私の競馬はちょっと新しい
第29回 フリーライター 平松さとしさん
- 「レースを見て気づいたことはターゲットに入力しています」
- 1965年2月生まれ、東京都出身。大学の獣医学部中退後、競馬専門紙に入社。営業から編集、トラックマンを経験し、その後フリーに。現在は新聞、雑誌など各メディアで活躍中。「リーディング・トレーナー 藤沢和雄の調教論」(コスモヒルズ刊)など著書多数。ブログ「平松さとしの孟母三振馬耳投球」
速いラップのレースで見どころのあった馬で単勝勝負
市丸:厩舎関係者の方とのつながりは、トラックマンのころからのものが中心になりますか?
平松:それもありますし、海外で知り合った方も多いですね。たとえば角居(勝彦)調教師とはじめて言葉を交わしたのは、技術調教師をされていたときのイギリスでした。ニューマーケットでケンタッキーフライドチキンに入ったら角居先生がいらっしゃって(笑)。あと、池江泰寿先生もアメリカの競馬場でしたし、技術調教師や助手のころに海外ではじめて会って、それ以来のおつきあいという方も多くいらっしゃいます。
ウオッカのドバイ遠征時に角居調教師と
市丸:武(豊)さんとはいつごろからですか?
平松:確か90年代の中ごろだと思うのですが、そのころから夏はフランスへ遠征されていて、それからですね。最近は海外へ行くスケジュールを先に聞いていて、今年ならシャーガーC(英国、国際騎手対抗戦)に選ばれているので、それに合わせて予定を決めたりしています。
フランスの競馬場にて武豊騎手と
市丸:話は変わりますか、平松さんはほとんど馬券は単勝しか買わないそうですね。これはいつごろからなのでしょうか。
平松:結構前からそうでしたね。これ(中央競馬のすべて)の話じゃないですけれど、単勝に5%上乗せされるようになってから拍車がかかりました。今年はもう単勝以外買っていないくらいですね。
市丸:単勝は1点ですか?
平松:たまに2頭買うこともありますし、逆に1日競馬場にいて1レースも手を出さないこともあります。
市丸:「この馬の単勝」と決めるときの「決め手」ってどんなものなんでしょう?
平松:個人的な予想の基本スタイルは、レースのラップですね。速いラップを踏んだレースで、どういう走りをしていたかに注目しています。着順は別に悪くても構わないので、レースの途中の(1ハロン)10秒台のところで動いていたとか、最後はバテてもある程度は踏ん張っていたとか。
市丸:スローではなく、厳しい流れのレースでいかに頑張れたかや、脚を使っていたか、というあたりですね。
平松:その逆はむやみに食いつかないようにしています。遅いラップで追い込んできた馬が、速い流れになって追い込みが決まるかというと、(道中で)自分も脚を使ってしまうと、必ずしもそうはなりませんから。速い流れで見どころのあった馬なら、遅い流れになればもっと頑張れる、という考え方です。ただ、遅い流れで引っかかってしまうような馬は別で、そのあたりはラップだけではなく、レースも見ていないとダメですよね。
市丸:スローの瞬発力勝負には強そうな馬がいても、そういうのはあまりアテにされないのですね。
平松:極端な話をすると、カールルイスと走って競走したら勝てませんけれど、歩いて競走したら勝てるかもしれない(笑)。スローのレースってそういうことですよね。速いラップになると実力が出やすいですし、それで勝った馬というのは、単純に展開が向いただけで勝てたのかというと、それだけではない、と考えています。
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