DataLab.(データラボ)第7回 時系列オッズViewer for JRA-VAN Data Lab. など
- 「ソフトが完成したときの達成感は、なにものにも替えがたいものがあります」 小池利明(Tosh)
- 栃木県出身。PCが一般に普及する以前から競馬ソフト、ツール開発を手がけ、現在に至るまで非常に数多くのソフトを公開。自身の発想によるツールのほか、ネット上などで知り合った他の競馬ファンの発想、ロジックをもとにしたソフト開発も多く行っている。
インタビュー記事 インタビュアー/市丸博司(2007/8)
インストールからデータの登録まで
今回紹介する5本のソフトは、インストール時の操作やデータ登録方法がほぼ同じになっている。ソフトをダウンロードし、実行するとインストーラーが起動するので、インストール先を指定して指示に従ってゆくのみである。デフォルトのCドライブにインストールする場合は、特に設定を変更する必要はなく、非常に簡単に終了する。
起動後は、まず[JVデータ取得]ボタンからJRA-VANのデータを取得する。画面例(上)は「伊藤式インサイダーオッズ投資法」のものだが、他のソフトもすべて画面左上に同じボタンがあるので、一度使えば他のソフトでもほぼ同じ操作になる。
データの登録画面は「蓄積系」か「非蓄積系」かなどによって若干異なっている。画面例(下)は蓄積系の「第三の馬」で、初回登録時は[セットアップデータ]を選択し、下の取得開始日付を設定した上で、過去のデータを登録してゆく(デフォルトでは2年分が登録される)。「非蓄積系」の場合はソフトによって[通常データ]と[今週開催データ]に分かれるもの、特に選択する必要がないものがある。
「伊藤式インサイダーオッズ投資法」の初期画面。最初にまず「JVデータ取得」ボタンからJRA-VANのデータを取得するのは、各ソフトとも共通だ。
「蓄積系」ソフトである「第三の馬」のデータ登録画面。ほかに「時系列オッズViewer」にも[通常データ]と[セットアップデータ]の区分があり、この2本ではまず[セットアップデータ]を登録する。
伊藤式インサイダーオッズ投資法 for JRA-VAN Data Lab.
ここからは5本についてそれぞれ、使い方を解説してゆきたい。これまでの連載では基本的に1回につきソフト1本で扱ってきたため、今回は通常より説明が簡単になってしまうが、各ソフトともわかりやすいヘルプが同梱されているので、そちらも併せて参照していただきたい。
まず最初に紹介するのは伊藤比呂樹氏考案の「伊藤式インサイダーオッズ投資法 for JRA-VAN Data Lab.」。単複、特に複勝オッズをもとに馬連やワイドの軸馬を選定する、というものだ。参考になる複勝オッズは直前のものではなく、レース施行日の午前9時台のオッズというのも特徴的だ。ソフトを起動しておけば自動的に速報オッズが取得されるので、「午前中は外出している」というような場合でも問題なく利用できるのが嬉しい。もちろん手動でのオッズ取得も可能である。
朝のオッズや直前のオッズ、そして成績などは自動的に取得される。画面は1回目の取得を9時45分、最新オッズ取得を30分前に設定して一日中起動していた例。提供されるオッズは完全なリアルタイムではないため、「1回目時刻」と「取得済時刻」に多少の前後がある。
出馬表の表示は、まず画面左で開催日を指定し、続いてレースを選択する。「F」ボタンでこのレース選択部分は消すことが可能で、解像度の低いPCを利用していても広く画面を使うことが可能だ。このあたりのソフトは他のソフトにも共通しているので、覚えておきたい。
オッズを取得した状態で出馬表を表示すると、オッズに応じて出馬表上の「レース判定」欄に「勝負」または「見送り」と表示される。「勝負」は軸馬候補馬が居るレース、「見送り」は存在しないレースとなる(画面上)。さらに、「勝負」と表示されたレースについて[買い目]タブを開くと、馬連やワイドのオッズをもとにもう一度「勝負」「見送り」が判定される仕組みだ(画面下)。
二重の判断になっているのは、複勝オッズなどの評価からは軸馬候補となり得ても、実際に購入する馬連やワイドの「買い目」が低配当ばかりでは高回収率が期待できないため。ヘルプによると、そのレースの購入金額の約3倍以上の回収が期待できないレースは「見送り」になるとのことだ。「重賞だけ」とか「とにかく全レース」といった買い方ではなく、しっかりと回収が期待できそうなレースに絞り、腰を落ち着けて買いたい人向き、と言えるだろう。
9月1日の札幌9レース、HTB賞の出馬表で、右上にある通り朝のオッズ取得は9時40分。4番ユキノマーメイドが「AA」でレース判定は「勝負」となっている。
同じHTB賞で「買い目」タブを表示した例。回収率が基準となる300%に満たないため、買い目としてのレース判定は「見送り」である。9月1、2日の2日間においては、試用期間中にも表示できる12頭立て以下のレースで「勝負」となるレースは残念ながら存在しなかった。シェアウェア登録(6615円)後に表示可能になる13頭立て以上の多頭数なら、オッズが割れて300%をクリアしてくるレースが多そうだ。
「J-1++ for JRA-VAN Data Lab.」と「RT6 for JRA-VAN Data Lab.」