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私の競馬はちょっと新しい
第55回 漫画家 甲斐谷忍さん

「競馬の楽しさが伝わればいいなあ、と思います」
甲斐谷忍さん写真
1967年生まれ、鹿児島県出身。大学卒業後、一般企業に就職し、その後漫画家に転身。「ONE OUTS」(ビジネスジャンプ)、「LIAR GAME」(週刊ヤングジャンプ)などのヒット作を送り出した。11年より「ジャンプ改」において、競馬を題材に描いた「ウイナーズサークルへようこそ」を連載中。

マンガで紹介されたデータの調べ方は?

 甲斐谷さんはJRA-VAN DataLab.対応ソフト「TARGET frontier JV(以下ターゲット)」を以前から利用し、平日は必勝法探し、土日はレースを見ながらメモをするといった方法で活用されているそうだ。また、「ウイナーズサークルへようこそ」の中でもいくつか、必勝法にも繋がりそうなデータが紹介されている。そこで今回は、作品中で取り上げられたデータを調べる方法を、2つほどここで紹介したい。

 まずひとつめは、第5話「謎の男」で取り上げられていた、人気別の単勝・複勝回収率を調べる方法から見てみよう。ターゲットで過去のレースを集計してデータを調べる際には、まずメニューパネルから[レース検索]を選択する(画面1)。メニューバーの[メインメニュー]−[レース検索]でも同様の検索が可能だ。

 すると「戦歴・レース検索条件設定」ウインドウが開く(画面2)。ここでは競馬場やクラス、馬場状態など、さまざまな条件から絞り込みが行えるが、今回は過去1年の平地競走全レースを対象として調べるため、画面2では「コース」欄の[芝][ダート]のみを選択し、画面下の[次(選択馬の条件)]をクリックする。「コース」欄でなにも選択しない場合は、障害も含めた全レースが対象となる。

 続いて、選択馬の条件設定を行う(画面3)。画面2ではレース条件で絞り、この画面3では、そのレースの中で着順や人気、性別など競走馬にかかわる要素で絞り込む形だ。今回は上部にある[確定着順]の[全]ボタンを押し、1〜28着(出走全馬)を対象として、画面下の[次(検索範囲の設定)]ボタンをクリックする。

 画面4は「検索範囲の設定」ダイアログ。ここでは画面2〜3で指定したレース・馬を、どの期間で検索するかを設定する。「検索開始日」には検索当日がデフォルトでセットされており、今回はラジオボタンで「検索終了日指定」を選択し、プルダウンメニューから[開始日から1年間]を指定している。

 画面4で[検索実行]ボタンを押してしばらく待つと、指定した条件に合致するレースや出走馬の戦歴一覧が表示される(画面5)。ここで、今回の目的は人気別の回収率の調査のため、画面上部[項目集計→]ボタン隣にあるプルダウンメニューから、[人気]をクリックする。

 画面5は、画面4で表示された戦歴について、人気順で集計を行った結果だ。「単回値」「複回値」の数字が、第5話で紹介されていた単勝や複勝の回収率になる。掲載時と現在では同じ「過去1年」でも集計期間が異なるため細かな数字に違いこそあるものの、台詞にあった「12番人気以下の馬を買うことはかなり割に合わない」ことは、今回の集計でも明らかだ。

画面1

【画面1】ターゲットで人気別などさまざまなデータの集計を行うには、まずメニューパネルから[レース検索]をクリック。

画面2

【画面2】検索対象とするレースを指定する。今回は平地全レースを対象として「コース」欄の[芝][ダート]のみを選択している。

画面3

【画面3】今度は検索対象とする馬の条件を指定する。ここでは全馬を対象とするため、着順範囲の[全]ボタンを押して「1〜28着」としている(馬連導入前は19頭以上のレースも存在したため。最近のレースが対象なら18着まででも良い)。

画面4

【画面4】レースを検索する期間を指定する。検索開始日には検索当日が指定されるため、直近のレースを調べる場合は変更の必要はない。今回は「検索終了日指定」のラジオボタンを選択して、プルダウンメニューで[開始日から1年間]を選び、[検索実行]をクリックする。

画面5

【画面5】画面2〜4で指定した戦歴一覧が表示される。画面上部にある[騎手▼]のプルダウンメニューから集計項目を選ぶと、それに応じた集計データを表示できる。今回は[人気]を選択する。

画面6

【画面6】人気別の集計結果が表示される。勝率や連対率、平均着順などのほか、第5話で取り上げられていた単勝・複勝の回収率も表示されている(「単回値」「複回値」)。

 今度は第16話「もうひとりのメンバー」で登場した、「最初のコーナーで先頭だった馬の成績」も調べてみたい。集計対象は画面6までと同じく過去1年の平地全レースとするため、画面を閉じていなければ画面2〜4の手順は省略できる。「最初のコーナーで先頭だった馬」は、画面5のプルダウンメニュー左下にある「初角位置」から見ることが可能だ。

 画面7はその「初角位置」による成績を表示したもので、最上部にある「初角1番手」の馬は単勝回収率210%、複勝回収率149%。第15話のタケイさんのように、最初のコーナーで先頭の馬を言い続ければ(実際はそれで馬券は買えないが)儲かることがわかる。ただ、続く第16話や、今回のインタビューにもあった通り、レース前から逃げる馬を完全に読み切るのは不可能だ。

 同じく第16話で取り上げられていた「最初のコーナーで先頭だった馬のうち、前回も最初のコーナーで先頭だった馬」の成績も調べてみよう。このような場合は画面7のような集計結果から絞り込みを行っていく。今回はまず「最初のコーナーで先頭だった馬」の一覧を作成するため、画面7で[初角1番手]を右クリックし、表示されたメニューから[該当データの一覧]をクリックする(画面8)。

 すると別ウインドウが開き、先のデータから「初角1番手」の馬のみが抽出されたレース一覧画面が表示される。ここで、画面5と同様にプルダウンメニューを開いて、右から2列目にある[前走初角位置]を選択する(画面9)。この段階では「前走成績を読み込んで下さい」という画面になるが、ここで画面上部の[前走読込]ボタン、または[Shift+F11]キーを押すと、画面10の前走初角位置別の集計結果が表示される。

 ここまでの手順で、集計対象は「今回最初のコーナーを先頭で通過した馬」になっており、画面10の「初角1番手」は「最初のコーナーで先頭だった馬のうち、前回も最初のコーナーで先頭だった馬」の結果になる。単勝回収率は139%、複勝回収率は116%で、今回逃げる馬が確実にわかればプラスだが、少しでもハズレるとマイナスだ。また、中団あたりの背景黄色にある(前走初角)「2番手」は複勝回収率140%、「3番手」は173%。話中にもあった通り、前走も今回も逃げた馬よりは、前走は逃げずに今回逃げた馬のほうが儲かるという結果が出ている。同様の絞り込みは人気など他の集計結果からも可能で、たとえば画面6で[1番人気]を右クリックして絞り込み、さらに前走人気別の成績を調べれば、「今回1番人気の馬のうち、前走でも1番人気だった馬の成績」などといった調査もできる。

 以上、「ウイナーズサークルへようこそ」で取り上げらたデータから、「人気」と「逃げ」について、実際にターゲットで調べる方法を紹介した。ほかにも、画面2〜4での条件設定を変えれば、第3話「無自覚な宝物」にあったベニコの消去法のようなデータも調べることが可能だ。

 今回紹介したターゲットはソフトの利用料金は無料で、月額1,995円(※現在2,052円)のデータ提供サービス「JRA-VAN DataLab.」の会員になれば利用できる。ソフトやデータはすべてインターネット経由でダウンロードできるほか、解説書の付属した「トライアルキット(DVD)」も配布されているので、この機会にみなさんも必勝法探しにチャレンジしてみてはいかがだろうか。

画面7

【画面7】最初のコーナーの通過順別の成績を調べるには、画面5にあったプルダウンメニューから、左下の[初角位置]を選ぶ。初角1番手の馬は単勝回収率210%とプラスだが、画面中ほどにある3番手の馬は単勝回収率89%止まりだ。

画面8

【画面8】今回逃げた馬のうち、前走の最初のコーナー通過順別成績を調べるには、絞り込みを行う。画面の[初角1番手]右クリックで表示されるメニューから、[該当データの一覧]を選択。

画面9

【画面9】続いて集計項目のプルダウンメニューから[前走初角位置]を選択し、次の画面で画面上部の[前走読込]ボタンか、[Shift+F11]キーを押す。

画面10

【画面10】表示された結果が「今回最初のコーナーで先頭だった馬の、前回の最初のコーナー通過順別成績」になる。つまり、ここでの「初角1番手」は今回も前回も逃げた馬の成績だ。通過順以外の画面でも同様の絞り込み検索はできるため、「今回も前回も1番人気」「今回1番人気の前走2着馬」など、さまざまな検索が可能だ(画面3で、人気順など一部については事前に絞り込むこともできる)。

※記事内の価格及びデータは掲載当時のものです。

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