第31回 2017年作者懇談会レビュー
- 〜第12回 JRA-VAN データラボ・競馬ソフト作者懇談会〜
- 2017年11月4日、「第12回 JRA-VAN データラボ・競馬ソフト作者懇談会」が行われた。4年ぶりに東京競馬場で行われた、この懇談会の様子をお伝えしたい。
競馬ソフト作者懇談会(2017/11)
みなさんとの歓談の様子(1)
今年の懇談会は、ニューフェイス4名のソフト作者のみなさんにも参加いただいたので、まずはそちらのテーブルから紹介しよう。
Hideki Itoさんは「HM出馬表作成」を携えての初登場となった。その名の通りソフトの機能はシンプルに、競馬新聞風の出馬表を表示、印刷するものだが、とにかく見やすいのが特長だ。いかにきれいに印刷できるか、特にフォントなどはこだわり抜いて苦労しつつ作成したとのこと。家庭のインクジェットプリンタでも印刷品質の設定を上げれば、非常に美しい出馬表が印刷可能だ。印刷する内容もいくつか変更できるので、見慣れた競馬新聞により近い出馬表を求めている方は、ぜひ試していただきたい。
「IPAT投票ツールJV」を制作されたのはUMAGENさん。ポイントは、他の競馬ソフトと連携できることだ。競馬ソフトを開発していると、予想するところまでは作れても、そこから投票まで持って行く部分は難しい部分もあるとのこと。その投票部分を肩代わりして行えるのがこの「IPAT投票ツールJV」。自作のソフトから指定のフォーマットで買い目さえ出力すれば、あとはこのツールが投票を行ってくれる、というものだ。投票部分の制作で開発が行き詰まっている方は、活用を考えてみてはいかがだろうか。
株式株式会社アイナレッジのHさんは、AI(人工知能)を活用した予想ソフト「アイダービーAce」を開発された。過去のレース結果から、どのような馬を買えば的中率や回収率が高いかを学習し、予想を行うというものだ。無料版では、出走各馬が1着、2着、3着になる確率と、単勝オッズに応じた期待値の表示が可能。有料版ではさらに細かな分析に加え、AIが抽出した推奨馬を提示する機能なども備えている。将棋や囲碁の世界ではAIが話題になっている昨今だが、競馬予想でもAIに触れたい方はぜひお試しを。
そして青丹嘉一さんは「あしすと!複勝コロガシ」を開発。コロガシといえばまずは当たることが重要だが、全レースの中から的中確率が高そうな馬を1頭1頭探していくのはなかなか大変。そこでこのソフトでは、単勝支持率が高い(=当たりやすい)馬をまず選んだ上で、過去5年間のデータ分析によって導き出された「複勝指数」も表示。人気馬の中でも特に複勝圏内にくる確率が高い馬を抽出し、コロガシ戦術の成功を助けてくれるのだ。複勝コロガシをしない方にとっても、3連複で堅い軸馬を探したり、逆らってはいけない人気馬を知る際には役立ちそうなソフトだ。