ビッグレッドファーム
牧場現地リポート

「とにかくいい馬」がいる!

今年の冬は雪の多い時期もあったが、「乗り込みに支障はなく、予定通りの調教ができました」とビッグレッドファーム真歌の九鬼勝己場長。調教方法は例年通り「このまま負荷をかけていく」「乗り込んできたので、いったん休ませる」などグループ分けをして進められてきた。

また、「牡馬はしまい重点から始め、ある程度進んだらテンから時計を出す。牝馬は基本、しまい重点でやっています」と牡、牝に合わせた育成方法をとっている。

その中で、九鬼場長のイチ推しはミュステーリオン (牝、父スクリーンヒーロー、母ネオザミスティック)。
「まだ重めですが、早期デビューを目指して、さらに攻めを強化してるところです。将来性は十分あるので、本数をこなすことでの変わり身を期待しています。芝の中距離向きで、起伏のある馬場よりフラットなコースのほうが力を発揮できそう。」

父の産駒で同じ牝馬のウインマリリンは、昨年のオークスで2着、今年の日経賞を勝利しており、牡馬とも互角の勝負を展開している。この馬も重賞戦線での活躍が楽しみだ。

血統的に早くから活躍できそうなのは、コスモツカサ(牝、父バゴ、母アラマサスナイパー)。全姉のクリスマスが函館2歳Sを制している。
「冬場にあまり大きくなりませんでしたが、負荷はかけてきました。気が強いので加減しながらの調整ですが、かなりのスピードと切れがありますね。短距離が良さそう」

ルショコラ(牝、父スクリーンヒーロー)も、母のマイネショコラーデが函館2歳Sの2着馬なのに加え、半兄のマイネルグリットは小倉2歳Sの覇者と2歳時から活躍している。
「迫力ある馬体で、ポテンシャルが高いですね。毛づやも良く、コンディションもいい。筋力がついて走りがしっかりし、5ハロンで68秒を楽に出します。申し分ないデキですよ」

他に、早めの入厩が期待されるのは、母がクイーン賞3着馬のトウホクビジンというマイネルシデン(牡、父コパノリッキー)と、マイネルシーマー(牡、父ゴールドシップ、母マイネアルナイル)だ。
「シデンは、しっかりした馬体で丈夫。問題なく、ここまで負荷をかけられています。シーマーは乗り手を選ぶタイプではありますが、走ると集中します。すでに、坂路5ハロン67秒台で走りますよ」

菊花賞馬のソングオブウインドを半兄に持つマイネルユヌスール(牡、父エイシンフラッシュ、母メモリアルサマー)も注目の一頭。
「切れというより、長くいい脚を使います。闘争心が強く、後ろからこられると、グッと行く。競走馬らしい気性です」

さらに、年明けから急成長したリュタン(牡、父ヘニーヒューズ、母セラフィックロンプ)。
「坂路での調教では、いつもいい末脚を見せます。スピードはあるし能力が高いので、まだまだ変わりそうです」

オンリーオピニオン(牝、父キズナ、母オピニオン)は、
「四角い体なので硬そうに見えますが、乗ると柔らかいですね。マイルで芝、ダートの両方で良さそう」
と、二刀流の活躍も!?

ビッグレッドファーム明和の育成馬の調整も順調だ。今年、産駒がデビューする新種牡馬の中でも「コパノリッキーの仔はレベルが高いですね」と榎並健史調教主任。その中でも一番期待の一頭がコパノカールトン(牡、母スパイオブラヴ)。「幅があってフットワークがいい」と胸を張る。確かに、父に似たたっぷりした胴に、胸前のある立派な馬格だ。

コスモフロイデ(牡、母レスタンノール)にも注目。
「パワー派ですね。中距離向きだとは思いますが、気持ちが強くてスピードがあるので、ダート短距離も良さそう」

今年ナンバーワンという自信の一頭はセッタレダスト (牡、父トゥザグローリー、母ラストアウィン)。半兄が勝島王冠の制覇はじめ、南関東の重賞戦線で堅実な走りを見せているムサシキングオーだ。
「トモ(後肢)のラインが良くてフットワークが軽いですね。手脚のさばきが軽いです。緩さが抜けてきたら、かなり良くなりそうですよ。芝中距離の適性が高そう」

同馬は真歌の九鬼場長も「とにかくいい馬」と絶賛。3月に急逝した岡田繁幸氏のお気に入りの一頭だったそうで、セッタ・レダストというアイスランド語で“どんなことでも最後にはなんとかなる”という馬名を大事にしていたという。

繁幸氏名義の馬ではウン(牡、父キタサンブラック、母マリブウィン)も期待の一頭。
「現時点では、うちの牧場の中でトップクラスですよ。スラッとして柔らかい走りで、長いいい脚を使えそうです。姉はダートで勝っていますが、この馬は走りのタイプからも芝向きのようです」

他にも繁幸氏の馬はゲンショウ(牡、父モーリス、母ルリニナガ)が6月の東京で、ムジョウ(牡、父ヘニーヒューズ、母ミュゼフローレンス)が夏競馬でのデビューを目指して調教に励んでいる。

また、良血馬もズラリと勢揃い。目玉は半姉が阪神ジュベナイルF、フラワーCで3着のユーバーレーベンのマイネルトルファン (牡、父オルフェーヴル、母マイネテレジア)。
「素質では姉に引けをとりませんね。ペースを上げた時点でソエが出たので、ここまで比較的ゆっくり調教してきましたが、背中の感触がいいです」

フィリーズレビュー、関西TVローズSを制覇したマイネレーツェルを母に持つタートザッヘ(父ロージズインメイ)。
「母に似て小柄ですが、手先の軽さやフットワークの良さも受け継いでいます」

完成度の高さではポルタフォルトゥナ(牝、父ジョーカプチーノ、母マイネアラベスク)
「東京でデビューしてもいいぐらいですよ。しっかりした、きれいなフットワークをしているので、この馬自身は芝がいいでしょう。距離はマイルぐらいだと思います」

今年も早くから2歳戦線をにぎわせそうだ。