ピーター・フランクルの勝ち組の方程式V
※このページは、弊社が配布する広報冊子に掲載した記事を、ピーター・フランクル氏のご厚意によりご紹介しています。
ゲーム理論でオッズを読み解く
競馬のオッズが人気で決まり、実際の勝率とは別ものであることは皆さんご存じの通りです。そこで今回は、「ゲーム理論」を使ってオッズと勝率の関係を解き明かしていきましょう。

ゲーム理論は、特定のルールに従って複数の人が行動する中で、最善の戦略は何かを探るための理論です。公正なゲームの場合、参加者全員が最善の戦略をとると、全員がほぼ同じ確率で勝てるチャンスを得ます。この、ゲーム参加者の勝率の均衡状態は、発見者の名前をとって「ナッシュ均衡」と呼ばれています。

さて、ナッシュ均衡を競馬で考えてみると、勝率の高い馬には多く、勝率の低い馬には少なく、勝率に応じた金額を賭ける、ということになります。そうすることで、儲かる確率は最大になるのです。

しかし、先にも述べた通り、人気の馬=勝率が高い馬、とは言いきれません。すなわち、大多数の人の馬券選びは、ナッシュ均衡になっていないのです。これは、後から賭ける人間には、儲かる確率をより高くするチャンスがある、ということです。

ここでは、話を簡単にするために、単勝馬券を例にして考えましょう。2004年までの有馬記念過去19年間の単勝人気上位馬の勝率をJRA-VANデータで集計し、2005年有馬記念のオッズを重ねてみると表1になります。勝率とオッズを掛け合わせれば、賭けの期待値を算出することができますから、競馬の場合、期待値はちょうど75であればナッシュ均衡で、期待値が100を超えると有利な賭け、100を下回ると不利な賭けになります。

4番人気馬が圧倒的に有利な賭けになることがわかります。言うまでもなく、昨年の4番人気馬はハーツクライ。これがゲーム理論を応用して、オッズと勝率のバランスがよい馬券を見つける方法なのです。

参考までに、表2は昨年1年間の全レースでの、人気上位馬の勝率です。オッズが何倍を超えていれば有利なのかは、計算で簡単に割り出すことができます。

ただし、より正確な期待値を算出するには、誤差の少ない勝率を把握しておく必要があります。そのためには、過去20年分の競馬データを簡単に集計できる、JRA-VAN Data Lab.(データ・ラボ)をフル活用するなどして、自分なりに研究を重ねる必要があるのは間違いありません。

ピーター・フランクル
大道芸人という肩書きを持つハンガリー生まれの数学者。1971年国際数学オリンピック金メダリスト。11ヶ国語を話し、1988年より日本に在住。

表1 ゲーム理論で見た有馬記念
人気
勝率
05年オッズ
期待値
1
31.6%
1.3
31.6×1.3=41.08
2
10.5%
6.8
10.5×6.8=71.4
3
5.3%
11.5
5.3×11.5=60.95
4
31.6%
17.1
31.6×17.1=540.36
5
0%
19.7
0×19.7=0
集計期間:1986〜2004年の有馬記念全19レース  
  表2 '05年上位人気馬のナッシュ均衡値
人気
勝率
オッズの有利不利の境目
1
33.7%
3.0
2
18.8%
5.4
3
14.0%
7.2
4
9.2%
10.9
5
6.7%
15.0
集計期間:2005年1〜12月の全3,450レース  
勝率は、集計対象レースの中で、該当人気番の馬が1着になったレースの比率

競馬DE頭の体操

円形に並んで立つ8本の柱の間に、1〜8までの番号が振られた馬をつないでおく必要があります。しかしこのままでは、どの馬をどの場所につなげばいいのかわかりません。

今、あなたの手元には0〜8までの数字が書かれた9枚の紙があります。その中から8枚を選んで、柱に貼ってください。両脇の柱に貼られた数字の差が、そこにつないでおく馬の番号になります。

さて、すべての馬が無事に柱の間につながれるようにするには、柱に貼る紙の数字はどんな組み合わせになっていればよいでしょうか?
 
ヒント番号の大きい馬から順に、つなぐ場所を考えてみましょう