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今年で60回目を迎えるグランプリ有馬記念。ファン投票によって出走馬を選出。時代を代表する名馬、名勝負が生まれてきた。大観衆で沸く中山の直線を先頭で駆け抜けるのは果たして?
1956年に前身の「中山グランプリ」を創設。中山大障害に替わる暮れのビッグレースを作るという当時の日本中央競馬会理事長・有馬頼寧氏の提案をもとに、ファン投票による出走馬の選定方法を採用。第1回は中山競馬場芝・内回り2600mで行われた。
しかし、翌年1月に有馬氏が急逝。同氏の競馬発展への功績を称え、57年から現名称の「有馬記念」へと改称された。60年に芝・外回りに変更されたのち、66年から現行の芝・内回り2500mで行われている。本競走は第1回から続けて中山競馬場で行われ、中央競馬の一年を締めくくるグランプリとして定着。競馬ファン以外にも年末の風物詩として広く知られる存在となっている。
84年のグレード制導入ではG1に格付け。96年には従来の推薦方式を廃止し、ファン投票上位10頭ならびに競走成績を考慮して出走馬の選出が行われるようになった。07年には国際競走に指定。外国馬は6頭まで出走可能となった。
ファン投票によって出走馬が選出されるのは世界でも類を見ない画期的なシステムだ。提案した有馬氏の期待どおり、その年に活躍した実力馬が一同に集結。例年、グランプリにふさわしい華やかなレースが行われる。
また、競馬史に残る名勝負が幾度も繰り広げられ、優勝馬にはその時代を象徴するスターホースが並んでいる。トウショウボーイ、テンポイント、シンボリルドルフ、オグリキャップ、トウカイテイオー、ナリタブライアン、グラスワンダー、シンボリクリスエス、ディープインパクト、オルフェーヴル。日本を代表する名馬が暮れの中山で強さを発揮してきた。昨年はジェンティルドンナが優勝し、JRA年度代表馬に輝いている。
オルフェーヴル、ジェンティルドンナとラストランとなる馬が2年連続で勝利している有馬記念。今年はゴールドシップが引退レースを迎える。3年前に勝利した同じ舞台で再び輝けるか、注目だ。宝塚記念、天皇賞・秋を制したラブリーデイ、ジャパンカップを差し切ったショウナンパンドラも出走予定。現役最強の座をかけて、決戦へと挑む。
他にも菊花賞馬キタサンブラック、リアファルら3歳勢、上がり馬ゴールドアクター・アルバートも一気に頂点を狙う。さあ、グランプリの役者は揃った。中山の大観衆が見守る中で主役の座を手にするのは果たしてどの馬だろうか。