DataLab.(データラボ)第20回 服助、実況服助PRO
- 「服色のデータを集めるのには苦労しました」木下彰
- 昭和30年生まれ、長野県出身。オフコンの時代からシステム開発を担当。その後、自作の予想ソフト開発(非公開)などを経て、勝負服をイラスト表示する「服助」を公開。さらに溝渕氏の協力のもと、実況現場での利用にも耐える「実況服助PRO」を開発する。
- 「『服助』の存在を知りすぐに木下さんへ電話をしました」溝渕信
- 昭和38年生まれ、北海道出身。STVラジオのアシスタントディレクター、ディレクターを経て、現在は競馬中継の実況も担当する。実況デビューした頃に「服助」の存在を知り、木下氏とともに「実況服助PRO」を開発。
インタビュー記事 インタビュアー/市丸博司(2008/9)
「服助」と「実況服助PRO」の機能
前ページに掲載した画面6-5は、データ登録後にオッズも取得した状態での画面例。オッズの取得は、出馬表を表示した状態で[ファイル]−[オッズ取得](または画面上部のボタン)から行える。
また、5ページの画面5-1には予想の例を掲載したが、先述の通り「服助」の予想はオッズをもとに行っている。そのため、予想を表示する際はまずオッズの取得を行い、その後[オプション]−[予想](または画面上部のボタン)で予想を表示するという手順になる。
出馬表上でマウスを左クリックすると、各種別のオッズを表示できる(画面7-1)。上部のタブで、馬連や3連単などに切り替えることが可能だ。また、右クリックでは各馬の詳細データを表示することもできる。画面7-2は「詳細表示」画面の[過去成績]タブを表示した例。[他馬との対戦成績]にチェックを入れると、今回の出走馬のうち過去に対戦のある馬についての成績も表示され、対戦成績が把握しやすい。また、血統などの基本情報、そして条件別成績、さらに出走馬の持ちタイム比較などの情報を閲覧することも可能だ。
ほかにも「服助」には、「チェック項目登録」機能や、勝負服による三択クイズ、そして各レースの出馬表や全出走馬の一覧印刷機能などが搭載されている。インストールやデータの登録などは簡単、かつ短時間で終了するので、皆さんご自身のプリンタを利用して印刷まで試してみてはいかがだろうか。
[画面7-1]出馬表の左クリック(「服助」の場合)で表示されるオッズ一覧。配当によって見やすく色分けがされている。画面は単複枠の例で、上のタブで馬連や3連単などに切り替えられる。
[画面7-2]「詳細表示」画面の「過去成績」タブの内容。ほかに血統や馬主などの基本情報や条件別成績などといったデータが表示可能だ。
ここまで「服助」を中心に紹介してきたが、「実況服助PRO」はいくつか操作が異なる部分がある。たとえば「服助」では、出馬表の左クリックでオッズが表示されるが、「実況服助PRO」は「詳細表示」になるといった点などである。「実況で利用する」という前提であれば、オッズより詳細表示の方が利用頻度は高そうなだけに、このあたりはさすがに細かな気配りがなされている、と言えるだろう。メイン画面右上のロゴの下に、マウスのクリックと機能の対応一覧が表示されているので、これを参考にしたい。
「服助」にあった「チェック」の替わりとして「実況服助PRO」でマウスに割り当てられているのが、右クリックの「騎手・服色の一時変更」だ(画面7-3)。騎手変更や「貸服」への変更、あるいは馬主の服色の変更などがあった際に即座に対応できる、「実況服助PRO」独自の機能である。
また、メイン画面(出馬表)も「服助」とは違い、勝負服のイラストが馬名の上に大きく表示されるとともに、併せて帽色も表示されるようになっている。同一馬主が複数の馬を出走させている場合、あるいは同一レースに似た勝負服が存在する場合などは帽色も重要で、これもやはり「より実況向き」と言えよう。なお、画面7-4はやはり「実況服助PRO」の独自機能で「左から右」表示に切り替えたもので、前ページ画面6-5とは違って1枠1番が左側となっている。
ほかにも、「実況服助PRO」では、お好みの馬名や騎手・勝負服を入力してオリジナル出馬表が作製できる「出馬表の枠だけ」の印刷、出走馬の勝負服を表示して馬名を読み上げる練習をする「馬名確認」、出走馬の「重賞勝利」一覧表示といった機能の追加、そして一部オプション設定の変更などが行われている。
[画面7-3]「騎手・服色の一時変更」画面。「実況服助PRO」では出馬表の右クリックに割り当てられており、即座に変更を反映することが可能だ。
[画面7-4]「実況服助PRO」で出馬表を通常の「右から左」から、「左から右」表示に変更した例。勝負服の表示位置や大きさなども、前ページ画面6-5の「服助」とは異なっている。