ノーザンファーム早来
日下和博牝馬調教主任インタビュー

昨年は悔しかった。いまは勝ちに飢えています!

『POGの王道』ではお馴染みとなった、ノーザンファーム早来・日下和博調教主任のインタビュー。津田場長が話すように、「日下グループ」の牝馬がとにかく走る!

昨年も、古馬路線ではアーモンドアイやクロノジェネシスが圧倒。一方、クラシックでは「悔しい思いをした」と話す日下調教主任に、昨年の振り返りから、期待の2歳馬まで話をうかがった。

最初に昨年を振り返っていただきたいのですが、なんといってもアーモンドアイではないでしょうか。

日下主任

そうですね。今までフサイチパンドラの仔を何頭か見てきたのですが、今一つの成績で、この血統の中で何とかしたいと思っていたんです。その中で、アーモンドアイは当初から良い馬だと思ってはいましたが、牝馬の重賞戦線でやれるかな、くらいの手応えで、まさかあそこまでとは思っていませんでした。

昨秋は天皇賞(秋)を勝ち、伝説のジャパンカップでも見事に勝利し、有終の美を飾りました。

日下主任

この先見ることができないようなメンバーが揃っていましたし、自分がノーザンファームとかそういうこと関係なく、ただただレースを見て感動しましたね。

アーモンドアイのバトンを引き継ぐように、クロノジェネシスが春秋グランプリを制覇。年が明けてからも、ラヴズオンリーユーや、レシステンシアなどが重賞を勝つなど、層の厚さを感じます。

日下主任

そこは時代の巡りあわせだと思っています。やっぱり牡馬は強いですよ。上位何頭かが、たまたま牝馬だっただけで。
ただ、ラッキーと思っているだけではなく、私たちも日々進化していく必要があると肝に銘じています。10年後、やってきたことが正しかったと言えるように。そうでないと、この世界では生きていけませんから。

そういう点では、昨年のクラシックは悔しい思いもされたのでは。

日下主任

悔しかったですね。全部持っていかれて。まったく歯が立たなかった。この負けは帳消しにすることはできませんから、3歳世代で取り返さないといけません。
牝馬に限らず、ノーザンファーム全体で春の3歳GI5つ全部獲りたいですね。それくらいみんなが勝ちに飢えていると思いますよ。私たちのグループも、サトノレイナス、メイケイエール、ファインルージュあたりは、世代の中心に入れるかなと期待して見ています。

現4歳世代より、3歳世代のほうが全体的に順調だと聞いていましたが、2歳世代は、さらに順調のようですね。

日下主任

去年以上に鍛えることができていますよ。運動量も豊富ですし、例年以上に前倒しで進められています。もともと遅めに設定していたグループも、調教量を増やすとグンと良くなる馬が多く、想定より早く移動できそうです。全体的に底上げができていて、楽しみな馬が揃っていますよ。

それでは、具体的に期待馬を教えてください。

日下主任

筆頭はレディスキッパー19 (父ハーツクライ)ですね。東京デビューを目標にしています。スピードもあるし、全姉のアドマイヤミヤビがオークスで3着だったように、距離の不安もありません。楽しみな1頭です。

ディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒も外すことはできません。

日下主任

頭数も少なくなってきましたからね。最後に大輪の花を咲かせたいとスタッフ全員が思っていますよ。
ディープ産駒ならテディーズプロミス19。ディープらしいスピードがあり、世代トップを狙えるだけの器を持っています。
キンカメ産駒ならマルシアーノ19が凄く良いと思いますよ。

今年は、お母さんの名前が豪華な印象があります。

日下主任

アイムユアーズ19(父ドゥラメンテ)やリッチダンサー19(父ドゥラメンテ)は愛着がある血統ですね。あと、アドマイヤミヤビ19 (父ロードカナロア)などは、孫を見ているような感覚ですよ(笑)。
その他にも、言わずと知れたノーザンファーム血統のヴィルシーナ19(父キングカメハメハ)、ハルーワスウィート19(父ハーツクライ)もいますし、シンハリーズ19 (父ミッキーアイル)、スイープトウショウ19(父キタサンブラック)なども、決して名前負けしていませんよ。

さまざまな種牡馬から注目馬がいますね。

日下主任

そうなんです。それ以外にも、バラダセール19(父ジャスタウェイ)は、能力的には姉(サトノレイナス)と差がないと思います。アドマイヤリードの半妹のベルアリュールU19(父ドゥラメンテ)も動きが凄く良くて、期待できますよ。

まだまだいそうですね。

日下主任

去年は、メイケイエールやファインルージュを血統的な後押しがなくて注目馬に挙げられなかったのですが、動きは抜群でした。ですので、何が走ってもおかしくありません。

今年の日下さんは、例年以上に燃えている気がします。

日下主任

ノーザンファーム空港にも強い馬が揃っていますし、もちろん他の牧場の馬も年々強くなっていて、勝つのが本当に難しくなっています。そうした高いレベルで競い合うぶん、プレッシャーもありますが、楽しみで仕方ありません!

そのプレッシャーは、私たちからしたら計り知れないものでしょうね……。最後に日下さんの目標を教えてください。

日下主任

昨年はサトノレイナスがソダシに敗れたので、阪神JFを獲りたいですね。あとは、ファンタジーSを5連覇中なので6連覇したいです。そういう意味では、2歳牝馬限定のアルテミスS、ファンタジーS、阪神JFをセットで狙いたいですね。そこで自分たちがやってきたことの答え合わせができると思っているので。ぜひ期待してください!