私の競馬はちょっと新しい
第13回 競馬ライター 須田鷹雄さん
- 「データが競馬のメジャーな馬券の買い方になるお手伝いをしたいです」
- 1970年生まれ。学生時代に「お笑い競馬ライター」としてデビュー。卒業後はJR東日本に就職したが、その後退職しフリーのライターとして新聞、雑誌やイベントなどで幅広く活躍。現在はグリーンチャンネル「日曜レース展望 KEIBAコンシェルジュ」などでデータを活用した予想を展開している。
デジタル化でデータも「赤本」も作業がカンタンに
市丸:ただ、さきほど「気がする」とおっしゃいましたが、当時はそういったデータも珍しいものでしたし、簡単に調べられるものではなかったですよね。
須田:その後、井崎先生との「『ウマ家』でわかる」とか読み物の中でちょっとネタに詰まるとデータ的なものを出したりしましたが、当時、枠番別成績とかでも相当目新しかったですよね。ただ、とてもじゃないけれど手作業では調べられないもので。
市丸:それは、どうやって出されていたのですか?
須田:自社でデータベースを持っている会社に頼んだりしていしましたが、今ならターゲット(TARGET frontierJV)で1分で出せるようなデータに数万円かかったり。ただ、そんな中には面白いデータもあって、たとえば今ではよく知られている「競馬って逃げ馬を当てることができれば儲かるんだ」というようなことが、実際の数字で確認できました。それで当時、石川ワタルさんとの対談でお互い「どうもそうらしい」という話もあったりしたのですが、手元で何度も確認できる時代ではなかったので「らしい」で終わっていましたね。
市丸:そのうちJRA-VANのサービスがはじまり、DOS版のターゲットが出てきて……。
須田:素晴らしい時代ですよね。また年々ターゲットも機能が強化され、JRA-VANから提供されるデータも増え。セリのデータなんて、わたしのために作ってくれてるのではないかと(笑)。大変助かります。馬券もそうですし、「赤本」(「POGの達人」シリーズ 光文社刊)作るときも大変楽になりました。手作業の嵐だったら続けられないですね。
市丸:いつごろから「赤本」は楽になられましたか?
須田:こちらのスキルの問題もありますが、ターゲットが「JV」になってからです。あとJRA-VANとは関係のない部分ですが、写真がリバーサルからデジタルに変わったのも大きかったです。昔はリバーサルで送られてきて、マウントにメモが正しく書いてあるのに、印刷するときに違う写真が載ってしまったり。いまだにその流れを引きずって、写真が合っているかどうかの確認は大変です。
市丸:ペーパーオーナーゲームの本も、もう10年以上になりますか。
須田:そうですね。最初は別の出版社で出していたのですが、光文社になって2年目に表紙を赤くしたら突然売れたんです。でも、今見たらお粗末な出来ですよね。今でこそ、読者の方がどういう情報を欲しているのかとかわかりますけれど、当時はなにをやればいいのかわからないところからでしたから。あと、ミスタイプレベルの間違いもありましたし。今は「ダイナフエアリー」「パールネツクレース」とか、繁殖馬名に小さい字が使えなかった時代のをどうするんだとか、せいぜい直すとすればそのくらいです。
市丸:今はターゲットで登録前の馬名も見られますね。
須田:(軽種馬)登録協会に馬名だけ入って、まだ中央にも地方にも籍がないという状態ですね。
市丸:ほぼあれで100%決まるような形なのでしょうか。
須田:籍をつけてからでもアドマイヤテンバ(アドマイヤゲームから変更)とか変わってますし、可能性としてはゼロではないです。あと、厩舎も変わる可能性はありますから、載せるときは馬主、調教師どちらかのOKを取るようには気をつけています。
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