私の競馬はちょっと新しい
第28回 中央競馬調教師 角居勝彦さん
- 「いい馬を作り続けていくのが使命だと思っています」
- 1964年生まれ、石川県出身。グランド牧場勤務から、中尾謙太郎厩舎、松田国英厩舎での調教助手を経て、00年に調教師試験に合格。開業後はデルタブルース(菊花賞)を皮切りにウオッカやカネヒキリなどG1馬を続々と送り出し、本年はヴィクトワールピサで日本馬として初めてドバイワールドC制覇を果たした。
馬がさまざまな世界で役立っていく仕事を
市丸:このところ日本馬がなかなか海外のレースを勝てなくなっている中でドバイワールドC、素晴らしいですね。この、日本馬が勝てなくなっている原因というのは?
角居:競馬の経済が世界中厳しくなって、日本の馬が日本の高い賞金を捨ててまで狙えるレースが少なくなってきているのがひとつだと思います。また以前と違い、欧米の馬がアジアやオセアニアのレースを目の色を変えて狙ってきている、というのもありますね。
市丸:昨年はスノーフェアリーがエリザベス女王杯を圧勝しましたが、今後もそういうことがどんどん……。
角居:起こるでしょうね。検疫のルールとか、飛行ルートなどが確立されれば。
市丸:それではJRA-VANについてもうかがいたいのですが。
角居:レース結果などはよく拝見しています。ただ、あまりパソコンは得意ではないので……。
市丸:そうすると、主にケータイサービスを利用されている感じでしょうか。
角居:そうですね。ただ、レース映像はパソコンでも見ますし、ケータイでも見られますよね。もうこれは「必需」です。
市丸:ありがどうございます。ほかにも、先生にはお聞きしたいことが非常にたくさんあるのですが、最後にひとつ。ホースセラピー(馬とのふれあいを通じた心身療法)にも力を入れられているそうですね。
角居:競馬の世界と、乗馬の世界からもロンドン五輪代表選手の方々などに協力いただいて、10月の9日と10日に、三木ホースランドパークでイベントを開くことになっています。競走馬の世界というのは能力選定競走で、勝つ馬も作れば、勝てない馬も相当数作っているんですね。そんな馬たちが、乗馬の世界だったり、障がい者の方々の機能回復であったり、いろいろな世界で役だっていけるようにしたり、またそういった情報を発信する仕事もしていきたいと考えています。わたしたちの立場は馬によって守られ、馬で恵まれているわけですから。
市丸:その10月のイベントについて、具体的な内容は決まっているのですか?
角居:プランはだいぶかたまっているのですが、震災で被災された方もいらっしゃいますし、そういった方々を支援したり、相馬の野馬追を応援したいという気持ちも含めたものにしていきたいと思います。
市丸:被災された方の中にも競馬ファンはたくさんいらっしゃいますし、ドバイワールドCの優勝に勇気づけられた、という声も多く耳にしています。
角居:ドバイは元気を出していただくきっかけを作っただけで、これからも継続的に、そういった支援、応援をしていきたいですし、また、いい馬を作り続けるのも使命だと思っています。
市丸:我々ファンも大いに期待しておりますので、ぜひ、よろしくお願いします。本日はありがとうございました。
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