G1特集 第10回 ヴィクトリアマイルG1特集 第10回 ヴィクトリアマイル

血統分析

競馬予想・競馬情報トップ > G1特集 > ヴィクトリアマイル > 2015 > 血統分析

父2400m型×母父1600m型の
ヌーヴォレコルトに死角なし!

1)サンデーサイレンス系が中心のレースではあるが……

今年でようやく10回目となるヴィクトリアマイル。これまでの9年、出走馬のべ161頭のうち半数以上の84頭が父サンデーサイレンス系、1〜3着馬のべ27頭のうち17頭が父サンデーサイレンス系という偏りを見せているレースだ。

2006年の第1回はサンデーサイレンスの直仔が1〜3着を独占し、翌年の第2回もフジキセキ、ロイヤルタッチ、サンデーサイレンスの産駒による決着。昨年もディープインパクト、スズカマンボ、フジキセキの産駒で1、2、3着だった。ウオッカが勝った2009年を除き、必ず馬券に絡んでいる。

この表は右にスクロールできます。

父馬の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 6回 6回 5回 84頭 7.1% 14.3% 20.2%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 1回 11頭 9.1% 18.2% 27.3%
ノーザンダンサー系 1回 2回 1回 32頭 3.1% 9.4% 12.5%
ミスタープロスペクター系 1回 0回 1回 18頭 5.6% 5.6% 11.1%
ナスルーラ系 0回 0回 1回 11頭 0.0% 0.0% 9.1%
その他の系統 0回 0回 0回 5頭 0.0% 0.0% 0.0%

ただし、率としては他の系統と比べて大きなアドバンテージがあるわけではなく「やや、いい」程度。スプリンターから「地力があるのでどんな距離でもOK」というタイプまで入り混じったメンバーでおこなわれるため、どの系統も抜け出し切れていないのが、このレースの現状といえるだろう。

【過去9年の連対馬の父と母父】

この表は右にスクロールできます。

日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2014.5.18 1 14 ヴィルシーナ ディープインパクト Machiavellian
2014.5.18 2 4 メイショウマンボ スズカマンボ グラスワンダー
2013.5.12 1 11 ヴィルシーナ ディープインパクト Machiavellian
2013.5.12 2 8 ホエールキャプチャ クロフネ サンデーサイレンス
2012.5.13 1 12 ホエールキャプチャ クロフネ サンデーサイレンス
2012.5.13 2 16 ドナウブルー ディープインパクト Bertolini
2011.5.15 1 16 アパパネ キングカメハメハ Salt Lake
2011.5.15 2 13 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2010.5.16 1 11 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2010.5.16 2 2 ヒカルアマランサス アグネスタキオン A.P.Indy
2009.5.17 1 6 ウオッカ タニノギムレット ルション
2009.5.17 2 2 ブラボーデイジー クロフネ サンデーサイレンス
2008.5.18 1 6 エイジアンウインズ フジキセキ デインヒル
2008.5.18 2 9 ウオッカ タニノギムレット ルション
2007.5.13 1 4 コイウタ フジキセキ ドクターデヴィアス
2007.5.13 2 3 アサヒライジング ロイヤルタッチ ミナガワマンナ
2006.5.14 1 1 ダンスインザムード サンデーサイレンス Nijinsky
2006.5.14 2 18 エアメサイア サンデーサイレンス ノーザンテースト
2)人気薄でも走れるサンデーサイレンス系とノーザンダンサー系

人気に着目して系統別成績を見ると、以下の通りとなる。

【1〜5番人気の系統別成績】

この表は右にスクロールできます。

系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 4回 3回 3回 26頭 15.4% 26.9% 38.5%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 0回 4頭 25.0% 50.0% 50.0%
ノーザンダンサー系 1回 0回 0回 6頭 16.7% 16.7% 16.7%
ミスタープロスペクター系 1回 0回 1回 5頭 20.0% 20.0% 40.0%
ナスルーラ系 0回 0回 1回 2頭 0.0% 0.0% 50.0%
その他の系統 0回 0回 0回 2頭 0.0% 0.0% 0.0%
【6番人気以下の系統別成績】

この表は右にスクロールできます。

系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 2回 3回 2回 58頭 3.4% 8.6% 12.1%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 1回 7頭 0.0% 0.0% 14.3%
ノーザンダンサー系 0回 2回 1回 26頭 0.0% 7.7% 11.5%
ミスタープロスペクター系 0回 0回 0回 13頭 0.0% 0.0% 0.0%
ナスルーラ系 0回 0回 0回 9頭 0.0% 0.0% 0.0%
その他の系統 0回 0回 0回 3頭 0.0% 0.0% 0.0%

人気サイドでの安定感では、サンデーサイレンス系/ヘイルトゥリーズン系、ノーザンダンサー系、ミスタープロスペクター系で、それほど差はない。が、人気薄でも走れるのはサンデーサイレンス系かノーザンダンサー系に限られるようだ。

その他のヘイルトゥリーズン系による1、2着はウオッカ、ミスタープロスペクター系の勝ち馬はアパパネといった歴史的名牝で、よほどの実績を持っていないと苦しそう。ナスルーラ系はハッキリと割引だろう。

3)母の父の系統別成績も混戦模様

以下は母の父の系統別成績だ。馬券に絡む回数ではノーザンダンサー系、勝率ではヴィルシーナの連覇があってミスタープロスペクター系がグっと数字を上げたが、やはりどの系統も飛び抜けてはいないようだ。

この表は右にスクロールできます。

母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 1回 2回 1回 25頭 4.0% 12.0% 16.0%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 1回 1回 8頭 0.0% 12.5% 12.5%
ノーザンダンサー系 4回 3回 4回 59頭 6.8% 11.9% 18.6%
ミスタープロスペクター系 2回 0回 1回 21頭 9.5% 9.5% 14.3%
ナスルーラ系 1回 2回 2回 32頭 3.1% 9.4% 15.6%
その他の系統 1回 1回 0回 16頭 6.3% 12.5% 12.5%
4)選手権距離への適性が必須

勝ち馬の父・母父と、その現役時代の主な勝ち鞍をまとめてみた。

この表は右にスクロールできます。

父馬 主な勝ち鞍
サンデーサイレンス BCクラシック
フジキセキ 朝日杯3歳S
タニノギムレット 日本ダービー/(NHKマイルC3着)
スペシャルウィーク 日本ダービー/ジャパンC
キングカメハメハ 日本ダービー/NHKマイルC
クロフネ NHKマイルC/ジャパンCダート
ディープインパクト 日本ダービー/ジャパンC
母父馬 主な勝ち鞍
Nijinsky 英三冠馬
ドクターデヴィアス 英ダービー
デインヒル 英スプリントC/(英2000ギニー3着)
ルション ムーランドロンシャン賞
Caerleon 仏ダービー
Salt Lake キングスビショップS(ダ1400m)
サンデーサイレンス BCクラシック
Machiavellian サラマンドル賞/(英2000ギニー2着)

国内およびヨーロッパの、芝2400mまたは芝1600mで実績を残した馬がほとんどだ。

産駒の日本での実績からサンデーサイレンスを2400m型、キングカメハメハも2400m型だと考えると、配合的には、2400m型×2400m型が2頭(ダンスインザムード、ブエナビスタ)、2400m型×1600m型が3頭(ウオッカ、アパパネ、ヴィルシーナ)、1600m型×2400m型が2頭(コイウタ、ホエールキャプチャ)、1600m型×1600m型が1頭(エイジアンウインズ)。できれば父か母父が2400m型であってもらいたい。

5)マイル適性があり、かつ質のいい牝系出身であること

勝ち馬を、牝系にスポットを当てながら振り返ってみよう。

ダンスインザムードは名繁殖牝馬ダンシングキイの娘。コイウタは近親にビハインドザマスク(京都牝馬S1着)のほか、タンパベイダービーを勝ったファントムジェットなどがいる。エイジアンウインズの四代母スペシャルのラインからは、ヌレイエフ、サドラーズウェルズ、エルコンドルパサーなどが出ていて、世界的な超名牝系。ウオッカの母系は日本を代表するシラオキ系のラインで、近親にはシスタートウショウ(桜花賞1着)がいる。ブエナビスタの母はビワハイジ(阪神3歳牝馬S1着)、アパパネの母ソルティビッドはオープンを2勝している。ホエールキャプチャの曾祖母はエリザベス女王杯勝ち馬タレンティドガールで、その兄はニッポーテイオーだ。そしてヴィルシーナの四代母は米古馬牝馬チャンピオンで、この母系からはDevil's Bagやシングスピールなども出ている。

どの牝系も極めて良質。しかもマイルGIで勝ち負けできる潜在能力を感じられる。

結論

狙うべきは人気でも人気薄でも走れる「父サンデーサイレンス系」で、「父と母父の勝ち鞍に日欧の2400mまたは1600mGIがあり、父か母父が2400m型」というタイプ。「母系はマイル適性がある名牝系」という条件も忘れてはならない。

正直、かなりの数の登録馬がこうした条件を満たすので悩ましいところだが、ヌーヴォレコルトは父がハーツクライ、母父がスピニングワールド(ジャックルマロワ賞など)で2400m型×1600m型。近親には阪神3歳牝馬S3着のゴッドインチーフがいて、死角らしい死角はない。ショウナンパンドラも父ディープインパクト×母父フレンチデピュティ、近親にはサッカーボーイがいる。

出走できれば穴はサングレアル。父ゼンノロブロイ×母父Caerleon、母はビワハイジで、激走の可能性たっぷりだ。

【ヌーヴォレコルトの血統表】

この表は右にスクロールできます。

ハーツクライ
 Heart's Cry
 2001年 鹿毛(千歳市)
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
アイリッシュダンス
Irish Dance
 1990年 鹿毛(千歳市)
*トニービン
1983年 鹿毛(愛)
Kampala Kalamoun
State Pension
ヌーヴォレコルト
 Nuovo Record(JPN)
 牝 4歳 
 父10歳・母10歳時産駒
 2011年 栗毛(千歳市)
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
*ビューパーダンス
1983年 黒鹿(米)
Lyphard Northern Dancer
Goofed
My Bupers Bupers
Princess Revoked
*スピニングワールド
Spinning World
 1993年 栗毛(米)
Nureyev
1977年(米)
Northen Dancer Neactic
Natalma
Special Forli
Thong
Imperfect Circle
1988年
Riverman Never Bend
River Lady
オメガスピリット
 Omega Spirit
 2001年 鹿毛(新冠町)
Aviance Northfields
Minnie Hauk
*ファーガーズプロスペクト
Fager's Prospect
 1990年 芦毛(米)
Chief's Crown
1982年(米)
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Six Crowns Secretariat
Chris Evert
Fager's Glory
1976年
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Street's Glory Dr.Fager
Native Street