私の競馬はちょっと新しい
第45回 ダーレー・ジャパン 加治屋正太郎さん
- 「日本の競馬と馬産地を盛り上げることが、成し遂げなければならない目標です」
- 1977年生まれ、鹿児島県出身。北里大学獣医学部卒業後、日本軽種馬協会を経て08年にダーレー・ジャパン(株)に入社。「ノミネーションマネージャー」として種牡馬に関する業務全般に携わり、日本競馬と馬産地のさらなる発展を目指し活躍中。
Target frontier JVで種牡馬の産駒情報や傾向を確認!
ダーレー・ジャパンのノミネーションオフィスでは、すべてのパソコンにTarget frontier JV(以下ターゲット)を導入するなど、さまざまな場面でJRA-VANのサービスを活用されているとのことだった。今回はこのうち、ターゲットの種牡馬に関わる機能について、いくつか紹介していきたい。
ターゲットには種牡馬やその産駒の情報を調べられる多くの機能が搭載されているが、まずは「種牡馬一覧」画面から。メニューパネルの[種牡馬]ボタンや、メニューバーの[メインメニュー]−[種牡馬一覧]で表示されるのが、画面1の「種牡馬一覧」画面になる。画面1ではフジキセキの「頭数計」欄[1426頭]をダブルクリックした状態で、画面右には産駒一覧が表示される。ここで産駒一覧の上にある[馬データ検索へ][戦歴へ]などのボタンを押せば、それぞれに応じた検索や集計が可能なほか、馬名からは馬データ画面も表示できる。
また、画面上のボタン類からは種牡馬一覧からの絞り込みが可能になっており、画面2はアドマイヤムーンを検索した例(さらに馬名を右クリック)である。「◆文字」欄の横にある入力ボタンから「アドマイヤムーン」を入力し、ラジオボタンで[先頭]を選択するとこのような表示になる。ほかに、チェック種牡馬の種類などでも絞り込みは可能だ。
また「アドマイヤムーン」という種牡馬名を右クリックすると、自身の血統表や産駒の一覧、そして戦歴などを検索、表示することが可能だ。画面3は、画面2で「アドマイヤムーンの産駒を馬データ検索で一覧」を選択した例。画面上部のタブを切り替えればさまざまな情報を表示できるほか、それぞれの画面で項目名をクリックすれば、その項目によってソートを行うことも可能だ。画面3は収得賞金順でソートを行ったものである。
また、画面4はインタビューにもあった[馬名意味]タブを表示したもので、画面右には各馬の「欧字馬名」も表示されている。ここでメニューバーの[ファイル]−[テキストファイル出力]を選択すれば、さまざまな形式でファイルに出力することが可能なほか、画面4のようにコピーしたい範囲をマウスでドラッグして選択し、右クリックでクリップボードなどにコピーすることもできる。この画面のように[CSV/エクセル用]を選択すれば、そのまま表計算ソフトに貼りつけられるのだ。データのコピー先に応じて、それぞれ便利な方法を利用するといいだろう。こういったファイル出力やクリップボードへのコピーは、この「馬データ検索」画面以外にも出馬表や成績など、ターゲットのほとんどの画面で行えるようになっている。
【画面1】メニューパネルの[種牡馬]ボタンなどから表示できる「種牡馬一覧」。ここからさまざまな情報を参照できる。
【画面2】「表示限定」欄からアドマイヤムーンを絞り込んで表示(馬名入力後、その右のラジオボタンで[先頭]や[含む]を選択する)。種牡馬名の右クリックでさまざまな検索が行える。
【画面3】画面2から「産駒を馬データ検索で一覧」した例。項目名[収得賞金]をクリックし、賞金順にソートを行っている。
【画面4】画面3で[馬名意味]タブを選択。欧字馬名などの情報は、メニューバーの[ファイル]−[テキストファイル出力]や、マウスによる範囲指定後の右クリックメニューから、ファイル出力やクリップボードへのコピーが行える。
今回のインタビューでは日本馬もアルファベットで検索などが行えると便利とのお話しだったが、一般のファンがターゲットを利用していてアルファベットで困る点といえば、同じ種牡馬の産駒でも、外国産馬や持ち込み馬と日本産馬で父名の表記が異なることが挙げられる。海外で種牡馬として繋養された後に輸入された馬の産駒のほか、シャトル種牡馬の産駒、受胎した牝馬が海外で出産して後に輸入された場合(当歳時の輸入は内国産馬扱い)などでもそんな例は見られるが、こういった種牡馬の産駒の戦歴は、まとめて集計を行うことも可能だ。
ここではアドマイヤムーンの父・エンドスウィープを例に見てみよう。エンドスウィープの産駒は、アドマイヤムーンのような日本産馬に加え、サウスヴィグラスなど外国産馬や持ち込み馬(「End Sweep」表記)も日本で走っていた。これらをまとめて集計する場合は、メニューバーの[メインメニュー]−[馬データ検索]や、メニューパネルの[馬データ検索]で、まず父名「エンドスウィープ」で検索を行う。画面5のように日本産の「エンドスウィープ」産駒一覧が表示されるが、ここで画面左上にある[追加読込]にチェックを入れ、[馬データ読込]ボタンをクリックする。続いて表示される「馬データ検索・馬データ読み込み条件の指定」画面で、今度は父名に「End Sweep」と入力して[読込実行]ボタンをクリック。すると画面7のように「エンドスウィープ」と「End Sweep」が混在したリストが完成する。ここで右上の[戦歴]ボタンをクリックすれば、「馬グループ戦歴」からさまざまな条件による集計データを閲覧することが可能だ(画面8)。
コースや条件などから戦歴を検索し「種牡馬」の集計をする場合にはこの手法は使えないものの、先に調べたい種牡馬が決まっている場合は、以上の手順で合算して集計を行える。ただ、同じ種牡馬の産駒でも日本で種付けされた日本産馬と、外国産馬や持ち込み馬では配合相手も違い、種牡馬によっては異なる傾向を見せることもある。例に挙げたエンドスウィープの産駒も、外国産馬・持ち込み馬はダートの勝ち鞍が芝の4倍ほどあったが、輸入後の産駒は2倍少々にとどまるという違いが出ている。こうして合算することが必ずしも馬券作戦にプラスになるともかぎらないため、目的に応じて使い分けたい。
【画面5】同一種牡馬のアルファベット表記とカタカナ表記をまとめて集計したい場合は、まず一方の父名(画面は「エンドスウィープ」)で馬データ検索を行い、画面左上の[追加読込]にチェックを入れ、[馬データ読込]ボタンをクリック。
【画面6】今度はもう一方の父名(画面は「End Sweep」)を入力して[読込実行]をクリック。
【画面7】カタカナ表記とアルファベット表記の混在したリストが完成する。以降は通常の戦歴検索と同様の手順で集計が行える。
【画面8】父「エンドスウィープ」表記と 「End Sweep」表記を合わせてコース別の集計を行った例。今回は種牡馬を例にしたが、この「追加読込」機能は生産者名が変更された際などにも便利だ。
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