市丸：「ウイニング競馬」のＭＣをされているころは、毎週競馬場に行かれていたのですね。

井森：そうですね、開催があるときは。夏も福島、新潟に行きました。また「ウイニング競馬」ではないですけれど、小倉競馬場や、関西のほうに行ったり、ということもありました。

市丸：競馬場に行くのはやっぱり楽しみですか？

井森：楽しみですよねえ。環境が変わりますし、競馬場によって特色も違いますし。日常なんだけれど、非日常空間のような感じもあって、きれいですもんね。また、パドックにいけば、馬のモモのあたり、「あのトモの張りがわたしにも欲しいなあ」と、うらやましく思いながら見ています（笑）。

市丸：欲しいですよねえ（笑）。「ウイニング競馬」のＭＣで行かれていたときと、その後「みんなのKEIBA」や「馬好王国〜UmazuKingdom〜」（ともにフジテレビ）に出演されるようになってからと、違いはありましたか？

井森：「競馬場に行く」ということは同じですから、特に番組が変わったからといっても、わくわくしながら競馬場に行くのは変わらないですね。

市丸：いわゆる「表開催」と「ローカル」の違いなどは……。

井森：夏競馬の新潟とか福島はグルメが楽しみですし、新潟の直線1000ｍ、あれもいいですよね。また、夏競馬はデビュー戦の馬が多くて、うまく走れない馬がいるのも、かわいらしいな、と思いながら見ています。

市丸：グルメというと、新潟なら「へぎそば」などがありますが、どんなものを楽しみにされていますか？

井森：思い出に残っているのは、「ウイニング競馬」でご一緒させていただいた、原（良馬）さんがお食事会に連れて行ってくれたことですね。原さん行きつけのご飯やさんがあって、そのときに初めて「菊の花のおひたし」を食べたんです。まず「菊の花を食べるんだ！」とびっくりしましたけれど、「すごくおいしいんだよ」と。観光で食べるようなグルメとは違いますけれど、「ウイニング競馬」をやっていたときは毎年、みなさんを招待してくださっていて、思い出深いですね。ですから毎年新潟に行くと、みんなで原さんに「はやく菊の花を食べに連れて行ってください」とお願いしていました（笑）。

市丸：その後、ずっと競馬をされていますが、これまでで一番好きな馬はどの馬でしょう？

井森：うーん……、一番好きな馬はやっぱり、ビワハヤヒデですね。

市丸：思い出のレースは、トウカイテイオーが復活した有馬記念というお話しでしたが、馬ではそのとき２着のビワハヤヒデなんですね。

井森：そうですね。引退レース（1994年、天皇賞・秋）は屈腱炎で５着になりましたけれど、それまで連対率100％でしたから。勝つか、負けても２着、しかも前で競馬をしてレースを作りながら、あんな馬いないなあ、と。名馬でも３着や５着になることはありますけれど、ケガをするまではずっと連対を続けていて、すごい馬だったなあ、と思っています。ただ、弟のナリタブライアンと走るのも見てみたかったですね（94年・有馬記念での対決が期待されたが、ビワハヤヒデがケガにより引退）。

市丸：そういう安定感や、強さに惹かれたのですね。

井森：最初は強さでした。あとは顔の大きさですかね（笑）。正面を向いたときに人一倍顔が大きく、ちょっと目が離れている感じもチャーミングに映って、好きでした。

市丸：引退後に会いに行かれる機会などはありましたか？

井森：「ウイニング競馬」をやっているときに、ロケで会うことができました。種牡馬も引退していて、観光で人があまり来るようなところではなかったのですが、そこでのんびり暮らしていて、うれしかったです。そのときは「久々に人が来た！」と走り回って興奮してましたけれど（笑）。今もたくさんいい馬がいますが、やっぱりビワハヤヒデが好きですね。