G1特集 第12回 ヴィクトリアマイルG1特集 第12回 ヴィクトリアマイル

血統分析

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母系が優秀なミッキークイーンに期待!

1)サンデーサイレンス系が中心のレースではあるが……

過去10年の1〜3着馬のべ30頭のうち19頭が父サンデーサイレンス(SS)系。昨年を含め1〜3着独占が3回あり、ウオッカが勝った2009年を除いて必ず馬券に絡んで安定感も示している。

ただし出走馬のべ179頭のうち半数以上の98頭がSS系であり、勝率は7.1%。アベレージが飛び抜けているわけではない。その他のヘイルトゥリーズン系にあたるタニノギムレット産駒ウオッカ、ミスタープロスペクター系キングカメハメハの産駒アパパネ、ノーザンダンサー系クロフネ産駒ホエールキャプチャも勝っていて、ナスルーラ系を除けば「どの系統でも勝ち負けできる」というのが実情だ。

そこでここでは、人気に着目して系統別成績を見てみよう。人気サイドの安定感は、各系統間に大きな差はない。が、人気薄でも走れるのはSS系だ。

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1〜5番人気の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 4回 3回 3回 31頭 12.9% 22.6% 32.3%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 0回 5頭 20.0% 40.0% 40.0%
ミスタープロスペクター系 1回 0回 1回 5頭 20.0% 20.0% 40.0%
ノーザンダンサー系 1回 0回 0回 6頭 16.7% 16.7% 16.7%
ナスルーラ系 0回 0回 1回 2頭 0.0% 0.0% 50.0%
その他の系統 0回 0回 0回 1頭 0.0% 0.0% 0.0%

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6番人気以下の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 3回 3回 3回 67頭 4.5% 9.0% 13.4%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 1回 7頭 0.0% 0.0% 14.3%
ミスタープロスペクター系 0回 1回 0回 18頭 0.0% 5.6% 5.6%
ノーザンダンサー系 0回 2回 1回 26頭 0.0% 7.7% 11.5%
ナスルーラ系 0回 0回 0回 7頭 0.0% 0.0% 0.0%
その他の系統 0回 0回 0回 4頭 0.0% 0.0% 0.0%

◎プラス評価……父SS系
 ○プラス評価……5番人気以内の父ノーザンダンサー系/ミスタープロスペクター系/その他のヘイルトゥリーズン系
 ●マイナス評価…父ナスルーラ系

【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2016.5.15 1 13 ストレイトガール フジキセキ タイキシャトル
2016.5.15 2 10 ミッキークイーン ディープインパクト Gold Away
2015.5.17 1 5 ストレイトガール フジキセキ タイキシャトル
2015.5.17 2 7 ケイアイエレガント キングカメハメハ A.P.Indy
2014.5.18 1 14 ヴィルシーナ ディープインパクト Machiavellian
2014.5.18 2 4 メイショウマンボ スズカマンボ グラスワンダー
2013.5.12 1 11 ヴィルシーナ ディープインパクト Machiavellian
2013.5.12 2 8 ホエールキャプチャ クロフネ サンデーサイレンス
2012.5.13 1 12 ホエールキャプチャ クロフネ サンデーサイレンス
2012.5.13 2 16 ドナウブルー ディープインパクト Bertolini
2011.5.15 1 16 アパパネ キングカメハメハ Salt Lake
2011.5.15 2 13 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2010.5.16 1 11 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2010.5.16 2 2 ヒカルアマランサス アグネスタキオン A.P.Indy
2009.5.17 1 6 ウオッカ タニノギムレット ルション
2009.5.17 2 2 ブラボーデイジー クロフネ サンデーサイレンス
2008.5.18 1 6 エイジアンウインズ フジキセキ デインヒル
2008.5.18 2 9 ウオッカ タニノギムレット ルション
2007.5.13 1 4 コイウタ フジキセキ ドクターデヴィアス
2007.5.13 2 3 アサヒライジング ロイヤルタッチ ミナガワマンナ
2)母の父の系統別成績は混戦模様

以下は母の父の系統別成績だ。馬券に絡む回数ではノーザンダンサー系だが、率としては平均的。アベレージでは「その他のヘイルトゥリーズン系」が目立つものの、出走頭数が少ないため信頼度としては低いデータだ。実際には各系統から万遍なく上位馬が出ていて、こちらが強い、これはダメとは一概に言えないレースだ。

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系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 1回 2回 1回 29頭 3.4% 10.3% 13.8%
その他のヘイルトゥリーズン系 2回 1回 1回 12頭 16.7% 25.0% 33.3%
ミスタープロスペクター系 2回 0回 1回 26頭 7.7% 7.7% 11.5%
ノーザンダンサー系 3回 3回 5回 68頭 4.4% 8.8% 16.2%
ナスルーラ系 1回 3回 1回 29頭 3.4% 13.8% 17.2%
その他の系統 1回 1回 1回 15頭 6.7% 13.3% 20.0%
3)マイル適性があり、かつ質のいい牝系出身であることが重要

勝ち馬を、牝系にスポットを当てながら振り返ってみよう。

コイウタは近親にビハインドザマスク(京都牝馬S1着)のほか、タンパベイダービーを勝ったファントムジェットなどがいる。エイジアンウインズの四代母スペシャルのラインからは、ヌレイエフ、サドラーズウェルズ、エルコンドルパサーなどが出ていて、世界的な超名牝系。ウオッカは日本を代表するシラオキ系のライン出身で、近親にはシスタートウショウ(桜花賞1着)がいる。

ブエナビスタの母はビワハイジ(阪神3歳牝馬S1着)、アパパネの母ソルティビッドはオープンを2勝している。ホエールキャプチャの曾祖母はエリザベス女王杯勝ち馬タレンティドガールで、その兄はニッポーテイオーだ。ヴィルシーナの四代母は米古馬牝馬チャンピオンで、この母系からはDevil's Bagやシングスピールなども出ている。そしてストレイトガールの牝系からは桜花賞馬シャダイカグラが出た。ちなみに今回の集計対象外である初代女王ダンスインザムードは名繁殖牝馬ダンシングキイの娘。

どの牝系も極めて良質。しかもマイルGIで勝ち負けできる潜在能力を感じられる。

◎プラス評価……牝系が名牝系/牝系からマイル重賞勝ち馬が出ている

4)国内3歳春実績型×欧米マイル型という配合がベスト

勝ち馬の父・母父と、その現役時代の主な勝ち鞍をまとめてみた。

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父馬 主な勝ち鞍
フジキセキ 朝日杯3歳S
タニノギムレット 日本ダービー/(NHKマイルC3着)
スペシャルウィーク 日本ダービー/ジャパンC
キングカメハメハ 日本ダービー/NHKマイルC
クロフネ NHKマイルC/ジャパンCダート
ディープインパクト 日本ダービー/ジャパンC
母父馬 主な勝ち鞍
ドクターデヴィアス 英ダービー
デインヒル 英スプリントC/(英2000ギニー3着)
ルション ムーランドロンシャン賞
Caerleon 仏ダービー
Salt Lake キングスビショップS(ダ1400m)
サンデーサイレンス BCクラシック
Machiavellian サラマンドル賞/(英2000ギニー2着)
タイキシャトル 安田記念/マイルCS/ジャック・ル・マロワ賞

父馬は「3歳春までに国内の芝1600mまたは芝2400mGIを勝利」という点で共通している。いっぽう母父は短距離〜マイル戦で実績を残した馬が多く、そこから外れるように見える種牡馬も、ドクターデヴィアスは7ハロンのG1勝利、Caerleonは短距離重賞勝ち馬でシンコウラブリイやゼンノエルシドの父だ。

◎プラス評価……父が3歳春までに国内の芝1600mまたは芝2400mGIを勝利
 ◎プラス評価……母父が欧米でマイル重賞を勝利

結論

父SS系なら人気を問わないが、その他の系統なら5番人気以内であることがマスト。父が3歳春までに国内の芝1600mまたは芝2400mGIを勝利していることも必須条件だ。母父は系統を問わないが、欧米でマイル重賞を勝利していることが重要。牝系からマイル重賞勝ち馬が出ていればベターだ。

ディープインパクト産駒ミッキークイーンは母父Gold Awayが仏マイルG2勝ち馬でムーランドロンシャン賞2着、母も仏G2勝ち馬で条件を満たす。同じくディープインパクト産駒のスマートレイアーは母父が伊ダービー馬ホワイトマズルだが、ホワイトマズルにマイル重賞勝ち鞍がなく、母系から大物は出ていない。むしろジュールポレールが、父ディープインパクト、母父エリシオ(凱旋門賞馬/ムーラン・ド・ロンシャン賞2着)、四代母Cathy HoneyがエイコーンS勝ち馬、半兄にマイルCS勝ち馬サダムパテックで面白い存在だ。

アスカビレン、アドマイヤリード、ウキヨノカゼ、クイーンズリング、ルージュバックは父馬が「3歳春までに国内の芝1600mまたは芝2400mGIを勝利」という条件を満たさない。キングカメハメハ産駒レッツゴードンキは5番人気以内になりそうだが、母父マーベラスサンデーが国内中距離型という点がマイナス材料だ。

【ミッキークイーンの血統表】

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ディープインパクト
 Deep Impact
 2002年 鹿毛(早来町)
*サンデーサイレンス
 Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
*ウインドインハーヘア
 Wind In Her Hair
 1991年 鹿毛(愛)
Alzao
1980年
Lyphard Northern Dancer
Goofed
ミッキークイーン
 Mikki Queen(JPN)
 牝 5歳 父10歳・母10歳時産駒
 2012年 鹿毛(安平町)
Lady Rebecca Sir Ivor
Pocahontas
Burghclere
1977年
Busted Crepello
Sans Le Sou
Highclere Queen's Hussar
Highlight
Gold Away
 1995年
Goldneyev
1986年
Nureyev Northern Dancer
Special
Gold River Riverman
Glaneuse
Blushing Away
1987年
Blushing Groom Red God
Runaway Bride
*ミュージカルウェイ
 Musical Way
 2002年 栗毛(仏)
Sweet Revenge Raja Baba
Away
Mulika
 1987年
Procida
1981年
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
With Distinction Distinctive
Carrie's Rough
Gazelia
1981年
Icecapade Nearctic
Shenanigans
Dols Jaminque Kennedy Road
Jambo