私の競馬はちょっと新しい
第23回 競馬評論家 合田直弘さん
- 「感動的な場面により多く出会うためのお力添えをしたいです」
- 1959年生まれ、東京都出身。乗馬経験を生かし、高校時代には育成牧場でアルバイト。大学卒業後はテレビ東京に入社、競馬中継の制作などにたずさわる。その後、有限会社リージェントを設立。海外競馬を日本に紹介する業務などを行い、現在は各メディアで競馬評論家として活躍中。
ニューマーケットで競馬の原点を見る
市丸:ヨーロッパやアメリカの競馬はいかがでしたか?
合田:しっかり見たのはテレビ東京を辞めてからですね。テレビ局の勤務というのはたいへんハードなもので、なかなかどこかへ行くというのはできなかったです。
市丸:お辞めになられたのは、海外の競馬をやりたいという気持ちで?
合田:若い社員というのは、いろいろな職場をまわることになるんですよね。放送局に就職しようという人間は、たいてい番組を作りたくて入ってくるわけですが、実際は経理セクションもあれば総務もあり、誰かがやらなければならないわけです。それで、最初3年営業にいて、それからスポーツ局に3年いると……。
市丸:そろそろ次という声が聞こえてきますよね。
合田:人事異動のうわさがいろいろ聞こえてきまして……。
市丸:テレビ東京をお辞めになられて、すぐイギリスに渡られたそうですね。
合田:1シーズンだけでしたけれど、前半はロンドンを拠点にしていました。午前中は英語学校に通って勉強らしいことをして、午後はだいたい電車で30分から1時間も行けば毎日どこかで競馬をやっていましたね。後半はフランス・パリで、やはりどこかしらで競馬はやってましたし、競馬だけじゃなくニューマーケットやシャンティに行ったりとか。そのときにできた人脈というのは、今とても役だっていますね。
市丸:なにかでドーヴィルがお好きだと読んだ記憶がありますが……。
合田:街としてはドーヴィルいいですねえ。
市丸:競馬場としてはどうでしょう?
合田:競馬場だけだと……、ニューマーケットかグッドウッドですかね。ニューマーケットのローリーマイル(コース)は直線2000mで、スタート地点なんて見えないんですよ。競馬場といっても草原のようなところで、レースが始まると遠くの方から馬の集団が少しずつ見え、「だだだだっ」と近づいてきて、そしてゴールを過ぎても、まただだっ広い草原で。競馬というか「競べ馬」ですよね。これが競馬の原点なのかな、と強く意識しました。
市丸:ディープインパクトが出た凱旋門賞のあと、競馬をやっていないニューマーケットを外から見たことはあるのですが、競馬場というよりただの広い空間というか……。
合田:スタンドも、日本のスタンドを知っているものからすれば小さいですし、もうカルチャーショックでしたね。
市丸:そういう競馬がある一方で、アスコットとか、貴族の競馬というのもありますよね。行ったことはないのですけれど……。
合田:ロイヤル開催だけは、かなり雰囲気違うな、というのはありますね。ただ、普段の開催はカジュアルですし、みんな酔っぱらってますよ(笑)。
市丸:でも、一度行ってみたいですねえ……。
合田:それはぜひ。ご案内しますよ(笑)。
市丸:それから、現在まで「有限会社リージェント」でいろいろと競馬にかかわるお仕事をされていますが……。
合田:最初はテレビ局にいた経験を生かしまして、「レーシングワールド・ビデオマガジン」というビデオをてがけていました。ロンドンで制作されていた月1回2時間もののビデオで、世界の大レースが収録されていたんです。これはいいなと思って、ロンドンに住んでいるときに制作者の方を訪ね、日本語版を出したいという話をしまして、7〜8年作っていました。
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