G1特集 第156回 天皇賞(秋)G1特集 第156回 天皇賞(秋)

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キタサンブラック 休み明けでも勝機十分

キタサンブラック
天皇賞春秋制覇を狙うキタサンブラック

先ほど発表された報道によると、今年いっぱいでの引退が決定。今秋は天皇賞(秋)→JC→有馬記念というローテーションが組まれるようだ。秋3戦というのは昨年と同じ。ただ、昨年の初戦がG2の京都大賞典だったところが、今年はG1の天皇賞(秋)となる点が違いだ。休み明けとしてはやや厳しい条件だが、ここまでの実績と地力を考えると中心的な存在。休み明けでも動けるタイプで、今春の大阪杯もそうした不安を打ち消す完勝劇だった。6月の宝塚記念は崩れたが、仕切り直し。内枠を引くことができればチャンスはさらに増すはずだ。

サトノクラウン 国内の2000m・G1では苦しいか

サトノクラウン
宝塚記念を制したサトノクラウン

道悪の京都記念を連覇しているように元々タフな馬場は得意。前走宝塚記念も馬場が渋ったことがプラスに働き、道中の流れもかなり厳しくなった。圧倒的1番人気のキタサンブラックが沈んだことも仕方がなく、本馬にとっては逆に目いっぱいの力を発揮できたレースだった。だが、今回は東京芝2000mが舞台。血統的にも速い脚を欠くタイプで、対応できない懸念がある。昨年のこのレースでは14着に惨敗。春の大阪杯でも3番人気で6着と、国内の2000m・G1では苦しい。先週の菊花賞のように馬場が悪くなれば話は別だが、今週はそこまでの馬場になるかどうか。

リアルスティール 反動や折り合いに問題がなければ

リアルスティール
毎日王冠を勝ったリアルスティール

前走毎日王冠ではソウルスターリングがハナを切り、前半1000m通過が60秒0という遅いペースになった。本馬は中団あたりでポツンと追走する形になったが、折り合いはしっかりついていた。最後の直線では外からきたサトノアラジンとともに鋭い伸び。上がり32秒8の決め手で抜け出ることができた。昨年のドバイターフ以来の勝利で、力を出し切れれば当然これぐらいは走る。昨年の天皇賞(秋)ではモーリスに次ぐ2着であり、左回りの中距離はベストの条件と言えるだろう。叩き2戦目の反動、テンションの上昇がやや怖いが、引き続き期待を持っていいだろう。

サトノアラジン 二階級制覇の可能性も十分

サトノアラジン
安田記念で待望のG1制覇を果たしたサトノアラジン

今春の安田記念で待望のG1初制覇。この秋の最大目標はマイルCSになるはずだが、二階級制覇をもくろみ、今回の挑戦となった。前走毎日王冠はリアルスティールをやや前方に見ながらの追走。上がり3ハロンはメンバー中最速タイとなる32秒6の脚を使い、2着に入った。良馬場とはいえ開幕週の馬場を外目から素直に進出する競馬。リアルスティールよりも斤量が1キロ重かったことを考えると、勝ちに等しい内容だった。中距離でも問題はなく、東京ならば2000mの競馬にも対応できそうだ。良馬場でうまく捌ければ勝ち負けになりそうだ。

ソウルスターリング 速い上がりに対応できるか

注目となった秋初戦の毎日王冠だったが、1番人気で8着に敗退。最内枠からハナに立つ予想外の展開となった。ペース自体は遅かったが、終始ダイワキャグニーに突っつかれる厳しい展開ではあった。逃げる競馬も初めてであり、情状酌量の余地はあると言える。一方で、速い上がりに対応できないのではないかという懸念も残る。サンデーサイレンスの血を持たない欧州の重い血統だけに、本質的に厳しい可能性がある。オークスを勝っているが、上がり32〜33秒台の強烈な決め手が引き続き問われる。今回のレースでその点が明らかになるだろう。

ネオリアリズム 春にクイーンエリサベス2世Cを優勝

今年2月の中山記念を勝ち、4月に再び香港へ遠征。G1のクイーンエリザベス2世Cを制する快挙を飾った。鞍上のモレイラ騎手の手腕も大きかったが、本馬自身もかなり力をつけているようだ。昨年の札幌記念では道悪とはいえ、モーリスを下す金星。次走マイルCSでは3着と時計が速い良馬場でも結果を出した。決め手で勝負するタイプではないが、先行力とスピードの持続力はかなりある。多少馬場が渋れば東京芝コースでも残る可能性は高まりそうだ。ただ、予定していた札幌記念を使えずぶっつけとなった点は誤算。仕上がり具合に注目だ。

ステファノス 枠順の恩恵があればさらに良し

秋の天皇賞は今年で3回目の挑戦。15年はラブリーデイの2着、昨年はモーリスの3着といずれも結果を残している。しかも、両方とも外目の枠順。特に昨年は8枠からのスタートで、道中のロスがどうしても生じる。末脚を活かすタイプなので、最終的には外に出したいが、もう少し枠順に恵まれていればもっと際どい勝負になっていたかもしれない。勝ちみに遅いながらも、ディープインパクト産駒らしく鋭い決め手が持ち味。2000mのG1は強く、東京コースにおける適性も高い。休み明けのオールカマーも2着ならば十分。今年も要警戒だ。

ヤマカツエース 東京コースでは厳しいか

前走札幌記念は1番人気に支持されたが3着に敗退。実績的に格下の馬に先着され、波乱の要因となってしまった。4月の大阪杯以来で、間隔が開いていたことが良くなかったか。同レースではキタサンブラックとステファノスに次ぐ3着と差がない競馬はしており、見直しは当然必要になってくる。ただ、今回は東京コース替わり。昨年のこのレースではシンガリ負け。負けすぎの印象もあるが、明らかに瞬発力勝負に対応しきれていなかった印象だ。その時よりも多少は力をつけているかもしれないが、能力の本質はそうそう変わらない。良馬場では苦しいかもしれない。

サクラアンプルール 札幌記念を制すも東京では

道営に移籍して中央へ再入厩。叩き上げのキャリアの持ち主だが、血統的には良血馬と言える。半兄にサクラメガワンダー(父グラスワンダー)らがいる。同馬は芝中距離で活躍し、09年の宝塚記念では2着と好走した。ただ、東京芝コースは【0.0.0.7】の成績で縁がなかった。本馬は父がキングカメハメハに替わり、東京では白富士Sで2着の実績があるが、まだ不安が残るところではある。前走勝った札幌記念は洋芝。時計が速い決め手勝負は課題となるだろう。4月の大阪杯は道中チグハグになり、13着に惨敗。このような内容だけは避けたい。

グレーターロンドン 一気の差し切りを狙う

前走毎日王冠は4番人気で3着。斤量的には恵まれていたが、休み明けでもあり相手も引き続き強力だった。重賞初挑戦となった6月の安田記念で4着と善戦しており、その能力は本物だったと言える。ディープインパクト産駒特有の強烈な瞬発力が最大の武器。これまでコンスタントに上がり32〜33秒台の上がりを記録しているように、東京芝1600〜2000mのG1はベストの条件のはずだ。スタートをなるべくしっかりと決めて、レースの流れに乗りたいところ。最後の直線で少しの運が味方すれば、一気の差し切りも夢ではない。