第25回 2011年作者懇談会レビュー
- 〜第6回 JRA-VAN Data Lab.競馬ソフト作者懇談会〜
- 2011年11月6日、東京競馬場フジビュースタンドの「ダービールーム」において、JRA-VAN Data Lab.のソフト作者が一堂に会する「第6回 JRA-VAN Data Lab.競馬ソフト作者懇談会」が開催された。今回はその模様をリポートしたい。
競馬ソフト作者懇談会(2011/11)
参加者の皆さんとアンケート結果(1)
今年も参加くださった皆さんにはアンケートにご協力いただいた。今回のアンケートは、WIN5についてと、ソフトを利用した競馬予想について。WIN5に関しては今回のゲームにも繋がるため次ページで紹介することにして、まずはソフトを利用した競馬予想についての結果を紹介したい。
設問は、特に開発中や開発予定がない分野も含めて「興味があるもの」とし、選択肢はオッズやタイム、馬の実力評価など、計8つを用意させていただいた(複数回答)。皆さん予想にあたってはさまざまな視点をお持ちのようで、半数ほどの方が3つ以上の項目に○をつけ、そして得票もかなり分散した結果になった。
そんな中、頭ひとつ抜けた20票を獲得したのが「過去の対戦メンバー等による実力評価」の項目。まずは競馬予想の王道と言うべきか、今回のメンバーでどの馬が強いのか、好走する確率が高いのかを、ソフトによって正確に導き出したい、ということである。
そして第2位、13票を獲得したのが「配当妙味(馬の好走確率や、買い目の出現確率とオッズ)」の項目。馬の強弱やその他の要素から導き出される出現確率に対して、どの程度「おいしい」オッズなのか、それとも過剰人気になっているのかをソフトで判別する、ということだ。自由記入で「馬生Viewer」のダクさんが「馬券の買い方による回収効率の変化」と記してくださったように、ソフトで導きかれた馬の評価を、いかにして最終的な「買い目」の形に落とし込むか、というのも皆さんにとって課題となっているようだ。
そして第3位は1票差の12票で、「コースやレース傾向による評価」。コース別の騎手成績や種牡馬成績、あるいは枠番、レースの傾向など、データベースを構築していれば集計することは可能だが、そのデータを予想にあたってどう料理するかがポイントになる。4位以下は、時系列オッズやオッズの偏り、タイム分析、騎手・調教師などが横一線になった。
併せて、今後こんなソフトを作りたい、こんなデータが欲しいというものがあれば記入していただいたが、こちらで目立ったのは、Windows搭載パソコン以外のプラットフォームでソフト開発を行いたいというご意見。特に、最近かなり普及してきたタブレットPCを利用したいという方が多かった。JRA-VANではスマートフォン対応のアプリもリリースしているが、皆さんソフト開発を手がけているだけあって、ご自分の手で携帯端末用のソフトを開発したいという思いをお持ちのようだ。
ほかに、馬ごとの前半3ハロンタイムやラップタイム、そして坂路調教以外の調教タイムといったデータを希望される方が複数。そして興味深かったのは、「ポジションアナライザ」のBasisさんなど、お二方からパトロールフィルムについてのご意見をいただいたこと。競馬ソフトというと「自動化」と考えがちだが、現在提供されているJRAレーシングビュアーだけでなく、より詳しい情報を自分の目で確認されて、予想に活用したいと考えられる方もいらっしゃるのだ。