第85回 東京優駿（日本ダービー） 有力馬情報｜GⅠ特集
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４戦４勝のダノンプレミアム
皐月賞では圧倒的人気を背負うはずだったが、直前に挫跖（ざせき）に見舞われるアクシデントがあり無念の回避となった。ダービーには間に合う程度のケガであったことは不幸中の幸いだが、一頓挫あった点はやはり心配だ。中間の動きや、当日の気配は気になるところだ。能力の高さは疑う余地がない。有り余るスピードと推進力はケタ違いだ。完成されている分、成長力や上昇力は見込みにくいが、現時点での戦いにおいては関係がない。東京芝2400mという舞台もベストではないかもしれないが、力でカバーしてくる可能性が高そうだ。
皐月賞を制したエポカドーロ
ダノンプレミアムが回避したことで混戦になった皐月賞を制したのは本馬だった。前の３頭が離して逃げる展開となり、単独の４番手の位置から追走。全体のペースは速かったが、本馬の場合は無理がないペースだった。馬場も稍重以上にタフな状態。勝ち時計が2分00秒8であり、例年よりも３秒ぐらい時計がかかっていた。２月のあすなろ賞を３馬身半の差をつけて逃げ切った時も稍重であり、道悪はかなりの巧者と見受けられる。良馬場でもそれなりの競馬はできるだろうが、前走は恵まれた。２冠制覇はかかるが、決め手勝負となるとどうか。
ダービー制覇を狙うキタノコマンドール
前走皐月賞は後方からの追走。馬場が悪く、道中のペースも厳しく、これまで経験したことがないタフな競馬になった。それでも最後の直線では外から末脚を伸ばし、５位に入線。ステルヴィオやグレイルと同じ上がり１位タイであり、終いの脚は目立った。「負けて強し」の印象を与える内容だった。２戦目のすみれＳも内容がかなり良かったし、経験を積まれてからの上積みがかなり大きそうなタイプだ。ここまでキャリア３戦で、すべて上がり１位を記録。持ち味の瞬発力は、東京芝2400mでこそ生きそうだ。大仕事をやってのける可能性を秘める。
無傷で一気の頂点を狙うブラストワンピース
本馬の存在を知らしめたのは２戦目のゆりかもめ賞。今回と同じ東京芝2400mを舞台に、２着のドレークに対して４馬身つきぬける快勝。このレースとしては勝ち時計も優秀であり、クラシック級の器であることを予感させた。そして前走毎日杯は１番人気。１枠スタートから２番手で流れに乗り、最後の直線でアッサリ抜けてきた。このレースのタイムは目立たなかったが、余裕を持っての勝利だったことは間違いない。２着のギベオンが次走ＮＨＫマイルＣで２着と好走しており、本馬の評価も高まった。皐月賞組が強敵になるが、互角以上の勝負になるだろう。
前走青葉賞では中団追走から最後の直線で決め手を見せて優勝。重賞初制覇を飾るとともに、ダービーへの優先出走権を獲得した。スプリングＳでは７着、共同通信杯では４着という結果だっただけに、やや軽視されていた面があるかもしれない。本質的には広いコースの方が良さそうで、スプリングＳでは上がりが２位タイだった。共同通信杯は上がり最速をマークして届かずという競馬。半兄のショウナンマイティも決め手は強烈も、展開に左右される面があった。本馬の場合は父がハーツクライなので、2400mの距離は合っているといえそうだ。
前走皐月賞では１番人気に支持されたが結果は７着。１枠スタートで、中団よりも後ろからの追走。馬場も悪く、終いにかけたが伸びはもう一つだった。良馬場であったらもう少し違う競馬になっていただろうが、道悪で苦しんだのは本馬だけではない。デビューからの３連勝がかなり鮮烈であった分、ここにきての上昇・期待がやや薄れている印象もある。今回、東京芝2400mに替わる点は間違いなくプラス材料。近走の鬱憤を晴らすべく、素晴らしい走りを見せられるかどうか。悲願のダービー制覇を狙う鞍上ともども、ここは大きな勝負になる。
前走京都新聞杯は２番手追走からアッサリと抜け出して優勝。７番人気だったが、やや軽視されすぎていた印象を受ける。デビュー戦の競馬は強かったし、キャリア２戦目で挑んだホープフルＳが３着。タフな展開の中、粘り強い末脚が印象的で、確かな能力を見せていた。共同通信杯の内容が案外だったため、人気を落としていたのだろう。その時の馬体重がマイナス12キロ。レースでよれていたのはそのあたりの影響があったかもしれない。左回りよりも長距離輸送での馬体重減を抑えられるかが課題だろう。なお、鞍上は横山典弘騎手の予定。テン乗りだが、名手だけに心配はないだろう。
前走皐月賞では９番人気で２着に激走。好走できた要因は、勝ったエポカドーロとほぼ同じものだと考えられる。ペースは厳しくなったが、道悪になったことで上がりがかかる展開になった。差し切るには厳しく、好位から脚を伸ばした馬が好走できた。弥生賞では逃げて４着と、強敵相手にそれなりの競馬はできていたが、良馬場のＧ１で勝ち負けするには今一つ足りない。脚を溜めても切れるタイプではなさそう。東京芝2400mでも積極的に出て行くしかないはずだが、良馬場でまともにぶつかっては厳しい印象だ。
２走前のスプリングＳではエポカドーロをハナ差退けて勝利している。前走皐月賞ではキタノコマンドールとグレイルとともに後方追走から、最後の直線勝負にかけた。上がり３ハロンはメンバー中最速タイだが、４位入線が精いっぱい。馬場に恵まれず、致し方がない結果だった。ロードカナロア産駒だが、マイル戦ではやや忙しく、本質的には中距離以上が良さそう。先週のオークスではアーモンドアイが快勝しており、本馬も距離の心配はしなくていいだろう。デビュー戦が強く、東京替わりも歓迎。終いを生かして、上位争いに食い込みたい。
今年に入り若葉Ｓが５着。一度叩かれて挑んだ前走皐月賞だったが、中間の状態から察すると本調子にはなかった可能性が高い。あまり見どころがない内容で、10着に終わったのも仕方がないところか。状態面の上積みは期待できるだろう。血統的には早熟であるはずがなく、むしろ２歳時からガンガン走るのが意外という印象。使われてよくなるはずだし、距離も長い方がいいだろう。Ｇ１に昇格したホープフルＳを制しており、その時にはステイフーリッシュやサンリヴァルを下している。底力はあるタイプで、大舞台では侮れない。
