セレクションセール 2014総括|せり特集|競馬情報ならJRA-VAN

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セレクションセール 2014総括


アルカイックレディの2013(牡、父ハーツクライ)

総売上額の18億5295万6000円は、前年(2013年)と比べて1億0082万1000円の増。売却頭数も前年と比べて11頭の増。その一方で売却率は前年(63.84%)から微減の62.09%。そして1頭辺りの平均価格も、前年(1225万2692円)から、こちらも微減の1203万2182円となった、今年のセレクションセール。総売上額と平均価格に関しては、今年4月からの消費税率の変更もあるため、その数字にはまだ開きが出てくることにもなる。

ただ、売却率の低下は、事前に予想されていたことだった。セール終了後の記者会見で木村貢市場長が話していたとおり、今年のセレクションセールは売却頭数の増加を、市場の最大目標としたことにより、上場頭数は24頭の増加。その上「日高の市場」としての特徴を持たせる意味で、JBBA静内種馬場で繋養されているエンパイアメーカーの産駒を、このセールでは最多となる28頭を上場(昨年より6頭増)。産駒がG1レースで活躍し、北米ではリーディングサイアーを沸かす成績を残しているように、エンパイアメーカーの評価が著しく高い海外のバイヤーをセリで招きいれ、「日本産のエンパイアメーカー産駒」の流通に努めたという背景があるからだ。

しかし、エンパイアメーカー産駒は16頭の売却に終わり、期待されたほどの販売実績を残すことはできなかった。海外のバイヤーの中には、エンパイアメーカー産駒のセリに参加こそしていたものの、1頭も落札することはできず、結果としてエンパイアメーカー自体の売却率は57.14%と、セール全体の売却率を僅かながら下回った。

だが、これは海外のバイヤーにとって、上場馬のブラックタイプ、特に牝馬の血統に馴染みの薄かったことも関係しているのだろう。このセレクションセールに上場された、13年生まれのエンパイアメーカー産駒は177頭が誕生しており、上場馬も血統、産駒共にバラエティに富んだ産駒構成となったが、それが市場で産駒を選び取る際に、エンパイアメーカー自体の評価をおぼろげにしてしまったのではないかという気もしてくる。

しかし、HBA(日高軽種馬農業協同組合)の定期市場の核でもあり、そしてセレクションセールと名のついているように、血統、馬体と選抜された市場であるからこそ、こういった試みは評価されるべきであろう。海外のバイヤーの落札には繋がらず、売却率でも思ったような結果が残せなかったが、国内外共に「エンパイアメーカー産駒が多数上場されるセール」との認知度を高めることには繋がった。

日本産のエンパイアメーカー産駒は、今年デビューし、中央競馬では勝ち鞍をあげる産駒も出てきている。来年のセレクションセールといったHBAの定期市場までに、産駒がG1レースを沸かせるような活躍を見せているようだと、これまで以上に産駒の評価は高まるだけでなく、日本産馬が世界の競馬を沸かしている時代背景を考えると、海外バイヤーからは馴染みの薄かった「日本の牝系」とのマッチングが評価され、来年こそエンパイアメーカー産駒の購買者の欄に、外国人バイヤーの名前が並ぶことも考えられる。

今後、セレクションセールとして上場馬を選抜する際に、エンパイアメーカー産駒に関しては、ブラックタイプで海外のバイヤーから評価をしてもらえるような血統馬を優先するということも必要になってくるのかもしれない。今年の試みに関しては肯定的な意見を述べさせていただきたいし、来年、もしこういった取り組みがあれば、選抜の方法や上場頭数を含めて、今年とは違った方法論が反映されていることを期待したい。

テスコボーイ、トウショウボーイなど、日高地区で繋養され、そして優れた産駒成績を残した種牡馬は、産駒の活発な取引を通じて市場の活性化も作り出してきた。現在、日高地区でリーディングサイアー上位にランキングされる種牡馬は少なくなってきた中で、エンパイアメーカーに代表される、日本で繋養される世界基準の種牡馬たちが、国内だけでなく、世界にも評価されるような活躍を見せた時に、「セレクションセール」の名前もまた、世界基準へと近づいていくはず。

その意味でジャスタウェイの活躍により「世界基準」の評価を得ただけでなく、牡馬、牝馬の双方でクラシック馬2頭を送り出すなど、「国内基準」でも高評価を得たハーツクライ産駒が、軒並み高評価を受けたことが印象に残った。このセールの最高価格馬で、4300万円(税抜)で取引されたアルカイックレディの2013(牡)など、14頭上場された産駒はうち、11頭が落札され、産駒一頭当たりの平均落札額もまた2052万9818円と56頭の上場種牡馬では首位となった。

やはりどれだけ「旬な種牡馬」を揃えられるかが、市場の活性化に大きな役割を果たすことが、端的に証明されたとも言える。今後、セレクションセールに続くHBAの定期市場では、サマーセール、そしてオータムセールが開催されていく。春先に行われたトレーニングセールでは活発な取引が繰り広げられ、セレクトセールで空前絶後と言える売却結果が出るなど、競走馬取引において、セリ市場の注目度と重要度はこれまでにない高まりを見せている。それだけにサマーセールには、セレクションセールが繋いだ「セリの盛り上がり」というバトンを携えるだけでなく、更にその勢いを加速する形で、オータムセールへと繋いで欲しい。

※各馬の落札価格は税別。

ライタープロフィール

村本浩平(競馬ライター)

北海道在住の“馬産地ライター”として、豊富な取材をもとに各種競馬雑誌で活躍中。

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