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ディープインパクト産駒の1・2フィニッシュとなった昨年を含め、過去10年のうち9年はサンデーサイレンス(SS)系種牡馬が連対。勝率的に見るとそれほど大きなアドバンテージはなく、出走頭数の多さで稼いだ好成績とも受け取れるが、連対率18.4%はまずまず立派な数字だ。
またSS系は、1〜3番人気時には16頭中7頭が連対(1勝・2着6回)、4番人気以下では60頭中7頭が連対(4勝・2着3回)と、人気にかかわらず上位争いできるのがポイント。これに肉薄するのは、1〜3番人気に推された3頭がすべて馬券に絡んだ「その他のヘイルトゥリーズン系」と、4番人気以下で2勝をあげているナスルーラ系だ。
イメージとしては「連軸または3連複の軸として有力なのは人気サイドのヘイルトゥリーズン系〜SS系」、「人気薄の激走を期待できるのはSS系とナスルーラ系」といったところだ。
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父の系統 | 1着 | 2着 | 3着 | 出走 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス系 | 5回 | 9回 | 4回 | 76頭 | 6.6% | 18.4% | 23.7% |
その他のヘイルトゥリーズン系 | 1回 | 1回 | 2回 | 18頭 | 5.6% | 11.1% | 22.2% |
ナスルーラ系 | 2回 | 0回 | 1回 | 24頭 | 8.3% | 8.3% | 12.5% |
ミスタープロスペクター系 | 1回 | 0回 | 3回 | 22頭 | 4.5% | 4.5% | 18.2% |
ノーザンダンサー系 | 1回 | 0回 | 0回 | 33頭 | 3.0% | 3.0% | 3.0% |
その他の系統 | 0回 | 0回 | 0回 | 1頭 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
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日付L | 着 | 番 | 馬名 | 種牡馬 | 母父馬 |
---|---|---|---|---|---|
2014.11.2 | 1 | 4 | スピルバーグ | ディープインパクト | Lycius |
2014.11.2 | 2 | 1 | ジェンティルドンナ | ディープインパクト | Bertolini |
2013.10.27 | 1 | 7 | ジャスタウェイ | ハーツクライ | Wild Again |
2013.10.27 | 2 | 9 | ジェンティルドンナ | ディープインパクト | Bertolini |
2012.10.28 | 1 | 12 | エイシンフラッシュ | King's Best | Platini |
2012.10.28 | 2 | 4 | フェノーメノ | ステイゴールド | Danehill |
2011.10.30 | 1 | 12 | トーセンジョーダン | ジャングルポケット | ノーザンテースト |
2011.10.30 | 2 | 7 | ダークシャドウ | ダンスインザダーク | Private Account |
2010.10.31 | 1 | 2 | ブエナビスタ | スペシャルウィーク | Caerleon |
2010.10.31 | 2 | 7 | ペルーサ | ゼンノロブロイ | Candy Stripes |
2009.11.1 | 1 | 3 | カンパニー | ミラクルアドマイヤ | ノーザンテースト |
2009.11.1 | 2 | 2 | スクリーンヒーロー | グラスワンダー | サンデーサイレンス |
2008.11.2 | 1 | 14 | ウオッカ | タニノギムレット | ルション |
2008.11.2 | 2 | 7 | ダイワスカーレット | アグネスタキオン | ノーザンテースト |
2007.10.28 | 1 | 1 | メイショウサムソン | オペラハウス | ダンシングブレーヴ |
2007.10.28 | 2 | 9 | アグネスアーク | アグネスタキオン | ベリフア |
2006.10.29 | 1 | 14 | ダイワメジャー | サンデーサイレンス | ノーザンテースト |
2006.10.29 | 2 | 10 | スウィフトカレント | サンデーサイレンス | Machiavellian |
2005.10.30 | 1 | 1 | ヘヴンリーロマンス | サンデーサイレンス | Sadler's Wells |
2005.10.30 | 2 | 13 | ゼンノロブロイ | サンデーサイレンス | Mining |
連対馬の父および勝ち馬と芝2400m・G1との関係をまとめてみた。
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連対馬の父 | 芝2400m・G1実績 |
---|---|
サンデーサイレンス | 不出走(日本ダービー、オークス、ジャパンCの勝ち馬を多数輩出) |
オペラハウス | キングジョージ1着 |
アグネスタキオン | 不出走(日本ダービー馬を輩出/兄は日本ダービー馬) |
タニノギムレット | 日本ダービー1着 |
ミラクルアドマイヤ | 不出走(兄は日本ダービー馬/父は凱旋門賞馬) |
グラスワンダー | 不出走(ジャパンC勝ち馬を輩出) |
スペシャルウィーク | 日本ダービー1着/ジャパンC1着 |
ゼンノロブロイ | ジャパンC1着 |
ジャングルポケット | 日本ダービー1着/ジャパンC1着 |
ダンスインザダーク | 日本ダービー2着(姉はオークス馬) |
King's Best | 愛ダービー11着(英ダービー馬を輩出) |
ステイゴールド | 香港ヴァーズ1着 |
ハーツクライ | ドバイシーマクラシック1着/ジャパンC2着 |
ディープインパクト | 日本ダービー1着/ジャパンC1着 |
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勝ち馬 | 当レース以前の芝2400m・G1成績 |
---|---|
ヘヴンリーロマンス | 出走なし |
ダイワメジャー | 日本ダービー6着 |
メイショウサムソン | 日本ダービー1着/ジャパンカップ6着 |
ウオッカ | 日本ダービー1着/ジャパンカップ4着 |
カンパニー | 出走なし |
ブエナビスタ | オークス1着/ドバイシーマクラシック2着(2410m) |
トーセンジョーダン | 出走なし |
エイシンフラッシュ | 日本ダービー1着/ジャパンカップ8着 |
ジャスタウェイ | 日本ダービー11着 |
スピルバーグ | 日本ダービー14着 |
連対馬の父たちは、芝2400m・G1への適性が認められるラインナップ。種牡馬自身に2400mの実績がなくとも、G1級の活躍産駒を多数出していることが望ましい。
また天皇賞(秋)の勝ち馬自身も日本ダービーやジャパンカップの好走馬が多数。もちろんダイワメジャーやカンパニー、ジャスタウェイといったマイラー〜中距離型も勝ち負けできるレースではあるが、芝2400m・G1との関連性が濃ければ強調材料となることは確かだろう。
以下は母父の系統別成績。数・率ともノーザンダンサー系が一歩リードしている。反面、近年大隆盛のはずの「母父サンデーサイレンス(系)」が伸び悩んでいるのも大きな特徴だ。
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母父の系統 | 1着 | 2着 | 3着 | 出走 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ノーザンダンサー系 | 6回 | 5回 | 3回 | 51頭 | 11.8% | 21.6% | 27.5% |
ミスタープロスペクター系 | 1回 | 2回 | 0回 | 16頭 | 6.3% | 18.8% | 18.8% |
ナスルーラ系 | 1回 | 1回 | 5回 | 39頭 | 2.6% | 5.1% | 17.9% |
サンデーサイレンス系 | 0回 | 1回 | 1回 | 42頭 | 0.0% | 2.4% | 4.8% |
その他のヘイルトゥリーズン系 | 0回 | 0回 | 0回 | 3頭 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他の系統 | 2回 | 1回 | 1回 | 23頭 | 8.7% | 13.0% | 17.4% |
父SS系から出た天皇賞(秋)勝ち馬の場合、母父はSadler's Wells(ヘヴンリーロマンス)、ノーザンテースト(ダイワメジャー)、Caerleon(ブエナビスタ)とノーザンダンサー系の大種牡馬がズラリ。ヘヴンリーロマンスの母系からは種牡馬サウスアトランティックやオークス馬シルクプリマドンナらが出ており、ダイワメジャーの母はスカーレットブーケ、ブエナビスタの母はビワハイジ。こう見ると「SS系種牡馬×母父ノーザンダンサー系の良血牝馬」が有力候補として浮かび上がってくる。
ジャスタウェイは、母父Wild Againが米BCクラシック勝ち馬、祖母シャロンが米G1馬、近親にトーヨーレインボーやフォーエバーモアといった重賞ウィナーがいる。スピルバーグの母父Lyciusは英2000ギニー2着のマイラーでスケール感は劣るものの、スピルバーグの兄には米G1馬Flower AlleyやマイルCS勝ち馬トーセンラーがいる。父SS系ならば、母父がノーザンダンサー系以外でも良血配合を狙うのがセオリーといえそうだ。
父SS系以外の天皇賞(秋)勝ち馬を見ると、まずはオペラハウス×ダンシングブレーヴ(英2000ギニー勝ち馬)のメイショウサムソン、ミラクルアドマイヤ×ノーザンテースト(フォレ賞)のカンパニー、ジャングルポケット×ノーザンテーストのトーセンジョーダンと、これらは「母父ノーザンダンサー系でマイルへの対応力あり」といったイメージ。ウオッカの母父はムーランドロンシャン賞のルション(ナスルーラ系)で、やはりマイラー色が強い。
唯一エイシンフラッシュは、King's Best(ミスタープロスペクター系/英2000ギニー勝ち馬)×Platini(アルヒミスト系/ミラノ大賞勝ち馬)という異色の配合だ。
過去10年の勝ち馬は、ダイワメジャーが父サンデーサイレンス15歳時、母スカーレットブーケ13歳時の産駒であるなど、父または母または双方が10歳を超えている時に生まれた子がほとんど。例外はトーセンジョーダン(父ジャングルポケットが8歳、母エヴリウィスパーが9歳の時の産駒)だけだ。
天皇賞(秋)で狙いたいのは、まずは「父が芝2400m・G1への高い適性を持っている」ことがマスト。父馬または母馬が10歳以上の時の産駒で、自身に芝2400mG1の実績があればベターだ。以上を前提に、次の2パターンであることも重視したい。
(1)父がSS系×母父(ノーザンダンサー系がベスト)が相当な良血
(2)父はSS系以外×母父はマイラー色の強いノーザンダンサー系
また「連軸または3連複の軸として有力なのは人気サイドのヘイルトゥリーズン系〜SS系」、「人気薄の激走を期待できるのはSS系とナスルーラ系」といった点も考慮して馬券を組み立てたい。
エイシンヒカリは父ディープインパクト×母父Storm Catで母が17歳時の産駒。ただ母系のスケール感と自身の2400m経験値に疑問が残り、人気に推されることも考えると連軸・3連複の軸か。ヴァンセンヌ(父ディープインパクト×母フラワーパーク/母17歳時産駒)も2400m未経験という点を差し引けば面白い存在。最大の惑星はラストインパクト(父ディープインパクト×母父ティンバーカントリー/母12歳時産駒/近親にナリタブライアン、キズナなど)か。もちろん昨年の勝ち馬スピルバーグにも要注目だ。
父SS系以外では、ラブリーデイは母父がSS系ダンスインザダークでマイナス。サトノクラウンが父Marjuは英ダービー2着、自身は日本ダービー3着で姉は英G1馬、父24歳時の産駒で激走の期待大だ。
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父 | ディープインパクト Deep Impact 2002年 鹿毛(早来町) |
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986年 青鹿(米) |
Halo 1969年(米) |
Hail to Reason | Turn-to |
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Nothirdchance | |||||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||||
Almahmoud | |||||
Wishing Well 1975年 |
Understanding | Promised Land | |||
Pretty Ways | |||||
Mountain Flower | Montparnasse | ||||
Edelweiss | |||||
*ウインドインハーヘア Wind In Her Hair 1991年 鹿毛(愛) |
Alzao 1980年 |
Lyphard | Northern Dancer | ||
Goofed | |||||
エイシンヒカリ A Shin Hikari(JPN) 牡 4歳 父 9歳・母17歳時産駒 2011年 芦毛(新ひだか町) |
Lady Rebecca | Sir Ivor | |||
Pocahontas | |||||
Burghclere 1977年 |
Busted | Crepello | |||
Sans Le Sou | |||||
Highclere | Queen's Hussar | ||||
Highlight | |||||
Storm Cat 1983年(米) |
Storm Bird 1978年(加) |
Northen Dancer | Neactic | ||
Natalma | |||||
South Ocean | New Providence | ||||
Shining Sun | |||||
Terlingua 1976年 |
Secretariat | Bold Ruler | |||
Somethingroyal | |||||
母 | *キャタリナ Catalina 1994年 芦毛(米) |
Crimson Saint | Crimson Satan | ||
Bolero Rose | |||||
Carolina Saga 1980年 |
Caro 1967年(愛) |
Fortino | Grey Sovereign | ||
Ranavalo | |||||
Chambord | Chamossaire | ||||
Life Hill | |||||
Key to the Saga 1975年 |
Key to the Mint | Graustark | |||
Key Bridge | |||||
Sea Saga | Sea-Bird | ||||
Shama |