私の競馬はちょっと新しい
第11回 タレント 立花優美さん
- 「競馬からはいろいろな感情をもらっています」
- 神奈川県出身。04年にグリーンチャンネル「After Racing Cafe」で3代目「店長」を担当。翌05年からは、約2年にわたりテレビ東京「ウイニング競馬」の司会を務める。現在はFM NACK5「チャイム!」パーソナリティ(水曜)のほか、各地のWINSで開催されるイベントに出演するなど幅広く活躍中。
ディープインパクトとともに走った2年間
市丸:府中や中山なら近いですけれど、「ウイニング競馬」ではローカルの新潟や福島にも行かれていますね?
立花:行きましたね、前日の入りで泊まって。移動中からみんなでいろいろ話して、着いたらご飯を食べて。食べ物も含めて、楽しかったです。あと、新潟は今年もプライベートで行ってきました。直線1000メートルは圧巻ですよね、みんな外ラチ沿いを走ってくるので「どどどっ」と迫ってくる感じが。競馬場によって全然雰囲気が違うので面白いですよね。
市丸:それに、新潟はおいしいものもいっぱいありますからね。
立花:お酒も……。
市丸:結構いかれるんですか?
立花:新潟開催のときに日本酒に出会ってしまって(笑)。ビールよりも先に新潟で飲んだ日本酒が好きになりました。
市丸:「ウイニング競馬」に出演されていたころには、ディープインパクトの凱旋門賞も応援に行かれたそうですね。
立花:早くから「今年はディープが行くからお金貯めよう!」ってみんなプライベートで。土曜日の中継が終わってからの便で行きましたね。
市丸:土曜に仕事して、ですか! もうほとんど寝る間もないような。
立花:そうですね、寝ずに現地で「開門ダッシュ」も見ましたよ。すごかったですね、レーシングプログラムのなくなり具合とか……。ああいうシーンがフランスで見られるとは思いませんでしたし、あちらの方もびっくりしていました。
市丸:観光もされたのですか?
立花:毎年行っているカメラマンの方に同行させていただいたのですが、皆さんベテランですから、いろいろ知ってられるんです。「ここがおいしい!」とか言いながら。3泊5日、ベルサイユ宮殿やモンマルトルに行ったり、エスカルゴを食べてワインを飲んだり。とても楽しかったです。
市丸:中継を2年やられて、ちょうど終わるときにディープインパクトも引退ということになって……。引退式は荘厳な雰囲気でしたね。
立花:あんな時間まで人もすごかったですよね。寂しさもありましたけれど「ありがとう」という気持ちもあって……。そうですね、この馬とともに走ってきたな、ありがとう、という気持ちが大きかったですね。夢をみさせてくれてありがとう、かなえてくれてありがとう、と。
市丸:ディープインパクトのほかに、思い出の馬というのは?
立花:メイショウサムソン、ラインクラフト、チョウサン……、挙げればもっとたくさんいるのですけれど。
市丸:チョウサンですか!
立花:青葉賞ではじめて美浦へ取材にいったときなのですが、噛もうとしたり、もう「かまって、かまって」というやんちゃな感じで、「馬もこんな個性があるのか」と思ったんです。そのときは4着で(ダービーへの優先)出走権は得られなかったのですけれど、年を経て毎日王冠を勝って、天皇賞(秋)にも出走して、「あのチョウサンが!」と。亡くなってしまいましたが、追いかけて夢を見られましたね。
市丸:ラインクラフトはどんないきさつだったのですか?
立花:夏に休養しているラインクラフトに会いに行ったんです。坂路で調教していたのですが、1本目をしっかり見た後、2本目は耳だけで聞こうと思ったんですね。それで目をつむって聞いたら、なんと軽やかな! 「音って違うんだ!」「G1馬ってこんなにもリズミカルに走るんだ!」と驚きましたね。また、品が良くかわいらしくて、より好きになってしまいました。あと「競馬は応援していた馬の子供が出てくるともっと楽しくなる」と聞いていたので、引退してもシーザリオの子供と対決してまた盛り上がって……、と思っていたのですけれど。
市丸:残念なことに、この馬も亡くなってしまって……。
立花:競馬中継のコマーシャル中に亡くなったという情報が入ってきて、涙があふれてきてしまいました。テレビでそんなことがあってはいけないのですけれど……。中継をやるときに、「競走中に『そういうこと』は起きるものだから、心は保っておいてね」と言われていたのですが、とても悲しくて。
市丸:ではメイショウサムソンは?
立花:追いかけていた馬なので、皐月賞、ダービーと勝ったときには、感情を入れてはいけないのに、つい喜んでしまいました。担当されていた厩務員の加藤さんが、よくお話をしてくださる方で……。G1前などでピリピリされていると、なかなか口を開いていただけないこともあるものですが、加藤さんには大変お世話になったんです。そうすると思い入れが強くなって、応援してしまうんですよね。放送する立場なので、平等な目を持っていなければいけないのですけれど。
市丸:でも、1年、2年と競馬を続けていると、どうしてもそういう感情は生まれてきますよね。
立花:悲しいこともありますけれど、大ケガから復活して走っている馬をテレビで見て泣いていたりとか……、そんな自分にもびっくりしますし、うれしいですよね。競馬からはいろいろな感情をもらっています。取材などで苦しいこともありましたけれど、それと同じくらい楽しい「ウイニング競馬」の2年間でした。馬券も含めての競馬ですけれど、それ以外の部分にも楽しいことがたくさんあることが、見ていた方に伝わっていけばいいな、と。また、そういったことが今のわたしにもつながってきますし……、女の子がもっと競馬場にくるきっかけになればいいな、と思いますね。
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