
取材・文:市丸博司/パソコン競馬ライター
写真:森内智也
セレクトセールというと、すごい馬ばかりが集まっていて……。
「3億えーん!」とか(笑)。また、セレクトセールはわたしの人生を変えた場所でもあるんです。私は、サトノダイヤモンドが大好きなんですが、最初に注目したきっかけは「2億3000万円もするなんてどんな馬なんだろう?!」「額がダイヤモンドの形でむちゃくちゃスターっぽい!」「すごいかっこいいな!」という感じだったんです。それがデビューしてみると、新馬戦で2歳馬離れした体幹のしっかりとした走りにもう圧倒されて、それからずっと追いかけ続けました。菊花賞のときは菊のお守りを買いにいったりもしましたし、有馬記念はキタサンブラックと大好きな馬2頭で決まったので、うれしかったですね。
サトノダイヤモンドと同じ馬主さんで、横山さんの愛称から「サトノルーリー」と名付けられた馬がいましたね。
それもセレクトセールがきっかけでした。一緒にお仕事で行った「ビタミンS」のお兄ちゃんが、里見オーナーに「この子『ルーリー』っていうニックネームなんですけど、サトノダイヤモンドのすごい大ファンなんです。もしよろしければ今日買った牝馬に『サトノルーリー』って名前をつけてもらえないでしょうか?」って。
ええっ、それで名前ついちゃったんですか!?
オーナーは笑いながら「考えておきます」とおっしゃっていましたが、そこは社交辞令かなと思いますよね。それで、場が盛り上がったから良かった、と思っていたら後々、本当に名前を付けていただいて夢のようで、すごく有り難いですが恐れ多いというか、本当にびっくりしました。
サトノルーリーのレースは見にいかれましたか?
何度も見にいきました。サトノノブレスの妹という良血ですし、最初はすぐにポンポンと勝てると思っていたんですが、それがなかなか勝てなくて、まるで自分のこどもが走っているかのような愛しい気持ちになりながら見ていました。
8戦して3着1回という成績で繁殖入りになりましたが……。
サトノルーリーには、競馬の難しさを教えてもらったと思います。G1レースには素晴らしい、抜きん出た馬ばかりが集まっているのに、わたしは表面上のことしか見ていなかったんだな、と。血統がいいからといって勝てるわけではないと、改めて勉強させてもらいました。また、人気薄で3着に来てくれたこともありましたし、悔しさ以上にいろいろと学ばせてもらったことも多く、里見オーナーには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
サトノルーリーの子どもは……。
サトノクラウンとの間の子どもで、(2020年)1月出産予定です。牧場の方がサトノルーリーの写真や動画を載せてくださったりしているのですが、デビュー前は繊細で、キツネに驚いて飼い葉を食べなくなったり、怖がりで食が細くみんなを悩ませていたのが嘘のように立派になっていて(笑)、今は530キロくらいになっている(現役時は400キロ前後)と聞いて、母になるとそんなに変わるものかと驚いています。
また子どもが生まれると、競馬から離れられなくなりそうですね(笑)。さて、このインタビューはJRA-VANのサイトに掲載されるのですが、使ってみていかがでしたか?
まず「競馬予想TV!」のアシスタントになったばかりの、競馬初心者のころにJRA-VANを知っていれば、と思いました。
ネットなどで検索した努力が……。
これひとつで、こんな「ぱぱーっ」と表になって出てきたり(笑)。競馬新聞って、ファンの方にはわかりやすく情報がまとまっていると思いますけれど、初心者には少し難しくて、最初は新聞の読み方を探したくらいだったんです。それがJRA-VANだと、馬柱の形になりながらも、ひとつひとつ説明がありますし、こういうのをもっと早く知っていれば良かったなあ、と思いました。
最近「JRA-VAN TRY」という競馬初心者向けのサービスが開始されました。
AIで予想するというのはおもしろいですね。初心者の方でしたらそのまま買ってもいいでしょうし、それで当たったらきっと「はまり」ますよ。そして、これでは物足りなくなったら、ひとつ上の段階(スマホアプリ等)へも行けますから。また、ベテランの方でも、もしピンと来ないようなレースがあれば、AI指数を見てから考えてるという選択肢もありますよね。あと、馬券をQRコード(スマッピー投票)で簡単に買えるのもいいですね。
ありがとうございます。さて、最後に今後の目標などあったらお聞かせ願えますか。
まったくの初心者からここまで競馬に夢中にさせていただいたので、それを生かして、いつかは競馬中継でMCを担当したいです。「KEIBA BEAT」で麒麟の川島さんと杉崎美香さんのやり取りを見ていると、息がぴったりで、あのお二人にはとてもあこがれているんです。生放送でもとっさに適切な言葉が出てきたり、すごく勉強になります。また「みんなのKEIBA」に出演されている細江さんのノートをちらっと見せていただいたら、もうびっしりと書き込まれていて、もともと詳しい方がここまでされるのかと驚きました。競馬というのは、ここまで真摯に向き合わないとダメなものなんだと知ることができました。またこれからもずっと勉強を続けて、いつかはMCができたら、と思っています。
ルリカちゃんは勉強熱心ですから、そう遠いことではないのではないでしょうか? 本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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応募締切(12月27日(金)13時まで)
たくさんのご応募ありがとうございました。