ピーター・フランクルの勝ち組の方程式U
シンドバットの魔法の数値「0.37」
※このページは、弊社が配布する広報冊子に掲載した記事を、ピーター・フランクル氏のご厚意によりご紹介しています。
出馬表を穴の開くほど見つめてデータを吟味している競馬ファンのみなさん。データを比較すればするほど迷ってしまって馬券の点数が絞れず、結局、締切り時間が迫って無理して買ってしまった経験はありませんか。何とか効率よく強い馬を1頭だけ見つける方法はないものか。多くの競馬ファンが思い描く命題です。

じつは数学の世界にも、少し状況は異なりますが、確率の問題の中にこれとよく似た「シンドバッドの花嫁選び」に例えられる有名な命題があります。

「千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)」に登場する船乗りシンドバッドは、ある航海で立ち寄った国の王様を助けたことが縁で、王のハーレムから1人を花嫁として譲り受けることになりました。しかし、花嫁選びにはルールがあります。これから目の前に順番に姿を見せる女性に対して、その場で花嫁にするかどうかを決めなければならないのです。いったん目の前を通り過ぎてしまった女性には、もう後から求婚することは許されませんし、だれかに求婚してしまうとそこでゲームセット、残りの女性には会えません。

シンドバッドの身になれば非常に悩ましい問題ですが、確率を計算すれば、最良の女性を花嫁に選ぶ方法が見つかります。

ハーレムの女性の数が、例えば100人だったとすれば、まず37人の女性を品定めして(求婚は見送ります)、その中で最良だった女性を基準とします。そして38人目以降に姿を見せる女性の中で、その基準を上回る最初の女性を選ぶのが、最良の女性選びの正解となります。

この100人に対しての37という数値(37%)は、確率の世界では頻繁に登場する重要な数値です(専門的に表現すると、「1÷自然対数の底(e≒2.71828)」で算出される数値)。

この37%を見送る方法を知っていれば、出馬表やパドックで最良の1頭を見つける方法にも応用できそうなことがわかります(表参照)。ただし、ここで重要なのは、目の前を通る馬の順番は自分の作為で決めてはいけない。見送った馬は後から選びなおさない。この2つのルールをしっかり守ることが大切です。

なお、この法則を使ったことによって生じるいかなる結果も、数学者は一切の責任も負いませんので悪しからず。

※残りの63%の中に37%内の最高を上回るものがないケースも考えられます。すべての馬を吟味する時間的余裕があるのなら、もちろんすべて見た中での最高の馬を選ぶべきでしょう。

出走頭数ごとの見送り頭数
出走頭数
見送り頭数
6〜7
2頭
8〜9
3頭
10〜12
4頭
13〜15
5頭
16〜17
6頭
18
7頭
   
全体の37%が整数にならない場合は、見送りの数は単純に四捨五入や切り上げ切り捨てでは求められません。


大道芸人という肩書きを持つハンガリー生まれの数学者。1971年国際数学オリンピック金メダリスト。11ヶ国語を話し、1988年より日本に在住。
 
競馬DE頭の体操

18頭の馬がいて、それぞれの馬には1から18までの番号がふられています。この18頭を3両の車輌に6頭ずつ乗せて運搬しなければなりません。

運搬の際には、2つの条件があります。車輌に乗った馬の番号の合計が3両とも同じになること、そして、隣り合った番号の馬は同じ車輌に乗せられないこと、です。

さて、どうすると18頭の馬を運搬できるでしょうか。3両の車輌に乗せる馬の組み合わせを考えてください。

また、同じ条件で6両の車輌に3頭ずつ乗せて運搬することはできますか?
馬の番号の合計が1両あたりいくつだとよいのかを考えてみましょう。

正解はこちら