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2015.11.15 1 12 マリアライト ディープインパクト エルコンドルパサー
2015.11.15 2 18 ヌーヴォレコルト ハーツクライ スピニングワールド
2014.11.16 1 1 ラキシス ディープインパクト Storm Cat
2014.11.16 2 5 ヌーヴォレコルト ハーツクライ スピニングワールド
2013.11.10 1 3 メイショウマンボ スズカマンボ グラスワンダー
2013.11.10 2 18 ラキシス ディープインパクト Storm Cat
2012.11.11 1 15 レインボーダリア ブライアンズタイム ノーザンテースト
2012.11.11 2 12 ヴィルシーナ ディープインパクト Machiavellian
2011.11.13 1 18 $スノーフェアリー Intikhab Charnwood Forest
2011.11.13 2 1 アヴェンチュラ ジャングルポケット サンデーサイレンス
2010.11.14 1 6 $スノーフェアリー Intikhab Charnwood Forest
2010.11.14 2 9 メイショウベルーガ フレンチデピュティ Sadler's Wells
2009.11.15 1 7 クィーンスプマンテ ジャングルポケット サクラユタカオー
2009.11.15 2 11 テイエムプリキュア パラダイスクリーク ステートリードン
2008.11.16 1 16 リトルアマポーラ アグネスタキオン コマンダーインチーフ
2008.11.16 2 15 カワカミプリンセス キングヘイロー Seattle Slew
2007.11.11 1 7 ダイワスカーレット アグネスタキオン ノーザンテースト
2007.11.11 2 12 フサイチパンドラ サンデーサイレンス Nureyev
2006.11.12 1 15 フサイチパンドラ サンデーサイレンス Nureyev
2006.11.12 2 8 スイープトウショウ エンドスウィープ ダンシングブレーヴ
2)勝ち馬の父に求められる資質は?

過去10年の勝ち馬(日本馬)の父について代表産駒を列挙してみよう。

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優勝馬の父 父の代表産駒
サンデーサイレンス ディープインパクト/ダイワメジャー
アグネスタキオン ディープスカイ/ダイワスカーレット
ジャングルポケット ジャガーメイル/トールポピー
ブライアンズタイム ナリタブライアン/ファレノプシス
スズカマンボ メイショウマンボ自身/マルタカシクレノン
ディープインパクト ジェンティルドンナ/キズナ/リアルインパクト

日本ダービーやジャパンC、天皇賞・春といった「格の高い2400〜3200m戦を差し切った馬」が多く、と同時にGI級のマイラーも出し、牝馬にも活躍した産駒が多い。スズカマンボは他と比べてスケールの点で物足りないものの、全体としては、スタミナ、切れ、スピードといった能力を広く産駒に伝えるポテンシャルの高さを特徴とする種牡馬たちだといえるだろう。

スノーフェアリーの父Intikhabはドバイデューティーフリー(2000m)で2着のある馬だが、基本的にはマイラー。産駒にもマイルG1の勝ち馬がいて、スノーフェアリー自身が英愛オークス勝利。やはり2400m級とマイル、双方への適性を示す血筋だといえる。

3)カギを握るのはノーザンダンサーの血か

母の父の系統別成績は以下の通り。馬券に絡む回数では圧倒的に「母父ノーザンダンサー系」だ。出走数が多いせいであるのは事実だが、連対率・複勝率とも高くて無視できない。

とりわけ勝ち馬9頭のうち5頭が母父ノーザンダンサー系、2頭が母母父ノーザンダンサー系、残り2頭がノーザンダンサーの5×5インブリードありと、勝利のためにはノーザンダンサーの血が必須といえるだろう。

逆に軽視したいのが「母父サンデーサイレンス系」だ。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ノーザンダンサー系 5回 7回 6回 65頭 7.7% 18.5% 27.7%
ミスタープロスペクター系 1回 1回 1回 23頭 4.3% 8.7% 13.0%
ナスルーラ系 1回 1回 1回 28頭 3.6% 7.1% 10.7%
サンデーサイレンス系 0回 1回 2回 27頭 0.0% 3.7% 11.1%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 0回 0回 8頭 12.5% 12.5% 12.5%
その他の系統 2回 0回 0回 18頭 11.1% 11.1% 11.1%
4)母系の“確かさ”も重視したい

下の表は連対馬の母系から出た活躍馬をまとめたもの。未勝利馬や条件馬しか出ていない血統の出身馬は1頭もおらず、みな「1本芯の通った血統」といえる。

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馬名 母系・近親の活躍馬
フサイチパンドラ 近親に欧州年度代表馬エルグランセニョール
ダイワスカーレット 母スカーレットブーケは重賞4勝、兄はダイワメジャー
リトルアマポーラ 祖母は重賞2勝のルイジアナピット
カワカミプリンセス 祖母は米重賞2勝のSummer Secretary
クィーンスプマンテ 近親にオープン3勝のレディゴシップ
テイエムプリキュア 近親にダート重賞4勝のエムアイブラン
スノーフェアリー 近親に独G3勝ち馬Big Bad Bob
メイショウベルーガ 近親にダンシングブレーヴ
アヴェンチュラ 姉はオークス馬トールポピー
レインボーダリア 母アロームはエルフィンS勝ち馬
ヴィルシーナ 近親にラジオNIKKEI賞勝ち馬フレールジャック
メイショウマンボ 祖母はオープン2勝のメイショウアヤメ
ラキシス 母は米G2勝ち馬マジックストーム
ヌーヴォレコルト 5代母はケンタッキーオークス勝ち馬Native Street
マリアライト 曾祖母は愛オークス馬Regal Exception
結論

父の系統は、一応はヘイルトゥリーズン系/サンデーサイレンス系が中心。過去にこのレースで産駒が好走した種牡馬がベターで、産駒のイメージが「格の高い2400〜3200m戦を差し切り勝ち」+「マイル路線もOK」+「牝馬の産駒もGI級」であることを求めたい。母父か母母父がノーザンダンサー系(最低でもノーザンダンサーの5×5インブリード)であることも必須。母系が優秀であることも重要だ。

昨年の勝ち馬マリアライトは、当然有力。同じくディープインパクト産駒では、タッチングスピーチが母父ノーザンダンサー系Sadler's Wellsで母は英G1馬、ミッキークイーンも母父ノーザンダンサー系Gold Awayで母が重賞3勝。三つ巴の戦いだ。

【マリアライトの血統表】

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ディープインパクト
 Deep Impact
 2002年 鹿毛(早来町)
*サンデーサイレンス
 Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
*ウインドインハーヘア
 Wind In Her Hair
 1991年 鹿毛(愛)
Alzao
1980年
Lyphard Northern Dancer
Goofed
マリアライト
 Marialite(JPN)
 牝 5歳 父 9歳・母 9歳時産駒
 2011年 黒鹿(安平町)
Lady Rebecca Sir Ivor
Pocahontas
Burghclere
1977年
Busted Crepello
Sans Le Sou
Highclere Queen's Hussar
Highlight
*エルコンドルパサー
 El Condor Pasa
 1995年 黒鹿(米)
Kingmanbo
1990年(米)
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
Saddlers Gal
1989年
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
クリソプレーズ
 Chrysoprase
 2002年 黒鹿(早来町)
Glenveagh Seattle Slew
Lisadell
*キャサリーンパー
  Catherine Parr
 1987年 青鹿(米)
Riverman
1969年(米)
Never Bend Nasrullah
Lalun
River Lady Prince John
Nile Lily
Regal Exception
1969年
Ribot Tenerani
Romanella
Rajput Princess Prince Taj
Royal Arrival