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第64回 安田記念特集 2014年6月8日(日)15時40分発走 東京競馬場 芝1600m

母父の重賞実績から主力視できるジャスタウェイ!

1)ヘイルトゥリーズン系が“やや”有利か

 ほぼすべてのGIで一定以上の成績を残しているサンデーサイレンス系だが、過去10年の安田記念における勝率や連対率は平均以下。そのサンデーサイレンスを経由しないヘイルトゥリーズン系が遥かに上回る成績をあげている。

 ただしこれはウオッカという傑出した存在と、2年連続で好走したスマイルジャック、ストロングリターン、以上3頭の活躍によるという面が大きい。一応は「ヘイルトゥリーズン系がいい」とはいえるが、飛び抜けて優秀とは断言できず、どこからでも買えるレースと考えるべきかも知れない。

父馬の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 3回 2回 2回
61頭
4.9%
8.2%
11.5%
その他のヘイルトゥリーズン系 3回 1回 2回
23頭
13.0%
17.4%
26.1%
ノーザンダンサー系 2回 4回 1回
47頭
4.3%
12.8%
14.9%
ナスルーラ系 1回 2回 0回
20頭
5.0%
15.0%
15.0%
ミスタープロスペクター系 1回 1回 5回
28頭
3.6%
7.1%
25.0%
その他の系統 0回 0回 0回
1頭
0.0%
33.3%
33.3%

【過去10年の連対馬の父と母父】

過去10年の連対馬の父と母父

2)母父にヘイルトゥリーズンが入ると切り?

 母父の系統別成績を見ると、種牡馬成績とは対照的にヘイルトゥリーズン系の不振が目立つ。2001年のブラックホーク(母父Silver Hawk)を最後に母父ヘイルトゥリーズン系の勝利はなく、また近年のトレンドである母父サンデーサイレンス系も10年間に20頭が挑んで未勝利だ。

母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 0回 1回 3回
20頭
0.0%
5.0%
20.0%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 1回
8頭
0.0%
0.0%
12.5%
ノーザンダンサー系 2回 4回 3回
66頭
3.0%
9.1%
13.6%
ナスルーラ系 3回 0回 1回
23頭
13.0%
13.0%
17.4%
ミスタープロスペクター系 2回 3回 0回
28頭
7.1%
17.9%
17.9%
その他の系統 3回 2回 2回
35頭
8.6%
14.3%
20.0%

 ナスルーラ系の成績が高いものの、これまたウオッカの2勝が効いているもの。ファイントップ系のサッカーボーイ、レイズアネイティヴ系のAlysheba、プリンスキロ系のMeadowlakeといった母父から勝ち馬が出ており、やはり「どこからでも買える」といわざるを得ない現状だ。

3)ノーザンダンサー型vs非ノーザンダンサー型の勢力争い

 過去10年の1〜3着馬26頭のうち、父ノーザンダンサー系が5頭、母父ノーザンダンサー系が9頭で、ノーザンダンサーの血を持つ馬が計14頭と半数以上を占めている。これらを「ノーザンダンサー型」と呼ぶとして、父・母父のどちらもノーザンダンサー系ではない「非ノーザンダンサー型」との成績に違いはあるだろうか。

血統タイプ 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ノーザンダンサー型 4回 8回 4回
105頭
3.8% 11.4% 15.2%
非ノーザンダンサー型 6回 2回 6回
75頭
8.0% 10.7% 18.7%

 勝率が低く2着の多いノーザンダンサー型に対し、勝ち切る非ノーザンダンサー型、というイメージだ。

 非ノーザンダンサー型から出た連対馬9頭にはウオッカとストロングリターンが含まれるので実質7頭。これらの血統を見ると、母父ナスルーラ系が2頭、母父その他の系統が3頭。残りは母父サンデーサイレンスのグランプリボスと母父ミスタープロスペクター系のストロングリターンだが、グランプリボスにはナスルーラのインブリードがあり、ストロングリターンもナスルーラの6×6。非ノーザンダンサー型は「ナスルーラ、またはマイナーな系統の支配力が強い馬がいい」と覚えておきたい。

4)スピード競馬にも2000mにも対応できる素養が必要

 優勝馬の父・母父について、1200〜1800m重賞における現役成績をまとめたのが下の表。格の高い短距離重賞を勝っている馬の多さがわかる。

馬名 父・母父の実績
ツルマルボーイ 母父サッカーボーイはマイルCS勝ち馬
アサクサデンエン 母父Machiavellianはサラマンドル賞勝ち馬
ブリッシュラック 父Royal AcademyはBCマイル勝ち馬
ダイワメジャー 父サンデーサイレンスはサンタアニタダービー勝ち馬/
母父ノーザンテーストはフォレ賞勝ち馬
ウオッカ 父タニノギムレットはNHKマイルC3着/
母父ルションはムーラン・ド・ロンシャン賞勝ち馬
ショウワモダン 父エアジハードは安田記念とマイルCS制覇
リアルインパクト 母父Meadowlakeはアーリントンワシントンフューチュリティ勝ち馬
ストロングリターン 母父Smart Strikeはダート1700mG1勝ち馬
ロードカナロア 父キングカメハメハはNHKマイルC勝ち馬/
母父Storm CatはヤングアメリカS勝ち馬

 ただし近年、勝ち馬の父としては、サンデーサイレンス(米BCクラシック)、タニノギムレット(日本ダービー)、ディープインパクト(皐月賞など)、シンボリクリスエス(天皇賞・秋など)、キングカメハメハ(日本ダービー)と、2000m以上のG1勝ち馬が増えている。ショウワモダンの父エアジハードにも天皇賞・秋の3着があって中距離適性も持つ馬だった。安田記念はスピードだけでは通用しないレースになっているともいえる。

5)配合に注目

 父馬と母父を、外国籍、輸入種牡馬、内国産に分けて考えてみよう(海外でも日本でも供用された種牡馬の場合、JRA−VANデータで血統を見た際、アルファベット表記なら外国籍、カタカナ表記なら輸入種牡馬と考える。またシンボリクリスエスは外国産だが種牡馬としては内国産とカウントした)。

 外国籍種牡馬の産駒が最後に勝ったのは2006年。2009年の3着ファリダット以後は馬券に絡んでいない。いっぽう「母父が外国籍」というタイプは、2004年と2010年以外はコンスタントに馬券に絡み、昨年は1・2・3フィニッシュを決めてみせた。

 輸入種牡馬の産駒もサンデーサイレンス産駒ダイワメジャーが最後の勝ち馬。だが「母父が輸入種牡馬」という馬はほぼ毎年のように3着以内に来ている。

 内国産種牡馬の産駒は、2008年以降連勝中。しかし「母父が内国産種牡馬」というタイプはツルマルボーイしか好走例がない。

 近年の安田記念におけるベスト配合は「父が内国産種牡馬×母父が外国籍または輸入種牡馬」だといえそうだ。

結論

 安田記念の血統的特徴から買うべき馬をまとめると「父ヘイルトゥリーズン系がベターだが、他の系統でも勝ち負けは可能」、「父は内国産種牡馬がベスト」、「母父はナスルーラ系がベターで、外国籍または輸入種牡馬であることがマスト」、「父・母父に1200〜1800mの重賞勝ち鞍がある」、「父に2000m以上のG1勝ちがある」、といった条件をなるべく多く満たす馬になるだろう。

 また父・母父のどちらもノーザンダンサー系でない(非ノーザンダンサー型)場合、ナスルーラまたはマイナー系統の支配力が強い血統構成であることが望ましい。

 軽視したいのは「母父ヘイルトゥリーズン系/サンデーサイレンス系」。外国籍種牡馬や輸入種牡馬の産駒も苦戦しそうだ。

 父か母父にノーザンダンサーが入っているノーザンダンサー型の馬では、グランデッツァ、ミッキーアイル、ショウナンマイティの3頭に注目。いずれも母父がマイル前後のG1勝ち鞍を持つノーザンダンサー系で、父は2000m以上のG1勝ちのある内国産種牡馬。父がサンデーサイレンス系なので率としては悪いが、好走条件は満たしている。

 非ノーザンダンサー型では、すでにこのレースを勝っているリアルインパクトは問題なし。ジャスタウェイは母父Wild Againに1800mの重賞勝ちがあり、主力視できそう。エキストラエンドも、母父はナスルーラ系Garde Royale。Garde Royaleはマイル実績に疑問を残すものの、エキストラエンドの兄がローエングリンなのでカバーできる可能性もありそうだ。

 ナスルーラの血の薄いトーセンラー、父・母父にマイル実績が乏しいワールドエース、母父サンデーサイレンスのグランプリボスとホエールキャプチャ、父タイキシャトルに中距離実績のないレッドスパーダあたりは軽視したい。

【ジャスタウェイの血統表】

ジャスタウェイの血統表

<出走予定馬の血統的評価>

●A

ジャスタウェイ、エキストラエンド、リアルインパクト

●B

グランデッツァ、ショウナンマイティ、フィエロ、ミッキーアイル

●C

カレンブラックヒル、クラレント、グロリアスデイズ、サダムパテック、ダノンシャーク、トーセンラー、レッドスパーダ、ワールドエース

●D

グランプリボス、ホエールキャプチャ