私の競馬はちょっと新しい
第2回 デイリースポーツ本紙予想担当 和田 剛さん
- 「もうJRA-VANがなければ仕事になりません」
- 1973年生まれ、兵庫県出身。97年にデイリースポーツ社に入社し、07年秋から日刊紙最年少の「本紙予想」担当に。08年から「みんなの馬倶楽部」(フジテレビ系)に出演、データを活用した予想を展開する「データのご主人様」として活躍中。
「本紙として当然の印」とデータ予想の狭間で葛藤が
市丸:普段のお仕事ですが、競馬記者として一週間をこんな感じで過ごしてます、というのをお教えいただけますか?
和田:基本的に月曜はお休みです。火曜の夜に美浦に入って、水・木と取材。金曜は会社に戻って、土曜は会社か競馬場で「出馬作業」。そして日曜は競馬場です。
市丸:さきほど、結婚されているというお話でしたが、そのご結婚は……。
和田:ご結婚、ですか! 結婚したのはナリタトップロードが阪神大賞典を勝った日……、そういうの覚えてないんだよなあ、何年とか言われるとドキっとしちゃう(笑)。3月17日なので……、(トップロードの阪神大賞典優勝)2回目の方ですか。
市丸:やっぱり馬とかレースで記憶してますよねえ(笑)。不規則なお仕事で大変ではないですか?
和田:正直に言えば、サラリーマンの方と比べれば恵まれてるんじゃないですか? 必ず家に帰る生活より(笑)。しかも有り難いことに、好きな仕事をやっているわけですし。
市丸:お子さんは?
和田:2人です。上の子が幼稚園で、平日が休みというのは小さな子供がいる家庭では武器になりますね。遊びに行っても混んでないですから。
市丸:さて、出演されている「みんなのウマ倶楽部」についてうかがいたいのですが、この収録は?
和田:土曜の夜にお台場のフジテレビに入って収録に臨みます。「今週の仕事が全部終わって、後はレースを待つだけ」と、解放されるはずのところに(笑)。完全な生放送ではないですが、CM時間も入れてきっちり30分間で撮りきる、いわゆる“撮って出し”のスタイルなので、緊張感がありますよ。
市丸:ホームページを拝見しましたが、過去の予想結果が全部掲載されて……、大変ですよねえ。
和田:ヒドいですよ!(笑) 07年秋から本紙予想を担当しているのですが、そのころはかなり好調だったんです。たとえば朝日杯FSのゴスホークケンとか、特にG1とか目立つところでよく当たってたんです。それで勘違いしてました、「俺ってすごい!」と(笑)。ちょうどその時に(テレビの)お話があって、流れ的に「和田が出ろ」ということになりますよね。私も自信満々で臨みましたよ。番組スタート時は「最年少ナンバーワン本紙」みたいな肩書きで。
市丸:今では「データのご主人様」、というのはまた後ほどうかがいますが(笑)。
和田:私もそうですが、スタートはみんなひどかったですね。プライドが粉々になりましたよ、ホントに。当たらないのが続くと「大きいのを当てないと」と色気を出して、「印は当たっているのに……」なんてこともありました。「競馬記者ってこんなに当たらないんだって晒す番組かよ!」みたいな。
市丸:紙面とは違うテレビというメディアになると、いろいろ大変な部分もあったかと思いますが。
和田:1万円の予算と決められていると3連単が大変難しいですし、最初のシーズンは券種が1つと決まっていたり。それと、データを提示するようになって「本紙として当然の印」と、データとの間での葛藤、苦悩もありますね。
市丸:やはり「本紙予想」となると、とんでもない穴馬は推奨しづらいですよね。
和田:データって◎をあぶり出すというより、穴馬や危険な人気馬を探り出すのに有効だと思うんです。それを本紙としての◎を選ぶときに利用するとなると、微妙なズレがあるというか。「データありき」の◎って、あまり当たらないんですよね。
市丸:本紙本命とは別に、「穴ならこれ」とか「データならこれ」というわけにも……。
和田:6人も記者が出ているので、あまり時間がないんですよ。人気的な要素や直感などとの間で、いろいろブレちゃって本紙として情けないです。葛藤ですよ、毎週。でも、あの番組(市丸出演の「競馬予想TV!」)うらやましいですよ。すごい時間あるじゃないですか。
市丸:いやいや、僕は僕なりに葛藤もあるんですが(笑)。
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