ノーザンファーム早来 場長インタビュー

クロノジェネシスのような"とっておき"がいますよ!

昨年の年度代表馬アーモンドアイを輩出したノーザンファーム早来。超大物を毎年誕生させている牧場の今年の目玉とは―。今年も中島文彦場長にインタビューをさせていただいた。

昨年のような飛びっきりの穴馬≠教えていただきにやって来ました。よろしくお願いいたします。

中島場長

昨年はクロノジェネシスの名前を出しましたよね。(昨年のPOG本にある)私のインタビューの一番最後に載っていました。

本を見ていただいているんですね。

中島場長

いろいろなところに置かれてありますからね。ちょうど、この時期に毎年取材していただいていますので、「3月はこの馬の名前を出していたんだな」と振り返ったり、反省したりする材料になっています。

反省する材料なんて……。恐縮してしまいます。

中島場長

勝ち星も上がって何もかもが上手く進んでいるように思われがちですが、「この馬がもっと順調だったら」とか、「3月の期待値のままデビューまで進めたら」とか、この仕事はどうしても上手くいかないことだらけになるんです。

ただ頭数も多いですから、振り返る時間をちゃんと意識的に作らないと、なかなか作れないのが現実。そういう意味で、以前の取材でどうお答えしていたかを確認するのは、こちらとしても助かっています。

クロノジェネシスに関しては、中島場長のコメントによってドラフトで指名したPOGのファンも多かったはずです。

中島場長

去年の春も順調にきていましたからね。血統では注目されなかったでしょうが、競走馬は上が成功すれば良血馬になります。もう穴でクロノロジストの仔の名前を出すことはできません。本命になってしまいますから(笑)。

ただ、お父さんがバゴというのも、なかなか手を出にくいところでもありました。

中島場長

バゴもいい種牡馬なんですよ。(バゴの)見た目も本当に素晴らしいので、クロノジェネシスのような活躍馬を今後もコンスタントに出す可能性は十分にあります。

それでは、先に本命候補から聞いていきましょう。

中島場長

ディープインパクトの牡馬だと、イルーシヴウェーヴ17ジンジャーパンチ17 バラダセール17アメリ17キングスローズ17

牝馬だとドナブリーニ17ホットチャチャ17プリティカリーナ17……。

お馴染みの名前がズラリと並びますね。

中島場長

上も走っていますし、みんな良い血統ですから。そろそろ、すごいのが出てきてもおかしくないですよ。

お父さんも後継者をしっかり作っていかなければいけない年齢になってきたので、突き抜けた1頭が出てきてほしいですね。改めて言う必要はないでしょうが、走ることは間違いないですからね。

"超優等生"のロードカナロア

続いてロードカナロア産駒について、お話をうかがいたいのですが、その前にノーザンF早来といえば! ということで、一昨年に育成されたアーモンドアイについても、少しお話を聞かせてください。

中島場長

能力は昨年の時点で素晴らしいものを持っていると思っていましたが、ジャパンカップの走りには度肝を抜かれましたね。

以前の取材でもお話ししたと思うのですが、ロードカナロア産駒は種付け前から期待値が相当高く、走ってくれないと困るという種付け価格、頭数でした。アーモンドアイは、その期待通り、いや、それ以上の走りを見せてくれています。

短距離路線の層を厚くするという、以前にノーザンFが掲げていた目標を達成するためにも、重要な種牡馬なのではないでしょうか。

中島場長

ロードカナロア産駒がこんなに距離の幅を持って活躍したというのは、うれしい誤算ですね。正直、ディープインパクト、キングカメハメハに比べると、お母さんの質は少し落ちるんです。それでいて、これだけの成績を収めて、なおかつアーモンドアイというトップホースも輩出しました。種牡馬として好スタートを切ったのは間違いないでしょうね。

現3歳世代にも、サートゥルナーリアという超大物候補がいます。

中島場長

スケールの大きさはすごいですね。この馬に関しては、エピファネイア、リオンディーズを出したお母さんですから、エース級の繁殖。そこがロードカナロアのすごいところで、エース級をつけても、しっかり素晴らしい馬を出しますし、フサイチパンドラのような、なかなか結果が出なかった馬につけてもアーモンドアイのような大物を出すんですから。

シンザン記念を勝ったヴァルディゼールにしても、お母さんは1000万クラスの馬。これだけ、さまざまなタイプの繁殖と掛け合わせて結果を残すというのは、並大抵の種牡馬では考えられないことです。

今年の注目馬はいかがでしょうか。最初の世代が誕生し、イヤリングの状況を見て種付けを行なった世代になりますね。

中島場長

カナロアに関しては種付け前も実馬を見た後も、一度も評価が下がっていない種牡馬です。ですので、この世代が極端に良いも悪いもなく、上の2世代と同様の活躍ができると思います。

その中でも名前を挙げたいのは、リリサイド17(牝)。体力があって脚が長いんですよね、スピードは抜群にあると思います。あとエルダンジュ17 (牝)もオススメです。

アーモンドアイのような馬になれるか注目ですね。続いて、キングカメハメハ産駒をお願いします。

中島場長

種付け頭数はだんだんと減っていて、(取材時点で)今年はまだ種付けを行なっていないんです。数は少なくなっているけど、ラインナップは豪華ですよ。ヴィルシーナ17(牡)、ドナウブルー17 (牝)、ヒストリックスター17(牝)、ミスエーニョ17(牝)、スペシャルグルーヴ17(牡)、ディアマイベイビー17(牡)、ジンジャーミスト17(牝)、ミクロコスモス17(牝)。

あと、期待値が高いのはシーザリオ17(牝)とグルヴェイグ17(牝)。相当な器ですよ。

少ない頭数の中でも、これだけ名前が出るんですから、少数精鋭ということですよね。

中島場長

まったく走らない馬というのは少ないと思います。

続いてこちらからオルフェーヴル産駒を紹介したいと思うのですが、今年は大物が潜んでいると断言しますよ。

それは、どの馬ですか。

中島場長

それはわからないんです(笑)。それは冗談としても、単純に馬っぷりがいい馬≠ェ多いんです。これから挙げる4頭の中にかなりの確率で大物が隠れていると思います。

それでは、その4頭を教えてください。

中島場長

ロザリンド17(牡)、ヘアキティー17(牝)、タイタンクイーン17(牝)、アイムユアーズ17 (牝)です。

アイムユアーズ17は、厩舎取材でも、期待値の高さを感じました。

中島場長

体を見ると、お母さん以上のものを持っていますからね。「オルフェーヴル産駒は一変」と書いてもらって大丈夫ですよ。2年目、3年目と進化する種牡馬がいますから、そのレールに乗っているような気がします。

続いて、ルーラーシップ産駒を見させていただいたのですが、やはり注目はアーモンドアイの半弟になるフサイチパンドラ17(牡)でしょうか。

中島場長

これがルーラーシップのエースですね。お姉ちゃんと比較するのはかわいそうなんですが、1世代挟んで、キンカメ系に戻しました。立派な体に出ていますよ。セリで高評価を受けている馬ですし、楽しみなのは間違いないです。

あとシェリール17(牝)やサンデースマイルII 17(牡)も素晴らしい馬体をしています。ルーラーシップの仔は、ダートが走ると思えば、長距離の芝も走る。そう思っていたら、今度はディアンドルのような短距離のスペシャリストも輩出する。どういうタイプに育つかが見えなくて、逆に楽しみが増しています。

そしてハーツクライ産駒なんですが、今年のラインアップを見ると、以前ディープの繁殖相手だった馬が多いような気がします。

中島場長

そうですね。それでいて、みんなディープの仔で結果を出している肌馬たちなんです。シルヴァースカヤ17(牡)、リッチダンサー17 (牡)、アドマイヤテレサ17(牡)、キラモサ17(牝)、サロミナ17(牡)。このあたりが楽しみです。

ディープからハーツに変わっての違いは、どういったところに出やすいですか?

中島場長

体があるという安心感はありますよね。気性の悪い馬は少ないですし、成長力もある。シルヴァースカヤを例にするのがわかりやすいと思うのですが、ディープの仔だったシルバーステートやヘンリーバローズの能力が高かったのは間違いありません。ただ、(故障が原因で)ピークまで持っていけなかった。

それなら、故障のリスクが少ないハーツにするのもいいのでは、という考えです。実際、お兄さんたちと同様のポテンシャルを兼ね備えた、いい馬に成長中です。走りはディープの仔と変わらないですよ。

タートルボウル産駒も走る!

では、中島場長の穴っぽい馬を聞かせていただこうと思います。

中島場長

今年は王道といわれている種牡馬以外からも、いい馬がたくさん出ているんです。私が一番気に入っているのが、ヘニーヒューズ産駒のカールファターレ17 (牡)。これが今、早来で一番速い≠じゃないですか。

皆さん6月デビューが多いと言われていますが、その中でも抜群に早いと……。

中島場長

デビュー時期ではなく、スピードが速い≠です。現時点で勝負したら、先頭で駆け抜けるでしょう。

すごい……。ディープ産駒やカナロア産駒を抑えて、ヘニーヒューズの仔が、一番スピードがあるとは驚きました。

中島場長

血統ははっきりとダート向きですが、この走りなら芝でも十分に戦えると思っています。アジアエクスプレスのように朝日杯FSを狙いたいけど、今の動きからは中京や新潟の芝マイルで初戦を使っても勝てるのでは、と考えています。

アジアエクスプレスのようにダートで連勝→芝ではなく、最初から芝ということですね。これは、面白い存在ですね。

中島場長

あとタートルボウル産駒の2頭。ジェダイト17(牝)とチャームドヴェール17(牝)の2頭にも高い素質を感じます。

今まであまり、タートルボウル産駒のことについて聞くことがなかったのですが、どういった特徴があるんですか?

中島場長

体はしっかりしているけど、気性が荒くて真面目に走らないことが出世を妨げている気がします。オルフェーヴルに近いですね。せっかくある才能を性格が殺してしまっている。だからこそ、育成が上手にいったときに大物が出る気がするんです。この2頭はいたって順調なので、第2のクロノジェネシス枠として頑張ってほしいです。

今年も、いろいろとお話していただきありがとうございました。

中島場長

こちらこそ、ありがとうございました。

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