競馬予想・競馬情報ならJRA-VAN

馬券購入に役立つオッズ情報や競馬情報をはじめ、競馬データによる競馬予想の楽しさをご紹介。

DataLab.(データラボ)第7回 時系列オッズViewer for JRA-VAN Data Lab. など

「ソフトが完成したときの達成感は、なにものにも替えがたいものがあります」 小池利明(Tosh)
写真[小池利明氏]
栃木県出身。PCが一般に普及する以前から競馬ソフト、ツール開発を手がけ、現在に至るまで非常に数多くのソフトを公開。自身の発想によるツールのほか、ネット上などで知り合った他の競馬ファンの発想、ロジックをもとにしたソフト開発も多く行っている。

インタビュー記事 インタビュアー/市丸博司(2007/8)

第三の馬 for JRA-VAN Data Lab.

「A馬はB馬に勝ったことがあり、B馬はC馬に勝ったことがある。ではA馬とC馬が対戦したら?」。条件や状態面などを無視すれば「A馬が勝つ」という答えにたどり着くだろう。この場合の「B馬」は「物差し馬」などと呼ばれるが、これが考案者のKante氏の言うところの「第三の馬」。直接対決の経験がない2頭の馬の能力を、「第三の馬」を介して比較してみよう、というソフトが「第三の馬 for JRA-VAN Data Lab.」だ。

 競馬雑誌や新聞、そして一部のソフトでは「対戦表」が掲載されたり、表示する機能を持っているものもあるが、あくまでそのレースに出走する馬同士の比較まで。この「第三の馬」を利用すれば、間接的な能力比較が可能になる。また、「第三の馬」は特定の1頭だけではなく、複数の馬が対象になるため、より詳細な分析が行えるのだ。

 画面(上)は4ページの的中実績にもあるように、万馬券を的中した8月25日の新潟3レースの例で、「Pt勝率」順に表示している。「勝数」や「勝ポイント」などはそれぞれ成績を比較した結果を示しており、それらをトータルしたのがこの「Pt勝率」。デフォルト設定の状態で「買い目」タブで表示される買い目は、この「Pt勝率」をもとにしたものである。このレースの場合は、5番人気1着のマロウブルーが「Pt勝率」では1位、1番人気2着のノムクルーズが2位、そして11番人気で「Pt勝率」5位のオートスピリットが3着に食い込み、高配当となった。

「Pt勝率」のもととなる比較については「2頭比較」「比較詳細表」「比較勝敗表」(画面下)で確認可能である。試用中に表示できる第3レースまではキャリアの浅い馬が多い未勝利戦が中心のため、ややサンプルが少ない感もあるが、古馬のレースになればより多くの対戦結果を利用した分析が可能だろう。

 なお、4ページに掲載した「買い目」タブに表示する買い目の選定方法は、[ユーザー指定]→[買い目設定]で変更が可能だ。デフォルトの「Pt勝率」のほか、「勝率」や「単人気」など複数の項目、順位を設定できるので、使い込んでなにか「コツ」が掴めたら、このあたりを変更してゆくとさらなる高配当の的中や、高回収率も期待できそうだ。

8月25日の新潟2レースを「pt勝率」順に並び替えて表示した例。単勝16.8倍で1着のマロウブルーが1位になっているだけでも素晴らしいが、140.9倍で3着に入ったオートスピリットがなんと5位で、3連複1万8690円の的中だ。

リーグ戦の「対戦表」にも似た「比較勝敗表」の例。「○」は横軸の馬が縦軸の馬に対して優位であることを示している。この画面で「○」が5つある10番は1番人気2着のノムクルーズで、他の要素も加味する「pt勝率」では2位である。

時系列オッズViewer for JRA-VAN Data Lab.

 最後に紹介するのは、発案から作成まで小池氏が自ら行った「時系列オッズViewer for JRA-VAN Data Lab.」。その名の通り、「時系列オッズ」データの表示を中心としたソフトである。JRA-VAN Data Lab.で提供される時系列オッズは、単複、枠連、そして馬連。これらのデータを表やグラフで表示するほか、このソフトで取得したオッズデータを他のソフトで取り込んで利用することも可能だ。

 下の画面は、9月2日の小倉2歳Sについて、単勝オッズを表形式(上)、折れ線グラフ形式(下)で表示したものである。グラフ形式([オッズ閲覧タブ]→[グラフ]→[単勝オッズグラフ])を見ると、投票総数の少ない早い時間帯は非常に変動が激しく、その後はしばらく落ち着き、またレース直前になって変動していることがよくわかる。また、表形式([オッズ表]→[単勝])では、レースの30分くらい前から急激に投票総数が伸びていることがわかり、直前のレースが終了してから締め切りまでに倍増している。画面を上にスクロールすれば、投票受付開始当初の推移も表示可能だ。

 ほかにも、馬連オッズから単勝オッズを推定する「疑似単勝オッズ」表示機能や、オッズの人気順表示機能、結果表示などといった機能も用意されているが、基本的には「時系列オッズ」を表示するために特化している。そのため、操作が非常にわかりやすいのが特徴だ。

 なお、画面上部にある「クリップボードへコピー」ボタンからは、オッズや出馬表の情報を表計算ソフトなどに貼り付けて再利用できる。他のソフトでも一部の画面で右クリックなどからコピー&ペーストが可能なので、ご自身でさらに詳しくデータを分析したい、という方には便利だ。

9月2日の小倉2歳Sにおける単勝オッズの推移表。締め切り直前は得票数が非常に多くなっており、ちょっとした「大口」程度ではオッズは動かないものだが、それでもかなりの変動が見られる。

小倉2歳Sの単勝オッズグラフ。このレースは12頭立てで全馬を表示してもさほど問題はないが、多頭数でグラフが見づらい場合は、右の「馬番」欄にあるラジオボタンで馬ごとに表示すると推移が見やすくなる。

このソフトのダウンロードはこちら!

jikeiretuodds時系列オッズViewer for JRA-VAN Data Lab

競馬ソフト作者インタビュー

製品情報

  • JRA-VAN ネクスト
  • JRA-VAN データラボ
  • JRA-VAN TRY
  • JRA-VAN スマホアプリ

オプション

  • JRAレーシングビュアー