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有終の美を飾りたいキタサンブラック
当初の予定通りここがラストラン。G1・6勝の輝かしい実績を積み上げた名馬が、いよいよ最後の大一番に挑む。この有馬記念は過去2回走り、3着と2着。いずれも好走はしているが、あと一歩で勝ち切れていないのも事実。宝塚記念も3着、9着という実績であり、ことグランプリに関しては縁がない。両レースはリンクしている意味もあり、感覚的にはかなり嫌なものがある。前走のジャパンCも主導権は握り、マイペースで運べたが最後は2頭に差された。力の衰えというわけではないが、目標になる面は常にある。死力を振り絞って勝利を目指す。
JCでG1初制覇を飾ったシュヴァルグラン
前走ジャパンCは待望の1枠を引いて、ゲートもしっかりと決めた。先団の内々という絶好のポジションで折り合い、キタサンブラックをマークしながら追走。最後の直線でキタサンブラックの外から迫ると、鮮やかな伸び脚で突き抜けた。鞍上のH.ボウマン騎手はテン乗りだったが、完璧なレース運びを披露。さすが世界の名手というべき腕を見せた。今回の有馬記念も昨年(6着)は外枠に泣かされた一戦。ジャパンC同様、枠順に恵まれれば、好勝負ができるはず。あとは、前走後の反動がなく、調子を維持していることが条件だろう。
勢いを増す3歳馬代表のスワーヴリチャード
この秋は復帰が遅れ、菊花賞戦線には間に合わなかった。しかし、前走アルゼンチン共和国杯から始動し、見事な勝利を果たした。相手関係はそれほど厳しくはなく、自身が1番人気に支持されていたが、休み明けで古馬を難なく撃破。勝ちタイムも優秀で、次走以降にさらに弾みがつくものだった。ジャパンCをパスして、今回に照準。同期のダービー馬レイデオロの走りを考えれば、この相手でも十分に通用する計算が成り立つ。ただ、中山への対応はカギ。皐月賞は窮屈な競馬を強いられて6着となっており、ベストは東京コースという気はする。
伏兵として食い込みを狙うレインボーライン
今秋は天皇賞(秋)で13番人気ながら3着と激走。大変な不良馬場のレースであり、道悪の適性が問われた場ではあったが、存在感を見せた。前走ジャパンCは6着。後方追走から追い込むも届かずだった。上位勢とは決め手の差が少しあるのは間違いないが、コース替わりに活路を見出す。過去10年、有馬記念でのステイゴールド産駒の成績は【4.1.2.9】。最も勝ち馬を出しており、同産駒は中山芝2500mの舞台そのものに強い。豊富なスタミナと、息の長い末脚が武器だ。本馬自身も上がりがかかる展開を得意としており、穴の資格は十分だ。
前走ジャパンCでは3番人気で出走したが10着に敗退。ペースはやや恵まれなかったが、それにしても終いの伸びを欠いた。元々良馬場での上がり勝負には不安あり、仕方ない面もあっただろうか。前走後すぐは有馬記念の出走は未定だった。そうした経緯があっての出走なので、体調などに問題があるわけではなさそうだ。昨年の香港ヴァーズではハイランドリールを撃破して優勝。今年の宝塚記念を制するなど、大一番での一発の魅力は常に秘める。中山芝2500mの舞台は悪くなさそうだし、仮に馬場が渋るようならばさらにチャンスは増すだろう。
前走エリザベス女王杯は負けて強しという内容の3着。スローペースの展開となり、2番手から抜け出したクロコスミアが粘り、内から捌いたモズカッチャンが優勝。後ろから差すのがかなり困難であり、本馬の33秒7の上がりをもってしても3着がいっぱいだった。古馬になってはあまり思うような成績を上げられていないが、その分牡馬を相手にしても互角の勝負ができている。今年の宝塚記念では3着。そして、昨年の有馬記念は5着だった。勝つためにはもうワンパンチがほしいのは事実だが、今回も好勝負に持ち込める可能性は十分ある。
ミッキークイーンと同期で、古くはオークスで1、2着となった縁がある。前走エリザベス女王杯は完全に枠順とペースに持ち味を殺されてしまった。ムーア騎手が乗っていたが、後方から進み終いにかけるも9着。致し方がない結果だった。以前は東京コースがベストの印象だったが、2走前でその印象を払拭。オールカマーを好位追走から抜け出し、ステファノスを半馬身退けた。中山での重賞勝ちは初めてであり、春の不振も一掃。オールカマーというレースそのものが、有馬記念に向けてはつながる一戦だ。善戦以上の走りがあっても不思議はない。
この秋のG1戦線は天皇賞(秋)が11着、ジャパンCが8着。かなり厳しい結果となっている。単純に相手強いというのも敗因ではあるが、東京コースというのもこの馬には合わないと思われる。速い脚が長く続かないタイプなので、直線の長いコースだと厳しくなる。春の大阪杯では直線外から追い込んで3着。重賞勝ちが金鯱賞や中山金杯などであり、得意な条件がハッキリしている。今回は2500mのレースだが、昨年の有馬記念が4着。最後の直線で内へやや切れ込みながらしぶとく脚を伸ばした。今年も内目の枠を引くことができれば、楽しみはありそうだ。
秋のローテーションはトライアルを使わず、G1のみに照準。陣営の期待のほどはうかがえるが、結果が出ていない。不良馬場の天皇賞(秋)は度外視してもいいが、ジャパンCは11着。春のG1から崩したリズムがまだ戻っていないようにも感じる。復調へ向けて何かきっかけがほしいところだろう。一変への期待としては、コース替わりが挙げられる。春に日経賞を制覇。この時の競馬の内容はよく、鋭い瞬発力が光った。本来はこれぐらいの距離は合うはずで、折り合いさえつけばというところ。この相手でも肉薄できてもおかしくはない。
やや地味な存在だが、池江泰寿厩舎が送り込む3歳馬。前走チャレンジCでデニムアンドルビーの追撃を押さえ切って重賞初制覇を飾った。G1ではまだやや厳しい感じもあるが、菊花賞は道悪がひどくて競馬にならなかったようだ。良馬場ならば比較的安定した実績を残している。半兄のサトノラーゼンは15年に日本ダービーで2着。本馬は父がハーツクライに替わり、スタミナと成長力に期待したいところ。2500mへの距離延長は悪くないと考えたい。12年の有馬記念で10番人気ながら2着に食い込んだオーシャンブルーのような存在になれるか。