ノーザンファーム早来
厩舎リポート

今年は各厩舎長が強気!ダービー馬はこの中にいる!!

今年の取材日は、まさかの大雪。寒さに負けじと、調教をしっかり積む若駒をチェックし、厩舎を回った。牝馬→牡馬の順番で紹介しよう!

村上厩舎(牝馬)村上隆博厩舎長

村上厩舎長

バラダセール18
(父ディープインパクト)

「常に厩舎では一番早いグループに属していて、3月末に移動して6月の競馬を目指す予定です。一時期、馬体が薄くなってしまったのですが、今では幅も出て、さらに良くなってきました。まだまだ成長途上だとは思うのですが、この時期としては素晴らしいですね。走りがきれいなので距離は延びてもまったく問題ありません。クラシックを意識する存在なのは間違いないですよ」

村上厩舎長

メチャコルタ18
(父モーリス)

「モーリスの仔は何頭かいますが、みんな幅があってしっかりしているので、牝馬はやりやすい印象ですね。その中でも、この馬は特に負荷をかけて鍛えられています。まだ仕草などを見ていると気性的に幼い面もあるのですが、走らせると真面目なので競走能力にはまったく影響がないです。速いところをやり始めてから、どんどんと筋肉も付いてきましたし、楽しみしかありません」

「これは走るぞ!」バラダセール18 の登場とともに厩舎内に響いた日下和博調教主任の声。各厩舎を回るスタートのサイレンのようで耳に残って離れませんでした。それほどまでに日下さんが強調したかった1頭であることは紛れもない事実。取材してから数日後には、全兄(サトノフラッグ)が弥生賞ディープインパクト記念を勝つなど、同馬に追い風が吹いていることも見逃せません。「この2頭が移動してからも順調に進んで、早く良い結果を厩舎に届けてほしいです」と話す村上厩舎長の願いが届きそうです。

それ以外の注目馬は、ライフフォーセール18(父キズナ)。半姉のダノンファンタジーも、村上厩舎で育成されており、この血統への思い入れも強いはず。「キズナに変わったことで、上より肉付きが良くて脚が長くなりました。距離は延びても大丈夫。オークスでも力は出せると思います」と強気の発言が印象的でした。他にはバランスが良くて、ここに来て逞しくなったというロベルタ18(父ディープインパクト)にも注目です。

山根厩舎(牝馬)山根健太郎厩舎長

山根厩舎長

Woodcock Moon18
(父Gutaifan)

「気持ちが前向きで、バネのある走りを見せています。弱々しいところを見せることなく、進めることができました。精神的にタフな馬で、育成するうえで不安な点が少なく、助かります。距離はスピードに優れているので、マイルくらいかなと思っています。番組次第ではありますが、6月に出走が決まっても動ける態勢にはできあがっているので、期待していてください」

山根厩舎長

ミクロコスモス18
(父キングカメハメハ)

「3月末に移動して6月デビューを目指しています。阪神のマイルが最大目標になりますが、フットワークがきれいなので、"東京2400mでも頑張れ!"という気持ちでいます(笑)。 きょうだいは去勢されたり気の強い馬が多かったようですが、ここまで調教を進めても、この馬はカリカリせず、よく我慢できています。運動神経が良いので、調教のレベルが上がった苦しい時期も、体と精神力の強さで乗り越えてきました。Woodcock Moon18 と一緒に、レベルの高い調教ができています」

「引き継ぐプレッシャーはないのですが、きれいな厩舎なので壊したくないですね」と、できたての厩舎で話してくれた山根厩舎長。厩舎長になって、今年が初めての世代です。「緊張はしますが、自信を持って出せる馬がいるので、早くレースを見てみたいです」

と、意気込みを語ってくれました。その他の注目馬について聞くと、本質的な成長はこれからとしながらも、早くにデビューできそうだというウィルパワー18(父ダイワメジャー)。北海道デビューが目標だというフォエヴァーダーリング18(父Frankel)をオススメしていただきました。

野崎厩舎(牝馬)野崎孝仁厩舎長

野崎厩舎長

ビリーヴミー18
(父スクリーンヒーロー)

「非常にきれいな跳びをしています。線の細さはまだありますが、時間とともに解消していくでしょう。スクリーンヒーローの仔ということで、燃えやすい気性なのかなと気を遣っていたのですが、今のところ落ち着いているので安心しています。4月下旬に移動して、7月あたりのデビューになるのかなと思っています」

昨年2歳女王になったレシステンシアだけでなく、現4歳のクロノジェネシス、5歳のノームコア、そして6歳のリスグラシューと、19年は野崎厩舎出身馬が大旋風を起こした1年でした。

各世代でGIホースが誕生しているだけに、「今年はどの馬ですか?」と投げかけると、「みんなここまで走ると思っていませんでした。リスグラシューくらいかな、少し自信があったのは」

と、笑顔で答えてくれました。「だから、今の段階だと難しいんですよ」としながらも、現時点でレベルが高いサマーハ18(父ディープインパクト)はオススメとのこと。

モヒニ18(父American Pharoah)はダートに適性があり、しっかりとポイントを稼いでくれそうな存在だ。

岡厩舎(牝馬)岡真治厩舎長

岡厩舎長

イサベル18
(父キングカメハメハ)

「見た目もバランスが良いですが、実際に動かしてみるとさらに良いといった感じですね。血統的に早くからガンガンと行くタイプではないのですが、これだけ動けるのであれば早めに移動できればと思います。最初は華奢だったのですが、成長するにつれて、しっかりとしてきました。上(フアナ)は年明けデビュー(2戦目で勝ち上がり)でしたが、完成度はこっちのほうが上ですね」

厩舎の中で一番仕上がりが早いというのがアイズオンリー18(父エピファネイア)。「前向きな気性をしているのでマイル向きですね。馬格があって、強い調教にもヘコたれない体をしています」

他には、オルフェーヴル産駒でありながら、気性に不安がなく、大物感があるというコズミックショア18。4月移動目標で、馬っぷりが良いというポルトフィーノ18(父ロードカナロア)。切れ味のある走りが魅力のエルダンジュ18(父ハービンジャー)などの名前が挙がりました。

佐藤厩舎(牝馬)佐藤洋輔厩舎長

佐藤厩舎長

ラッドルチェンド18
(父ドゥラメンテ)

「背中の使い方が上手な馬です。これなら距離は融通が利きそうですね。高額の馬(昨年のセレクトセールで1億6500万円)だからではないのですが、上品さがあり、乗り味が良い。早く使えそうな状態にありますので、ドゥラメンテの一番星になればと密かに狙っています。今は大人しすぎるかなといった感じがしますが、トレセンに行けばピリッとするでしょう。(佐藤厩舎が快適すぎるのでは?)もっとピリピリしないとダメですかね。うちの厩舎の課題です(笑)」

佐藤厩舎長

バウンスシャッセ18
(父ロードカナロア)

「昨年、キャロットのツアーで見た時に、良い馬だなと思いました。
こっちに来たときには、きれいな馬だったし常歩も良かったのですが、こじんまりしていてもうワンパンチ欲しいというのが本音でした。そこからゆっくりやったのが良かったのか、一気に膨らんできました。カナロアの成長力ですかね。年末からは自分で動いて体を作るようになったし、厩舎内の序列でも一気にゴボウ抜きしました。早く行ける存在ですね」

「大きい声じゃ言えないけど、今年は粒が揃っています」と、こっそり教えてくれた佐藤厩舎長。「もっと強気に話していただいても大丈夫ですよ!」と向けると、「以前、この取材でコントラチェックについて"距離は延びるほど良い"って言ったんです。そしたらオークスのあと、主任から"マイルしか走らないじゃないか"と指摘がありまして・・・。重賞を勝つと本を読み返されるんですよ。だから慎重に(笑)」

それだけ読んでいただいて、こちらも恐縮してしまうようなエピソードでした(笑)。

その粒揃いな面々を紹介すると、スイープトウショウ18(父ドゥラメンテ)。「血統自体は遅いかなと思いますが、順調でいつでも移動できる状況にあります。スイープセレリタス(半姉)もここにいたのですが、6月生まれで遅かった。でも今ではしっかり走っています。同等か、それ以上のレベルだと思いますよ」

早く移動できそうなソーメニーウェイズ18(父ディープインパクト)。6月の阪神が目標のクーデグレイス18(父キズナ)あたりもチェックしておかなければいけなさそうです。

木村厩舎(牡馬)木村浩崇厩舎長

木村厩舎長

ブルーメンブラット18
(父モーリス)

「5月くらいに移動し、新潟デビューを目指しています。 モーリス産駒は他にもいて、みんな順調で良いけど、その中でも背中が良いし操縦性が高い。車でいうとオートマチック車ですかね。イヤリングから来た直後は、馬っぷりは良いけど気持ちが繊細で、廊下すら歩けない馬でした。それが今ではそういう面も成長してくれて、どこに行っても落ち着いています。距離はもつと思いますが、ベストはマイルから1800mくらいでしょうか」

木村厩舎長

アイムユアーズ18
(父ドゥラメンテ)

「もともとお父さんが、ここの厩舎にいて"同じような気性だったら大変だな"と思っていたんです。それが来たら、産駒はみんな扱いやすくて驚きました。特に、この馬の扱いやすさはビックリ。何分でも見ていてくださいって言えるくらい落ち着いている。古馬みたいな風格があります。堀先生は、広いコースで使いたいと話していました。6月東京を目標にしていますが、もし難しければ、10月の東京を目標にするかもしれません。こんなに大人しいと、動けない馬が多いのですが、この馬は動けるから凄い。走ってもらわないと困ります」

アイムユアーズ18 の補足として、木村厩舎×堀調教師のコンビはサリオスと同じ。 「サリオスは、こっちに来たときはただの単にでかい馬でした。それが乗り込んでいるうちに、ぐんぐん良くなっていった。ここを出る頃には、相当自信がありましたよ。堀先生も大丈夫と太鼓判を押していましたから。でも、サリオスと同じくらい今年は自信のある馬が揃っています」

吉田勝己代表のインタビューでも出たアドマイヤセプター18(父モーリス)。
「うまくいけば6月の東京1800mが目標になりそうです。血統だけを見ると引っかかりそうだけど、その心配はありません。サートゥルナーリアがトレセンに行った時に、風格があり過ぎて"本当に2歳?"って言われたそうですが、この馬も似たようなことをいわれそうですね。550キロくらいあるのに重苦しさがない。相当なレベルの馬です」

マラコスタムブラダ18(父ハーツクライ)については、「お姉ちゃんがあれだけ走ると期待されるのは仕方ない。でもレシステンシアほど、ガーッと行くタイプではなく、ハーツなので距離はもつし落ち着いている。これも東京からいけるのではと思っています」

そして、ブエナビスタ18(父モーリス)も、今年は相当良さそうでした。このあと登場する、山内厩舎長も「今年の木村厩舎は凄い馬が揃っている」と舌を巻くほどに、魅力的な若駒が勢ぞろい。厩舎から離れる際にも、「オーマイベイビー18はきっとバゴの代表産駒になるので覚えておいてください」とお土産をいただきました。

伊藤厩舎 (牡馬)スタッフ後藤信也さん

後藤さん

シンハライト18
(父モーリス)

「ここまでトラブルもなく進んでいます。ダービーに向けて1日1日を過ごしていますね。繊細な部分があるので、気を遣いながら進めていたのですが、フットワークも雄大。やればやるだけ時計が出てしまう感じでした。うちのエースと書いても大丈夫ですよ」

後藤さん

ドナブリーニ18
(父キングカメハメハ)

「来た当初は緩かったのですが、力強さが出てきました。最初から期待していたけど、フットワークを見ると、さすがと思わせてくれます。6月の阪神が目標です。マイルくらいかなと思いますが、ベストの条件は日本ダービーじゃないですかね(笑)。今までドナブリーニの牡馬が走っていないのは気になりますが、この馬はサイズもあるし仕上がりも早いので、違った結果が出るはずです。ぜひ応援してください」

シンハライト18 は石坂正調教師も絶賛しているようで、6月の阪神デビューが目標とのこと。他に注目馬を聞くと、ポロンナルワ18(父ディープインパクト)、ホットチャチャ18(父ダイワメジャー)の名前が挙がりました。ちなみに事務局の宮本さんの注目馬は、マンビア18(父ヴィクトワールピサ)。こちらも早くから動けるようです。

山内厩舎 (牡馬)山内大輔厩舎長

山内厩舎長

リュズキナ18
(父ディープインパクト)

「うちでは一番進んでいる組にいます。最初は400キロそこそこしかなくて、乗り込むにつれてグンと立派になって良くなりました。動かしてみたら、この馬の良さが分かります。去年の時点では"遅くなっちゃうかもな"と思っていた馬が、阪神デビューを視野に入れられるなんて驚きです。もちろん距離の不安もまったくないですよ」

山内厩舎長

シーズインクルーデッド18
(父ドゥラメンテ)

「本質的には奥手かもしれないけど、6月の東京で1勝して休ませるという流れに乗れるだけの状態に十分あります。 ドゥラメンテの産駒は他の厩舎を見ても、脚が長くスラッとしていて無駄肉がつかない馬が多いけど、この馬もまさにそのタイプ。素質の高さは疑いようがないです」

「今年は周回コースの乗り込み量を増やしたおかげで、体力がある馬が多い」と説明してくれた山内厩舎長。昨年はワールドプレミアで菊花賞を勝つなど、厩舎としては追い風が吹いているが、「POG的に早くから稼げる馬も宜しくお願いします」と意地悪なお願いをしたところ、
「自分の感触としては、先ほどの2頭は早くから結果を出してくれる自信があります。今年は、中間層が厚い気がします。意外とこういうときのほうが、ポンと大物が出る時があるので、そこに賭けてみてください」

他には体幹が強いというウェイヴェルアベニュー18(父Frankel)。そして面白いのはシーオブラブ18 (父ルーラーシップ)と教えていただきました。

桑田厩舎(牡馬)桑田裕規厩舎長

桑田厩舎長

ランズエッジ18
(父エピファネイア)

「しっかりとした前進気勢がありますね。跳びもゆったりして豪快なフットワークで駆けています。最初は前捌きが硬くて、膝に負担が掛かってくるかもと思ったのですが、いい形に成長してくれました。短いところよりは中距離向きだと思います。8月の新潟が目標です」

桑田厩舎長

ビジュートウショウ18
(父ディープブリランテ)

「大きな休みを取ることなく順調に成長することができました。最初はひ弱かなと思ったのですが、一回り大きくなったことで、見た目も良くなりましたし、動かしてみると、楽に時計を出すので本当に楽しみです。小脚が使えるので、札幌1500mなど試してほしいですね。実際、北海道デビューを目標にしています」

今年で3世代目となる桑田厩舎。「今まで以上に負荷をかけても耐えられる馬が多かった」と、今年のデキには自信を持っている様子でした。それ以外の馬では、軽い走りでフォームがきれいだというヒストリックレディ18(父リオンディーズ)。

今は我慢していて、秋には良くなって競馬に行けそうというシーヴ18 (父ディープインパクト)。横手裕二調教主任も高評価のピクシーホロウ18(父モーリス)にも注目していいのではないでしょうか。