私の競馬はちょっと新しい
第20回 競馬エイト トラックマン 松本ヒロシさん
- 「馬柱やJRA-VANのデータを眺めるのは大好きです」
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1963年生まれ、京都府出身。平成元年に神奈川大学中退後、競馬エイト紙でアルバイトを開始。同年に編集から現場担当に異動、翌年に紙面では「覆面トラックマン」としてデビュー。現在はフジテレビ「みんなのKEIBA」に出演するなど多方面で活躍中。
一日中競馬のことを考えていても苦にならない
市丸:当時からのつきあいが今でも続いている方とか、いらっしゃいますか?
ヒロシ:音無厩舎の喜友名厩務員とは長いですね。当時は日迫良一厩舎で、キーミノブで皐月賞、ダービーと遠征されていたんです。そのころ関西馬は美浦に入厩してクラシックに使う馬も多くて、喜友名さんも皐月賞の前からずっと美浦にいらっしゃったんですよね。それで、取材したときにすごく良くしていただいて……。取材が終わったあとに厩舎で「風呂でも入りな」とか言われて入っていったりして(笑)。今は音無厩舎に移られてオレハマッテルゼやクリーンとか、あとこの前の七夕賞を勝ったドモナラズとか担当されて腕利きの方ですよね。
市丸:藤沢和雄調教師と出会われたきっかけはどんなものだったのでしょう?
ヒロシ:当時、藤沢厩舎にセサロニアンという馬がいて、その成績を見ていたら気づいたのですけれど、この馬、岡部騎手が乗るとなぜか勝ってなかったんです。それでそのときも岡部騎手から橋本騎手に乗り替わっていたので、話を聞きに行ったんですよ。
市丸:やっぱり、全然つきあいがないのに、ですか?
ヒロシ:行って「誰が担当されてるんですか?」「あの人だよ」とか(笑)。話を聞いたのは川越厩務員でしたが、「今回いいんじゃないかと思うんですよ」と言ったら「なんで?」となりますよね。それで、これこれこういうわけで岡部騎手じゃないから、と言ったら笑い出されて。
市丸:リーディング騎手が降りたら買いとか、そんな発想は普通ないですよ(笑)。
ヒロシ:でも、ゲート試験のときも岡部騎手が乗っていたときは落ちたとかいう話で、今回も具合はすごく良いので期待している、とのことだったんです。それでレースでも実際に勝って。
市丸:もちろん、紙面の予想にも乗り替わったから、とか書いていたのですよね?
ヒロシ:ええ、書きました。そうしたら、コラムのことを馬主さんを通じて先生が聞いていたらしくて、翌週スタンドですれ違ったときに先生に挨拶をしたら「きみ、松本くんって言うんだよね?」と声をかけられて。それから「競馬エイトの覆面トラックマンだよね? 馬券取ったか?(笑)」「岡部じゃ走らないんだよな(笑)」とか、もう「ええっ?」て。でも、それをきっかけに、担当じゃなくても「遊びにおいで」と言っていただきました。
市丸:でも、最初に担当ではない厩舎まで話を聞きに行こう、と思わなければなかったことですよね。
ヒロシ:そうですね。それから、本当に先生には良くしていただいています。
市丸:少し話は変わりますが、そのころから予想のスタイル、印の打ち方とかは変わりましたか?
ヒロシ:基本的には……、どうですかねえ。変わらないのかなあ。
市丸:拝見していると、そのレースで強い馬を負かせる馬、負かすための長所を持った馬を見つけてくるようなところはありますよね?
ヒロシ:そのあたりは佐藤洋一郎さんから学んだことですね。こういう予想は面白いな、と思っていたので。
市丸:厩舎情報があって、データとかも考えながら……。
ヒロシ:競馬新聞をずっと見ているのが好きなんですよ。馬柱のゲラ(試し刷り)を仕事の合間に切り貼りしたり、同じレースを色分けしたりして、このときはこっちが勝ったけど……、なんてよく考えてました。そういうのは今でも好きですね。
市丸:その後「ヒロシ」さんとして出られるようになったのは何年後くらいですか?
ヒロシ:最初は3年くらいと言われていたのですが、実際は5年後くらいですね。当時イチローが活躍していて、部長から「おまえはカタカナで『ヒロシ』だ」と。
市丸:「覆面」のときと同じ部長さんですか?
ヒロシ:ええ、そうです。仲人もしていただきましたし、もう頭上がらないですね(笑)。今は退職されて悠々自適の生活を送られています。
市丸:その後「競馬予想TV!」でご一緒させていただいたり、グリーンチャンネルの「明日のレース分析」に出演されたりなさっていますが、テレビに出られるようになって、なにか変わりましたか?
ヒロシ:週中はずっと美浦ですから変わりませんね。ただ、週末に移動が増えた、というのはあります。
市丸:もうずっと競馬ばかりだと思うのですけれど、それでも楽しくてたまらないという……。
ヒロシ:趣味がほかにないので(笑)。
市丸:ゴルフとかは?
ヒロシ:やらないですね。野球は好きでしたけれど、趣味というほどでもないですし……。別に一日中競馬のことを考えていても、苦にならないですからね。こういう仕事をしていると、よく「一日くらいは競馬のことを忘れたい」とか「気分転換に……」とか言われる方もいらっしゃいますが、自分は気分転換したくないので(笑)。新潟とかから新幹線で帰ってくるときも、エイト見ながら「なんでこの馬に本命つけられなかったんだろう」とか、復習してますね。逆に「会心の予想は?」とか聞かれても、当たったレースのことはあまり覚えていないんです。
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