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セレクトセール 2014総括



近年の「セレクトセール」の傾向を大まかに分けると「売却率」の1歳セクションであり、「最高額」の当歳セクションといった結果が数字にも表れていた。

ところが今年は売却率(1歳セクション84.3%、当歳セクション85.9%)、最高額(1歳セクション…リッスンの2013(牡)の2億6000万円、当歳セクション…アゼリの2014(牡)の2億5000万円)と、僅差ながら逆転現象が起こっていた。

まずは1歳セクション。昨年はセレクトセールの1歳セクション史上、最高の売却率(87.9%)を記録。売り上げ総額も61億6070万円と、こちらも1歳セクション史上のレコードとなった。それまでのセレクトセールは、当歳セクションが中心、というよりも、生まれて間もない良血馬たちを、我先にと選び取っていくようなセールでもあった。

しかし近年は、セリに上場される1歳馬の飼養管理の向上、またイヤリングにおけるセリ馴致のレベルアップが上場馬の質をあげ、また1歳までセリの目玉となるような良血馬たちを、各牧場側も送り出すようになっていく。バイヤー側もそれに反応し、当歳馬よりデビューまでの時間が短い1歳馬を、好んで購入していくバイヤーも増えて行った。

こうしたセレクトセールの変化を、好ましく受け入れたのが海外のバイヤーである。海外の市場は1歳セリがほとんどであり、日本生産馬の海外における優れたパフォーマンスや、サンデーサイレンス産駒、またその血を引く種牡馬の産駒などで気になる馬がいたとしても、当歳セクションしか行われていないということで二の足を踏んでいた。それが1歳セクションが復活された2006年以降は、進んでセリに参加してくるようになってくる。

その証明と言えるのが、1歳セクションのカテゴリーではなく、今年のセレクトセールの最高額馬となったリッスンの2013。購買者となったのはカタールのファハド殿下の代理人となるDavid Redvers氏。David Redvers氏は記者会見で、

「カタログで精査した中で、どうしても欲しいと思ったのがこの馬」

と話しており、競り合いとなった場合には更に評価を上げたことを認めている。

勿論、日本人バイヤーもこれまでの当歳セクションから、1歳セクションでも馬を購入していくという流れが出来上がってきたことで、牧場での事前下見にも進んで参加するなど、これまでとは違った観点で馬を選ぶという楽しみを見いだすようになってきた。今回は当歳セクションに逆転を許したが、今後も80%を優に超えるような高い売却率のセールが行われていくことは容易に想像ができ、そこで生まれる活発な競り合いは、更に価格の上昇へと繋がっていきそうだ。

一方、最高額で逆転を許した形となった当歳セクションだが、売却率では過去最高(2005年の80.1%)を超える85.9%を記録。昨年が75.5%とだったということからしても、大幅なポイントアップということになる。

これには様々な要因が考えられるが、名簿が完成した段階で、より購買意欲をそそられる上場馬が揃っていたということに尽きるのだろう。その他に数ポイントでも売却率を上げた可能性があるとするならば、1歳セクションにおける売却率の高さが、「馬を買えなかったバイヤー」を作り出し、世代の壁を越えて当歳セクションに流れたという仮説も、この売却率を見ると真実味を帯びてくる。

当歳セクションで最も話題性を集めるのは新種牡馬の産駒たち。その中でもルーラーシップは11頭が上場されて、うち10頭が売却。ディープブリランテは9頭の上場で6頭売却、タートルボウルも6頭の上場で5頭が売却と、売却率の向上に貢献していた。

また最高額馬は1歳セクション、当歳セクション共にディープインパクト産駒であったが、今年の当歳セクションでは、ハーツクライ産駒のピラミマの2014(牡)が1億5500万円、ステイゴールド産駒のターフローズの2014(牡)が1億4000万円とサンデーサイレンス系種牡馬の2頭が、これまで市場取引された産駒では最高額となる評価を与えられた。

ハーツクライはセレクトセール出身馬であるジャスタウェイや、今年のクラシックホースの2頭(ワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルト)の活躍によるところが大きいのだろう。ステイゴールドも近年は産駒の活躍により、配合される牝馬のレベルが一気に高くなったことが、産駒価格にも反映された。ターフローズの2014もまた、半兄は今年のスプリングSの勝ち馬ロサギガンティアとなる。

しかもハーツクライは1歳セクションの上場馬9頭、そして当歳セクションでも17頭全てが売却。ステイゴールドも1歳セクションの上場馬9頭、当歳セクションでも13頭全てが売却と、素晴らしい売れ行きを示した。

勿論、2頭ともディープインパクト産駒の売却頭数には及ばないものの、1歳、当歳共に100%の売却率は、ディープインパクト産駒でもなし得なかったこと。今後、率先してハーツクライ産駒やステイゴールドの産駒を購入していくという流れが出来あがり、しかも今回のような評価がされていくようだと、更に売却率の高さは顕著なものとなっていくはず。従来、セレクトセールの柱となる種牡馬はディープインパクトであったが、今後、ハーツクライ、ステイゴールドを合わせた「トップ3」が形成されたと言っていい。

売却率でいうのなら、これら「トップ3」の種牡馬だけでなく、来年は日本、そして海外でも知名度の高いオルフェーヴル、ロードカナロアのファーストクロップも上場される。現時点における生産地での評価の高さからしても、現在のトップサイアーに匹敵する、良質の繁殖牝馬が配合されていることは想像に難くなく、ブラックタイプだけをとっても、バイヤーの購買意欲をよりそそるに違いない。

こうした様々なプラス要素は、来年の当歳セクションにおける、売却率の底上げにも繋がっていく。当歳セクションが「最高額」から「売却率」と見方を変えるきっかけとなったのは、今年からだと後々に言われていきそうだ。

とはいえ、ディープインパクトの中央G1レースを席巻するような産駒の活躍や、種牡馬候補が次々と生まれてくるステイゴールド、そして世界にその名を知らしめているハーツクライが、ジャスタウェイを中心に更にネームヴァリューを高めていくようだと、1歳セクション、当歳セクション共に高額馬が出てくるのは必然ともなっていく。また近年は、これら種牡馬の産駒から、後継種牡馬となる取引馬が誕生していることからも、その未来を見越しての価格も上乗せされることすらあり得る。

来年のセレクトセール、もし、ここに総評を記すことができるのなら、

「1歳セクション、当歳セクションの区分無く、「最高額」と「売却率」の双方でハイアベレージの市場が行われた」

との書き出しで始められそうだと、今から予言させていただく。


※取引価格は全て税抜き

ライタープロフィール

村本浩平(競馬ライター)

北海道在住の“馬産地ライター”として、豊富な取材をもとに各種競馬雑誌で活躍中。

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