私の競馬はちょっと新しい
第22回 オリオンファーム場長 三浦啓一さん
- 「少数精鋭で日本のトップを目指しています」
- 1962年生まれ、北海道出身。酪農学園大学卒業後、カナダに留学。帰国後は三浦牧場富川分場で競走馬の育成に携わる。06年に富川分場が生産中心のオリオンファームに装いを改め、場長に就任。オリオンファーム所有馬のアンペア、オノユウが2年連続でエーデルワイス賞を制覇するなど活躍中。
過保護にはせず、厳しいトレーニングを
市丸:生産についてもうかがいたいのですが、今の一日の流れはどんな感じですか?
三浦:夜間放牧をしているので、夕方に放して朝入れる形ですね。9時半や10時に入れて、3時過ぎとかに放牧に出しています。
市丸:人間の方はいかがですか?
三浦:5時くらいから当番制で、中に入っている馬の飼葉をつけたりして、全体のミーティングは7時くらいからですね。それで作業をして、4時半くらいには上がる感じです。
市丸:特色といいますか、どんなところを目標にされているのでしょうか。
三浦:いい馬を集めるのはもちろんですが、規模としては少数精鋭で、それでもやっていることは日本のトップと変わらない、というところを目指しています。
市丸:今は何頭くらいいるのですか?
三浦:13〜14頭で、これよりは増やさないようにしようと考えています。そんな中で面積を増やしたり、管理とか土地とかはいいものにしていって、ゆくゆくは大きいところを獲れたらいいと思っています。最近、隣の敷地を買ったりもしているのですが、それもそういった一環で。
市丸:もう一度育成を……というお考えは?
三浦:オリオンファームがオーナーになる馬は、今でもトレセン近郊の牧場に行く直前まではこちらでやっています。
市丸:強い調教をするちょっと前まで、というくらいですか?
三浦:そうなりますね。精神面に重点を置いて、最初の馴致のところはできれば自分たちでやって、その馬の性格を見極めていければ、と考えています。
市丸:その育成はどちらで?
三浦:馬場とかはなくしてしまったので、隣の牧場の調教施設まで馬運車で運んだり、騎乗して30分くらい歩いていってます。
市丸:こちらでお持ちになる馬と、馬主さんに売られる馬というのは、先に持つ馬を選ぶのですか?
三浦:いえ、それでは信頼をなくしてしまいますから。いい馬をお客さんにまず買っていただいて、それで稼いでまた次も買っていただく、というのが理想です。ただ、売るために大事に……というか、過保護にはしないように、ハードにやっています。今の時期の1歳はもう夜間放牧は終わりにしているところが多いと思うのですけれど、うちでは夜間放牧もして、昼間に乗っています。
市丸:アンペアやオノユウのように、セリで買われることは……。
三浦:最初は生産馬がいなかったので買ったという面もあるので、今はおもしろい馬がいれば、というところでしょうか。生産馬がそうそう自分が思った通りに売れるわけではないので、持つのはそういう馬が中心になっていくと思います。
市丸:繁殖馬のほうは、少しずつ入れ替えたりされるわけですよね?
三浦:そうですね。そういう更新は意識してやるようにしていて、順次入れ替えて、毎年1頭は必ず入ります。
市丸:そういえば、さきほど少し話に出ましたけれど、サウスヴィグラス賞を勝つと種付け権利が……。
三浦:翌年の権利ですね。ですから、去年オノユウが勝ったフジキセキ(栄冠賞)、フレンチデピュティ(フローラルC)、キングカメハメハ(エーデルワイス賞)と今年はつけられました(笑)。
市丸:ああ! そうだ、そうですよね。すごいですよね。
三浦:種付け権だけで1000万円相当とか、なりますからね。ホッカイドウ競馬ですと、重賞の栄冠賞あたりでも(1着賞金が)200万円とかですし。
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