DataLab.(データラボ)第3回 複勝・3連複連動理論
- 「ソフトを作ってくれる人がもっと増えると嬉しいですね」高橋正視
- 新潟県出身、競馬歴約40年。コンピュータとのつきあいは、パソコンが登場するはるか前、大型計算機の時代から。ソフト開発のきっかけは「馬券を当てるため」ではなく、テストを採点する理論を検証するために競馬のデータを利用したことからという、競馬ソフト作者としては少々珍しいタイプの61歳。
インタビュー記事 インタビュアー/市丸博司(2007/5)
多様なオッズ表示、分析機能
本ソフトの中心を担うのは、前ページで解説した複勝オッズによる3連複予想だが、ほかにも「3連複構成比」の表示に代表されるような様々な機能を持っている。そんな中から、いくつかの機能をここでは紹介したい。
前ページの「単勝・複勝・3連複オッズ」画面右上にある[3連複オッズ軸2頭]を表示したのが下の画面だ。この例では7番ベッラレイアと18番ザレマを軸2頭に指定しており、軸2頭の3連複は画面右に表示されている。さらに、画面左側にベッラレイアを軸とした馬連とワイド、中央にはザレマを軸とした馬連とワイドのオッズも表示される。単に3連複のオッズを表示するのではなく、馬連やワイドのオッズと比較、検討できるのだ。
「3連複軸2頭」のオッズ画面。馬連やワイドのオッズと比較、検討できるのがポイントだ。3連複の相手の人気や頭数によっては、ワイドの方が良い場合もあるだろう。
続いて、下の画面は「出馬表(オッズ)」画面」から[馬連・ワイド・馬単]を表示したもの。画面左の馬名をクリックすると馬ごとの各オッズが表示される仕組みで、画面は18番ザレマを選択した例である。
左からワイド、馬連、馬単の順で、ワイドと馬連の間には「馬連÷ワイド下限」の値も表示されている。説明書によると、過去のデータを分析するとこの値が2.8以下の場合はワイドを購入し続けた方が回収率が良くなるそうだ。
また、馬連や馬単オッズの隣にある数字は資金配分の参考情報である。馬単の隣に「67」「33」といった数字のある馬が相手なら、表の組み合わせに67%、裏の組み合わせに33%と分配すれば、馬連を1点で購入するよりも配当が良いことを示している。逆に、馬連の隣に「100」とある馬が相手なら、馬単の表裏を買うよりも、馬連を購入した方が良いことを意味する。
馬別の「馬連・ワイド・馬単」オッズ画面。馬連を購入した方が良いのか、それとも馬単の表と裏の方が良いのか、といった資金分配の参考になる。
そしてもうひとつ、「馬連オッズ時系列」画面も紹介しよう。こちらはオークス前日の立夏Sの例で、勝ったアドマイヤスバルと2着ユノナゲットの組み合わせ「2−15」の欄を見ると、2時間前の57.6倍から大きな動きなく推移していたのが、5分前から直前までの間に大きくオッズを下げているのがわかる。このレースの場合は他の組み合わせも高配当を中心にオッズが下がっているものが多いが、多くのレースを分析すればなにか傾向がわかる可能性もありそうだ。この時系列オッズは馬連のほか、単勝、複勝、枠連についても表示できる。なお、こういったオッズ画面にある[投票]ボタンをクリックするとIPAT投票画面が開くので、オッズを参考にしながら投票することが可能である。
「馬連オッズ時系列」画面。単勝や複勝のみならず、枠連、馬連の時系列オッズも表示できる。枠連や馬連のオッズ変化はあまり研究されていない分野だけに、なにか必勝法が編み出せるかも?
ここまでオッズの表示機能を中心に紹介したが、競走馬や騎手、調教師のデータ、各レースの競走成績と払戻金、さらには「データマイニング予想」など、この「複勝・3連複連動理論」は様々な情報が表示可能である。ここではそのすべてを紹介しきれないので、詳しくはソフト付属の説明書も併せてご覧頂きたい(インストール先のフォルダに保存される)。複勝オッズをもとにした予想が大いに参考になるのはもちろん、「予想は自分でしたい!」という人にとっても大変便利な、使い応えのあるソフトだ。