私の競馬はちょっと新しい
第45回 ダーレー・ジャパン 加治屋正太郎さん
- 「日本の競馬と馬産地を盛り上げることが、成し遂げなければならない目標です」
- 1977年生まれ、鹿児島県出身。北里大学獣医学部卒業後、日本軽種馬協会を経て08年にダーレー・ジャパン(株)に入社。「ノミネーションマネージャー」として種牡馬に関する業務全般に携わり、日本競馬と馬産地のさらなる発展を目指し活躍中。
父に似た素晴らしい馬体のディープスカイ産駒
市丸:さきほどお話しに出ましたサドンストームの父・ストーミングホームはいかがですか?
加治屋:ストーミングホーム自身は2000mのG1を3つ勝ち、短距離よりも中距離以上の距離を得意としていたのですが、産駒はストーミングホーム同様の馬からスピード型まで、いろいろなタイプを出す印象ですね。その父のマキャベリアンは早くから活躍するスピード馬を出していますし、ミスタープロスペクター系にもなりますので、そのようなスピードを武器とする産駒も出ているのだと思います。
市丸:それからディープスカイについてもうかがいたいのですが、この間のHBAのサマーセールでもずいぶんと高額で取引される馬が見られました。
加治屋:昨年のセレクトセールでも上場された当歳馬5頭がすべて売却され、平均価格2480万円という素晴らしい評価をいただきました。1歳になった今年も、非常に見栄えのする垢抜けした馬体の産駒が多く見受けられまして、HBAのサマーセールでは10頭中9頭が売却されたのですが、そういった馬体の良さが関係者からの高い評価に繋がっているのではないかと考えています。
市丸:こちらもかなりの人気のようですね。
加治屋:3シーズン目の今年は188頭と、これまでで最も多い種付け頭数になりました。
市丸:188頭ですか! これは頭数の制限などはあまりなさらずに……。
加治屋:ディープスカイに関しては、来年以降に結果が出てくる馬ですので、種牡馬としての成功へ向けてある程度の頭数確保が必要と判断しました。
市丸:馬体が良い産駒が多いとのことでしたが……。
加治屋:ディープスカイ自身がすごく見栄えのする馬で、立ち姿が美しく、馬格や骨量もあり、しっかりした筋肉を持っています。そんな父の素晴らしい体によく似た産駒が多く出てきていることで、高い評価をいただいています。
市丸:パイロも、ディープスカイと同じく1歳が初年度産駒になります。
加治屋:こちらもサマーセールでは、グッドセイラー2011がセール全体で2番目の2000万円という高額で取引されました。もともと生産者の方には仔出しの良さでは高い評価をいただいていたのですが、こうしてセールに出ることで、オーナーや調教師など購買者の皆様にも評価していただき、それからさらに問い合わせが増えてきています。
市丸:こちらは父がプルピットですね。
加治屋:現在アメリカでは非常にポピュラーなサイアーラインであるエーピーインディからプルピットということで、期待していました。また、こうして実際に高い評価をいただいていますし、アメリカ系でスピードのある馬ですから、日本のスピード競馬にも十分に対応できると思いますので、来年のデビューが楽しみになってきました。
市丸:短距離からマイルあたりでの活躍が期待される感じでしょうか?
加治屋:そうですね、まずはスピードを武器とするのが一番の特徴だと思います。ただ自身のG1勝ちは1400m(フォアゴーS)ですが、2000mのトラバースSでも3着になっているように、それ以上の距離に関しても十分に対応できるスタミナやパワーも持ち合わせているのが特徴です。
市丸:ありがとうございました。今後が楽しみな種牡馬ばかりですね。
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