DataLab.(データラボ)第20回 服助、実況服助PRO
- 「服色のデータを集めるのには苦労しました」木下彰
- 昭和30年生まれ、長野県出身。オフコンの時代からシステム開発を担当。その後、自作の予想ソフト開発(非公開)などを経て、勝負服をイラスト表示する「服助」を公開。さらに溝渕氏の協力のもと、実況現場での利用にも耐える「実況服助PRO」を開発する。
- 「『服助』の存在を知りすぐに木下さんへ電話をしました」溝渕信
- 昭和38年生まれ、北海道出身。STVラジオのアシスタントディレクター、ディレクターを経て、現在は競馬中継の実況も担当する。実況デビューした頃に「服助」の存在を知り、木下氏とともに「実況服助PRO」を開発。
インタビュー記事 インタビュアー/市丸博司(2008/9)
勝負服のデータはレーシングプログラム頼み
市丸: 作者の皆さんにお話しを聞くと「自分が欲しいから作った」とおっしゃる方は多いですね。ただ、今までなかったものを作るとなると大変かと思いますが、どのあたりに苦労されましたか?
木下: まず「文字から絵を作る」という作業が大変でしたね。また、その「文字」もレーシングプログラムにしか掲載されていなかったので、馬主ごとに服色のデータを集めるのには苦労しました。ネットでいろいろな方から情報を頂いたりして。
市丸: 最初に公開されたのは……。
木下: 第4回の競馬ソフトのコンテストで佳作を頂いたのですが、その1年くらい前になります。ちょっと年代までは思い出せないのですけれど。
市丸: 勝負服のデータで、どうしてもわからないものとかはありませんでしたか?
木下: ありました。そういうのは勝負服のデータを空白で出していたのです。それで「それを見てわかる人がいらっしゃったら教えてください」と(笑)。
市丸: あの、なんと言いますか「漢字の羅列」さえあればすべてわかるのですか?
木下: はい、わかります。ただ、新しい馬主さんがいたりとか、そういった場合はやはりレーシングプログラムを見ないと情報がないので……。
市丸: それで、空白になっている馬がいたりすると、ユーザさんから教えて頂いたりしていたわけですね。
木下: その頃に溝渕さんから電話が……。
溝渕: 嫌な電話が……(笑)。
市丸: 初めて連絡を取られたのはいつ頃になりますか?
溝渕: 90年代ですね。104で調べたんですよ(笑)。
木下: メールアドレスって載ってませんでしたっけ?
溝渕: ホームページとかない時代でしたから。
市丸: 「服助」に話は戻りますが、開発される上で、それまでのソフト開発で培ってきたものが……。
木下: まるっきりないです(笑)。グラフィック関係にはまったく関わってなかったものですから。
市丸: そこから「服助」を作るのも大変だったでしょうが、なにか「勝負服を極めたい」という情熱とか?
木下: 極めたいってほどじゃないですけれど、こういったソフトがなかったので、G1だけではなく全レースで見られたらいいなあ、と。
市丸: テレビを見て、すぐにあれはどの馬だとわかるように、ですね。