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私の競馬はちょっと新しい
第51回 競馬評論家 古谷剛彦さん

「記憶に頼っていたパドックを、映像で振り返られるのは便利ですね」
古谷剛彦さん写真
1975年生まれ、東京都出身。学生時代からJRDBにスタッフとして携わり、卒業後はローカルを中心としたパドック診断を担当。現在はホッカイドウ競馬を中心に地方競馬のパドック解説を行うほか、グリーンチャンネル「KEIBAコンシェルジュ」「馬産地通信」に出演するなど、各方面で活躍中。

世界の競馬より、日本の競馬をより深く学ぶ

市丸:今はグリーンチャンネルの「馬産地通信」もありますし、そろそろPOGに向けての取材もあって、牧場に行く機会も多そうですね。

古谷:また、これから夏のセリに上場される馬の取材もあります。「日高支局定期便」や「馬産地通信」を見てくださっている生産者の方も多く、初めて訪れた牧場でも「いつも見ているよ」と言って、みなさん非常に快く対応していただけています。

市丸:そういった番組に出演されることで、より取材がしやすくなったところもありますか?

古谷:そうですね。POGについては、2歳のデビュー前でテンションが高く、気を遣う時期になりますけれど、時間を作って対応していただいて、たいへん有り難いです。

市丸:立ち姿の写真を撮るにしても、そこで暴れてしまう可能性もあるでしょうし、大変ですよね。

古谷:特に産地馬体検査のときは、採血をしたあとにお願いして撮らせていただくのですが、体に針を刺した後でカリカリしているんです。その中でやるわけですから、牧場の方々のご理解がなければ無理ですよね。

市丸:お断りされることもあるかと思います。

古谷:牧場まで足を運んで撮るならまったく構わないけれど、産地馬体検査という特殊な状況下では厳しいというところもありますね。それはもうおっしゃる通りです。

市丸:ただ、馬産地も競馬のためにできることをやっていかないと、という雰囲気はありますか?

古谷:ありますね。みなさん危機感を持ってやっておられます。2歳馬の写真も、産地馬体検査では難しいというだけで、牧場まで行けばしっかり立たせて撮らせていただけますし、競馬をなんとかしたいという思いや、ファンの方に楽しんでいただきたいという考えはみなさんありますよね。

古谷さんインタビュー写真7

市丸:中央、地方、そして馬産地の取材もされている古谷さんですが、そんな中で海外の競馬にはまったく興味がないというお話しを耳にしたことがあります。

古谷:パスポート持ってませんから(笑)。

市丸:なにか信念をお持ちとか?

古谷:信念はないですけれど、海外のことは合田(直弘)さんに聞けばなんでも教えていただけますし、シンガポールでしたら大谷正嗣さんや、セリの時期になれば高岡先生も帰ってこられるので聞けますからね。自分がどうこうするには広すぎますし、「日本史と世界史、どっちを取りました」と同じレベルの話です。世界の歴史を学ぶよりは、日本の歴史のほうが、ひとつの国についてより深く知ることができますから。

市丸:馬産地のことから中央、地方まですべてカバーし尽くすのは難しいですよね。

古谷:そのあたりをすべて理解して、競馬の問題点を書ける方というのも少ないと思います。世界中の競馬を勉強するよりは、日本の競馬をしっかりと勉強することの方が、たやすいことだと思うんです。ならば、地方競馬をしっかりと勉強していこうと。

市丸:ひとくちに地方競馬といっても、主催者によって細かなルールの違いがありますね。

古谷:たとえば、マカニビスティーが大井競馬に転厩して東京ダービーを勝ったあと、中央所属に戻って大井のジャパンダートダービーに出走しようとしたら出られませんでした(中央移籍後に1戦以上が必要)。それがいい、悪いという話ではありませんけれど、これは大井競馬場と他場では違うルールなんですね。せめて全国でダートグレード競走だけでも統一ルールを作ったら良いと思うのですが、今のところはないですから、そのあたりは我々ももっと声を上げなければいけないと思っています。また、ダートグレード以外でも、他地区の騎手を乗せることができるのかどうかなど、地区によって多くのルールの違いがありますね。

市丸:そのあたりをひとつひとつ、全部知っている方はなかなかいないですよね。

古谷:ただ、世界中の競馬ではなく日本の競馬ですから、本気で勉強しようと思えば、なんとかなるんですね。移籍のルールひとつでも、この馬は転厩できるのかどうなのか、それを知っているかどうかで信頼感も違ってきますし、その部分でもいろいろな方々に評価していただいているのかな、と思います。

古谷さんインタビュー写真8

市丸:そのあたりで、なにかエピソードなどはありますか?

古谷:高知で走ったサクラゼウスのことは強く印象に残っています。高知には年に6回くらい行き、いろいろな方と親しくさせていただいてルールも覚えていったのですが、その中で特に嬉しかったのが、この馬のことでした。

市丸:中央では、07年のファルコンS3着のあとに抹消されていますね。

古谷:損傷率30%を超える屈腱炎になってしまったのですが、サクラバクシンオーのスピードをよく受け継いでいる馬で、なんとか復帰させたいというサクラさん、牧場さんの思いがあったようです。ただ、南関東は1年以上休んでいる馬の移籍は認められず、他の主催者でも2年以上はダメというところもあって、2年4ヶ月休んでホッカイドウでいざ明日競馬となったら、屈腱炎になって出走取消になってしまったんです。それでさて困った、ということになったとき、高知競馬を紹介しました。高知競馬は過去2年間の賞金でクラスが決まるので、3年前のファルコンSの賞金があっても最下級条件から出走できるんです。

市丸:能力の高い馬が最下級条件から出られれば、多少は馬への負担も少なく済みそうですね。

古谷:それでもレースのたびに脚が腫れていたそうですが、ナムラコクオーを12歳まで走らせた田中守厩舎で、ケアをしながら無傷の12連勝をしてくれました。それから種牡馬入りして初年度産駒が今年1歳になりますが、来年のデビューには注目したいですね。

市丸:そんな経緯があって、その産駒が競馬場に出てきたときには、感慨深そうですね。

では、JRA-VANについてうかがいたいと思います。

「私の競馬はちょっと新しい」インタビュー一覧

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