追分ファーム・リリーバレー
厩舎長リレーインタビュー

新風が吹き込まれ今年は強気!?

3年前から4人の厩舎長によるリレーインタビューをさせていただいている追分ファーム・リリーバレー。

今年は、ノーザンファーム空港で調教主任をしていた藤田洋一氏がリリーバレーの調教マネージャーに就任し、新たな風が吹き込まれた。この後の厩舎長インタビューでも、例年以上に自信を感じる言葉が溢れており、POGで高ポイントゲッターになる逸材が必ずや隠れているはずだ。

今年は牡馬の厩舎から話を聞かせていただきます。最初はT-4厩舎の平沼敏幸厩舎長です。よろしくお願いします。

まずはハービンジャー産駒のミュラッカ(シナノネージュ18 )から教えてください。

平沼厩舎長

ハービンジャー産駒なので少しトモが弱いかなと思ったのですが、成長するに従って強化されてきました。緩い感じも抜けてきましたし、ここからの成長曲線は勢いよく伸びていくと思います。よく食べますし、体が強いですね。文句なしと書いてもらって良いですよ。

続いてイルーシヴパンサー(イルーシヴキャット18、父ハーツクライ)はいかがですか。

平沼厩舎長

今までハーツクライ産駒の牡馬にそこまで携わっていないんです。去年も0頭だったはずです。

意外な気がしますね。その中でも、ハーツクライ産駒について、どんな印象をお持ちですか?

平沼厩舎長

硬めのイメージがありますね。この馬に関しては背が小さいこともあるのですが、全体に幼く見せます。ただ、走らせると大人っぽい・・・とまでは言わないですが子どもらしさは感じさせないです。見た目以上に芯が入っているので、早めに動かしても大丈夫。ちなみにミュラッカ(シナノネージュ18 )も早い時期に移動できそうです。

では、実際に馬体を見せていただいたキュールエライジン(キュールエアリス18)について教えてください。ホッコータルマエ産駒です。

平沼厩舎長

どう見てもホッコータルマエだったでしょ?

確かにムキムキでしたね。いかにもダート向きの馬体というか・・・。

平沼厩舎長

体つきや筋肉量などは文句なし。ダート戦が早い時期は少なくて、逃すと秋まで待たないといけないので、なんとか7月に出走させたいですね。

T-4厩舎は昨年、ダノンバラード産駒の名前を出していただき今年はホッコータルマエ産駒。マニア心をくすぐるラインナップでファンも喜んでいると思います。そして、そのダノンバラード産駒ミッキーハッスルは2戦目で未勝利を勝ち上がりました。

平沼厩舎長

そうでしょ。自信あったんです。

昨年の本を読み返すと、そこまで強気ではなかった気がしますが・・・。それでも、読者に役立つ情報をありがとうございました。それでは、去年と今年の違いについてお聞かせいただきますか?

平沼厩舎長

去年とはまったく違いますね。

その中でも特に変わったことはありますか?

平沼厩舎長

今年は全体に毛艶が良い馬が多くて、来られる調教師の先生に「トレセンの馬より良いね」と言われます。

それだけ健康状態の良い馬が多いということでしょうか?

平沼厩舎長

主任が来られて、休みの入れ方が変わりました。そこが大きいと思います。

今までは疲れたら休ませていたのですが、疲れてから休ませると、状態が上がってこないということを、意識させられましたね。良い時に休ませるという発想はなかったですし、実際それで毛艶が良くなったのは明らかなので。

実は、去年は厩舎長になって一番成績が悪かったんです。とにかく勝てなかった。でも今年は違う結果が得られそうな気がします。ミュラッカとイルーシヴパンサーはすぐに勝ってくれないと困ります。

いろいろ教えていただきありがとうございます。では最後にその他の注目馬も聞かせていただけますか?

平沼厩舎長

ネオユニヴァース産駒のエマージングロール(フィーリングトーン18)。これは本当にオススメです。一番早い組なので注目してください。

エールヴォアの半弟ですね。ありがとうございました。

続いて、T-3厩舎の河野義大厩舎長です。スーパーフェイバー(ザガールインザットソング18 )からお願いします。父はSuper Saver という我々には馴染みのない血統なのですが・・・。

河野厩舎長

私も詳しくないのですが、本馬はケンタッキーダービーを勝っていて、産駒にはブリダーズCスプリントを勝ったRunhappyがいるそうです。

ということは・・・。

河野厩舎長

ダート血統ですね。

馬体の見た目や動きからも感じますか?

河野厩舎長

動き自体は軽いので芝でも走れそうな雰囲気はあるのですが、乳酸値を取ってみるとダートの中距離馬は上がりにくい傾向があって、その特徴がしっかりと出ている。そういう面でダート適性は高いのかなと思います。

移動時期についてはいかがですか?

河野厩舎長

7月のダート戦に出したいなという思いがあって、そこから逆算して移動させたいと思います。矢作厩舎は良い馬が多ので、埋もれないように、もう一段レベルを上げて送り出したいですね。

それではブラックジャッカル(チェリーフォレスト18 、父ブラックタイド)について教えてください。

河野厩舎長

GW明けの移動を予定していましたが、「4月中でも良いのでは?」と言っていただいたので、完成度には自信があります。同血(父ディープインパクト)の半兄ショウナンタイガは短距離を走っていますが、乳酸値の値から短いところより中距離向きと出ています。

例年、河野厩舎長は6月の新馬戦にこだわりをもって挑戦されていると以前伺いました。

河野厩舎長

去年もアピテソーロで挑んだのですが、ワーケアに跳ね返されました。手ごわいなんて言葉じゃ済まないですね。今年も、もちろん挑戦し続けられればと思っています。

実際、今年の厩舎全体の仕上がり具合はいかがですか?

河野厩舎長

今の競馬界の流れからしても、早くから使っていける馬は重要だと思いますし、今年は間に合ったというより、完成されている馬が多いという印象はあります。

それでは最後に、この馬は覚えておいてという馬がいたら教えてください。

河野厩舎長

ルーリング(リープオブフェイス18、父ルーラーシップ)には期待しているんです。というのも、お世話になっている浅見先生が再来年で定年になるので、ダービーに出走できる最後の世代。定年が近い浅見厩舎ですし、この仔には頑張ってほしいと思います。

実際、馬体はいかがでしょうか?

河野厩舎長

ルーラーシップの仔にしては幅があるし520キロと非常にしっかりしています。あと、ヴァリアメンテ(ヴァリディオル18、父ドゥラメンテ)も、まだ小さくて華奢ですが、運動神経が良いので期待しています。

ありがとうございました。

それでは牝馬の厩舎に行きましょう。T-2厩舎の明石圭介厩舎長です。よろしくお願いします。

明石厩舎長

まずグラシアディヴィナ(ディヴィナプレシオーサ18、父ディープインパクト)。体はすごく大きくて、現在540キロ。体高も170cm近くあります。見た目通り飼い葉食いが落ちたことはないですね。

本当にしっかりしているので、うまく鍛えあげてトレセンに送りたいなと思っています。リリーバレー全体が早い時期に送る目標を掲げていることもありますが、この仔も早期にデビューさせて、クラシックへのアドバンテージを得たいなと期待しています

続いてスウィフティー(ボンバルリーナ18、父ダイワメジャー)についてお願いします。

明石厩舎長

1歳の早い段階からスピードに適応していたので、主任とも話をしていて6月阪神に出す予定でいます。4月4日に入厩しています。精神的に追い込みすぎると、悪い方向に行きそうだったので、気を使いながら進めたのですが、今は落ち着いているので、レースでもしっかり能力を出してくれるはず。厩舎の目標として2歳で1頭でも多くデビューさせたいので、この馬に先陣を切ってもらって勢いをつけたいです。

それではその他に注目したほうがいい馬がいたらぜひ教えてください。

明石厩舎長

セレクトセール出身のエアーレジーナ(ウインドストリーム18 、父ルーラーシップ)は、体力があって走りが安定しているので期待しています。

ありがとうございました。

それでは最後にT-1厩舎の加地洋太厩舎長にお話を聞かせていただきます。まずエンエルヴィエント(チェリーペトルズ18 、父ロードカナロア)はいかがでしょうか?

加地厩舎長

本当にしっかりするのは、もう少し先かも知れませんが、つくべきところにしっかり筋肉もついていますし素質は上位。化けてくれる確信はあります。動きも軽くクラシック路線に乗せていきたいですね。

続いてミエルドール(ゴールデンロッド18、父クロフネ)。例年、お名前を聞いているゴールデンサッシュ(代表産駒にステイゴールド)の血統ですね。

加地厩舎長

走らない仔は走らない難しい血統ですね(笑)。

では、この馬はいかがですか?

加地厩舎長

馬体がしっかりしているし跳びも大きいので、化けてくれる予感がします。

現時点では、まだ物足りない部分があるのでしょうか。

加地厩舎長

周りの馬と比べて遅れているとかはないのですが、もう少し性格面で前向きさが出ればよいと思います。エールヴォアがそうだったのですが、(ゴールデン)サッシュの血統は化ける馬が、読み取りやすい気がします。意味では、この馬への期待が大きいんですよ。

では最後にミッキーレモン18 について教えてください。お父さんは、新種牡馬ミッキーアイルです。

加地厩舎長

ミッキー×ミッキーという珍しい取り合わせだと思います。この血統、地味だけどみんな勝ち上がっているように優秀なんですよ。気が良いので、現状マイルが一番合っているなというイメージです。子どもっぽさが取れて、順調に成長してくれれば期待大です。早くから動けると思います。

では、他にオススメの馬がいたら教えてください。

加地厩舎長

背中で良さを感じるのがフレイミングサン(レッドサン18、父ハーツクライ)。シュライエン(ソベラニア18、父オルフェーヴル)は期待されている血統ですし、良い馬なんです。現状、緩さが目立つのですが、それでここまで動けるなら、先々パンとしてくれれば・・・という期待は持たせてくれます。

藤田主任が就任されて変化はありますか?

加地厩舎長

正直、精神的な負担は良い意味で軽減されたのは事実です。もちろん、何頭もGI馬を扱った人が来るというプレッシャーも感じるのですが、高いレベルを要求されることは、やりがいにつながっていきますし、実際うちの厩舎だけでなく、リリーバレー全体の馬質が今年は良いと感じます。ぜひ期待してみてください。

ありがとうございました!