G1特集 第152回 天皇賞(秋)G1特集 第152回 天皇賞(秋)

血統分析

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エイシンヒカリは連軸・3連複の軸に!

1)連軸・3連複の軸と単勝候補が異なる

ディープインパクト産駒の1・2フィニッシュとなった昨年を含め、過去10年のうち9年はサンデーサイレンス(SS)系種牡馬が連対。勝率的に見るとそれほど大きなアドバンテージはなく、出走頭数の多さで稼いだ好成績とも受け取れるが、連対率18.4%はまずまず立派な数字だ。

またSS系は、1〜3番人気時には16頭中7頭が連対(1勝・2着6回)、4番人気以下では60頭中7頭が連対(4勝・2着3回)と、人気にかかわらず上位争いできるのがポイント。これに肉薄するのは、1〜3番人気に推された3頭がすべて馬券に絡んだ「その他のヘイルトゥリーズン系」と、4番人気以下で2勝をあげているナスルーラ系だ。

イメージとしては「連軸または3連複の軸として有力なのは人気サイドのヘイルトゥリーズン系〜SS系」、「人気薄の激走を期待できるのはSS系とナスルーラ系」といったところだ。

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父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 5回 9回 4回 76頭 6.6% 18.4% 23.7%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 2回 18頭 5.6% 11.1% 22.2%
ナスルーラ系 2回 0回 1回 24頭 8.3% 8.3% 12.5%
ミスタープロスペクター系 1回 0回 3回 22頭 4.5% 4.5% 18.2%
ノーザンダンサー系 1回 0回 0回 33頭 3.0% 3.0% 3.0%
その他の系統 0回 0回 0回 1頭 0.0% 0.0% 0.0%
【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2014.11.2 1 4 スピルバーグ ディープインパクト Lycius
2014.11.2 2 1 ジェンティルドンナ ディープインパクト Bertolini
2013.10.27 1 7 ジャスタウェイ ハーツクライ Wild Again
2013.10.27 2 9 ジェンティルドンナ ディープインパクト Bertolini
2012.10.28 1 12 エイシンフラッシュ King's Best Platini
2012.10.28 2 4 フェノーメノ ステイゴールド Danehill
2011.10.30 1 12 トーセンジョーダン ジャングルポケット ノーザンテースト
2011.10.30 2 7 ダークシャドウ ダンスインザダーク Private Account
2010.10.31 1 2 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2010.10.31 2 7 ペルーサ ゼンノロブロイ Candy Stripes
2009.11.1 1 3 カンパニー ミラクルアドマイヤ ノーザンテースト
2009.11.1 2 2 スクリーンヒーロー グラスワンダー サンデーサイレンス
2008.11.2 1 14 ウオッカ タニノギムレット ルション
2008.11.2 2 7 ダイワスカーレット アグネスタキオン ノーザンテースト
2007.10.28 1 1 メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ
2007.10.28 2 9 アグネスアーク アグネスタキオン ベリフア
2006.10.29 1 14 ダイワメジャー サンデーサイレンス ノーザンテースト
2006.10.29 2 10 スウィフトカレント サンデーサイレンス Machiavellian
2005.10.30 1 1 ヘヴンリーロマンス サンデーサイレンス Sadler's Wells
2005.10.30 2 13 ゼンノロブロイ サンデーサイレンス Mining
2)芝2400m・G1との関連性が深そう

連対馬の父および勝ち馬と芝2400m・G1との関係をまとめてみた。

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連対馬の父 芝2400m・G1実績
サンデーサイレンス 不出走(日本ダービー、オークス、ジャパンCの勝ち馬を多数輩出)
オペラハウス   キングジョージ1着
アグネスタキオン 不出走(日本ダービー馬を輩出/兄は日本ダービー馬)
タニノギムレット 日本ダービー1着
ミラクルアドマイヤ 不出走(兄は日本ダービー馬/父は凱旋門賞馬)
グラスワンダー  不出走(ジャパンC勝ち馬を輩出)
スペシャルウィーク 日本ダービー1着/ジャパンC1着
ゼンノロブロイ  ジャパンC1着
ジャングルポケット 日本ダービー1着/ジャパンC1着
ダンスインザダーク 日本ダービー2着(姉はオークス馬)
King's Best    愛ダービー11着(英ダービー馬を輩出)
ステイゴールド  香港ヴァーズ1着
ハーツクライ   ドバイシーマクラシック1着/ジャパンC2着
ディープインパクト 日本ダービー1着/ジャパンC1着

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勝ち馬 当レース以前の芝2400m・G1成績
ヘヴンリーロマンス 出走なし
ダイワメジャー 日本ダービー6着
メイショウサムソン 日本ダービー1着/ジャパンカップ6着
ウオッカ 日本ダービー1着/ジャパンカップ4着
カンパニー 出走なし
ブエナビスタ オークス1着/ドバイシーマクラシック2着(2410m)
トーセンジョーダン 出走なし
エイシンフラッシュ 日本ダービー1着/ジャパンカップ8着
ジャスタウェイ  日本ダービー11着
スピルバーグ   日本ダービー14着

連対馬の父たちは、芝2400m・G1への適性が認められるラインナップ。種牡馬自身に2400mの実績がなくとも、G1級の活躍産駒を多数出していることが望ましい。

また天皇賞(秋)の勝ち馬自身も日本ダービーやジャパンカップの好走馬が多数。もちろんダイワメジャーやカンパニー、ジャスタウェイといったマイラー〜中距離型も勝ち負けできるレースではあるが、芝2400m・G1との関連性が濃ければ強調材料となることは確かだろう。

3)SS系からの良血配合か、その他からのマイラー配合か

以下は母父の系統別成績。数・率ともノーザンダンサー系が一歩リードしている。反面、近年大隆盛のはずの「母父サンデーサイレンス(系)」が伸び悩んでいるのも大きな特徴だ。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ノーザンダンサー系 6回 5回 3回 51頭 11.8% 21.6% 27.5%
ミスタープロスペクター系 1回 2回 0回 16頭 6.3% 18.8% 18.8%
ナスルーラ系 1回 1回 5回 39頭 2.6% 5.1% 17.9%
サンデーサイレンス系 0回 1回 1回 42頭 0.0% 2.4% 4.8%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 0回 3頭 0.0% 0.0% 0.0%
その他の系統 2回 1回 1回 23頭 8.7% 13.0% 17.4%

父SS系から出た天皇賞(秋)勝ち馬の場合、母父はSadler's Wells(ヘヴンリーロマンス)、ノーザンテースト(ダイワメジャー)、Caerleon(ブエナビスタ)とノーザンダンサー系の大種牡馬がズラリ。ヘヴンリーロマンスの母系からは種牡馬サウスアトランティックやオークス馬シルクプリマドンナらが出ており、ダイワメジャーの母はスカーレットブーケ、ブエナビスタの母はビワハイジ。こう見ると「SS系種牡馬×母父ノーザンダンサー系の良血牝馬」が有力候補として浮かび上がってくる。

ジャスタウェイは、母父Wild Againが米BCクラシック勝ち馬、祖母シャロンが米G1馬、近親にトーヨーレインボーやフォーエバーモアといった重賞ウィナーがいる。スピルバーグの母父Lyciusは英2000ギニー2着のマイラーでスケール感は劣るものの、スピルバーグの兄には米G1馬Flower AlleyやマイルCS勝ち馬トーセンラーがいる。父SS系ならば、母父がノーザンダンサー系以外でも良血配合を狙うのがセオリーといえそうだ。

父SS系以外の天皇賞(秋)勝ち馬を見ると、まずはオペラハウス×ダンシングブレーヴ(英2000ギニー勝ち馬)のメイショウサムソン、ミラクルアドマイヤ×ノーザンテースト(フォレ賞)のカンパニー、ジャングルポケット×ノーザンテーストのトーセンジョーダンと、これらは「母父ノーザンダンサー系でマイルへの対応力あり」といったイメージ。ウオッカの母父はムーランドロンシャン賞のルション(ナスルーラ系)で、やはりマイラー色が強い。

唯一エイシンフラッシュは、King's Best(ミスタープロスペクター系/英2000ギニー勝ち馬)×Platini(アルヒミスト系/ミラノ大賞勝ち馬)という異色の配合だ。

4)高齢の種牡馬・繁殖牝馬から天皇賞馬が出る?

過去10年の勝ち馬は、ダイワメジャーが父サンデーサイレンス15歳時、母スカーレットブーケ13歳時の産駒であるなど、父または母または双方が10歳を超えている時に生まれた子がほとんど。例外はトーセンジョーダン(父ジャングルポケットが8歳、母エヴリウィスパーが9歳の時の産駒)だけだ。

結論

天皇賞(秋)で狙いたいのは、まずは「父が芝2400m・G1への高い適性を持っている」ことがマスト。父馬または母馬が10歳以上の時の産駒で、自身に芝2400mG1の実績があればベターだ。以上を前提に、次の2パターンであることも重視したい。
  (1)父がSS系×母父(ノーザンダンサー系がベスト)が相当な良血
  (2)父はSS系以外×母父はマイラー色の強いノーザンダンサー系

また「連軸または3連複の軸として有力なのは人気サイドのヘイルトゥリーズン系〜SS系」、「人気薄の激走を期待できるのはSS系とナスルーラ系」といった点も考慮して馬券を組み立てたい。

エイシンヒカリは父ディープインパクト×母父Storm Catで母が17歳時の産駒。ただ母系のスケール感と自身の2400m経験値に疑問が残り、人気に推されることも考えると連軸・3連複の軸か。ヴァンセンヌ(父ディープインパクト×母フラワーパーク/母17歳時産駒)も2400m未経験という点を差し引けば面白い存在。最大の惑星はラストインパクト(父ディープインパクト×母父ティンバーカントリー/母12歳時産駒/近親にナリタブライアン、キズナなど)か。もちろん昨年の勝ち馬スピルバーグにも要注目だ。

父SS系以外では、ラブリーデイは母父がSS系ダンスインザダークでマイナス。サトノクラウンが父Marjuは英ダービー2着、自身は日本ダービー3着で姉は英G1馬、父24歳時の産駒で激走の期待大だ。

【エイシンヒカリの血統表】

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ディープインパクト
 Deep Impact
 2002年 鹿毛(早来町)
*サンデーサイレンス
 Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
*ウインドインハーヘア
 Wind In Her Hair
 1991年 鹿毛(愛)
Alzao
1980年
Lyphard Northern Dancer
Goofed
エイシンヒカリ
 A Shin Hikari(JPN)
 牡 4歳 父 9歳・母17歳時産駒
 2011年 芦毛(新ひだか町)
Lady Rebecca Sir Ivor
Pocahontas
Burghclere
1977年
Busted Crepello
Sans Le Sou
Highclere Queen's Hussar
Highlight
Storm Cat
 1983年(米)
Storm Bird
1978年(加)
Northen Dancer Neactic
Natalma
South Ocean New Providence
Shining Sun
Terlingua
1976年
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
*キャタリナ
 Catalina
 1994年 芦毛(米)
Crimson Saint Crimson Satan
Bolero Rose
Carolina Saga
 1980年
Caro
1967年(愛)
Fortino Grey Sovereign
Ranavalo
Chambord Chamossaire
Life Hill
Key to the Saga
1975年
Key to the Mint Graustark
Key Bridge
Sea Saga Sea-Bird
Shama