G1特集 第77回 皐月賞G1特集 第77回 皐月賞

血統分析

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近親にディープインパクトがいるレイデオロに期待!

1)SS系中心で、スタミナ&パワー勝負

過去10年でサンデーサイレンス(SS)系種牡馬の産駒が7勝・2着7回・3着5回と他を圧倒。1・2・3着独占が昨年も含めて3回あった。10年間の出走馬177頭のうち95頭がSS系なので「数で稼いだ」というイメージもあるが、勝率・連対率は全系統中トップ。皐月賞向きであることは確かだろう。

SS系以外のヘイルトゥリーズン系、ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系が各1勝で横並びの印象。ナスルーラ系だけが結果を残せていない。

また連対馬の父13頭のうち、ネオユニヴァース、スペシャルウィーク、マンハッタンカフェ、ステイゴールド、ディープインパクト、シンボリクリスエス、キングカメハメハの7頭は芝2400m以上のGI勝ち馬。この7頭の産駒で計6勝・2着7回となっている。

残りの4勝・2着3回ぶんだが、ブライアンズタイム(日本ダービー馬や名ステイヤーを数々輩出)、テンビー(英2100m重賞1着)、アグネスタキオンとフジキセキ(ともに道悪の弥生賞勝利)、ゴールドアリュール(2000mのダートGI勝ち馬)と、いずれもパワー負けしないタイプ。ロゴタイプの父ローエングリンにも2200m、ダート、重馬場重賞での勝ち鞍がある。

全体としてスピードよりスタミナ&パワーの気配が強く漂っているのが特徴だ。

◎プラス評価……父サンデーサイレンス系
 ○プラス評価……父が2400m以上のGI勝ち馬
 ●マイナス評価…父がスピード型
 ●マイナス評価…父がナスルーラ系

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父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 7回 7回 5回 95頭 7.4% 14.7% 20.0%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 2回 17頭 5.9% 11.8% 23.5%
ミスタープロスペクター系 1回 1回 2回 29頭 3.4% 6.9% 13.8%
ノーザンダンサー系 1回 1回 0回 25頭 4.0% 8.0% 8.0%
ナスルーラ系 0回 0回 1回 11頭 0.0% 0.0% 9.1%
【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2016.4.17 1 18 ディーマジェスティ ディープインパクト ブライアンズタイム
2016.4.17 2 3 マカヒキ ディープインパクト フレンチデピュティ
2015.4.19 1 2 ドゥラメンテ キングカメハメハ サンデーサイレンス
2015.4.19 2 5 リアルスティール ディープインパクト Storm Cat
2014.4.20 1 2 イスラボニータ フジキセキ Cozzene
2014.4.20 2 17 トゥザワールド キングカメハメハ サンデーサイレンス
2013.4.14 1 7 ロゴタイプ ローエングリン サンデーサイレンス
2013.4.14 2 14 エピファネイア シンボリクリスエス スペシャルウィーク
2012.4.15 1 14 ゴールドシップ ステイゴールド メジロマックイーン
2012.4.15 2 9 ワールドエース ディープインパクト Acatenango
2011.4.24 1 12 オルフェーヴル ステイゴールド メジロマックイーン
2011.4.24 2 4 サダムパテック フジキセキ エリシオ
2010.4.18 1 13 ヴィクトワールピサ ネオユニヴァース Machiavellian
2010.4.18 2 16 ヒルノダムール マンハッタンカフェ ラムタラ
2009.4.19 1 16 アンライバルド ネオユニヴァース Sadler's Wells
2009.4.19 2 4 トライアンフマーチ スペシャルウィーク ダンシングブレーヴ
2008.4.20 1 6 キャプテントゥーレ アグネスタキオン トニービン
2008.4.20 2 1 タケミカヅチ ゴールドアリュール マルゼンスキー
2007.4.15 1 17 ヴィクトリー ブライアンズタイム トニービン
2007.4.15 2 9 サンツェッペリン テンビー オジジアン
2)母父は混戦も「マイル向き」か「長距離向き」がカギ

母父の系統別成績は以下の通り。各系統から万遍なく勝ち馬が出ているが、勝率ではナスルーラ系/SS系以外のヘイルトゥリーズン系/主要系統以外がリード。2着の多いノーザンダンサー系は連軸ならともかくアタマとしては狙いにくく、ミスタープロスペクター系も信頼感は今一歩だ。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ナスルーラ系 3回 0回 3回 27頭 11.1% 11.1% 22.2%
サンデーサイレンス系 2回 2回 3回 39頭 5.1% 10.3% 17.9%
その他の系統 2回 2回 2回 19頭 10.5% 21.1% 31.6%
ノーザンダンサー系 1回 6回 1回 48頭 2.1% 14.6% 16.7%
ミスタープロスペクター系 1回 0回 1回 34頭 2.9% 2.9% 5.9%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 0回 0回 10頭 10.0% 10.0% 10.0%

1着馬の母父について現役時の重賞成績を見ると、トニービン(凱旋門賞)とメジロマックイーン(天皇賞)は2400m以上のG1ウィナーで、ブライアンズタイムもステイヤー系種牡馬。いっぽうSadler's Wells、Machiavellian、Cozzeneは欧米の1400m〜マイルG1勝ち馬。サンデーサイレンス産駒はマイルでも長距離でもGIを勝っている。母父は「マイルか長距離か」といったイメージで捉えたい。

○プラス評価……母父がナスルーラ系/SS系以外のヘイルトゥリーズン系/主要系統以外

○プラス評価……母父が2400m以上またはマイルのGI勝ち馬
 ●マイナス評価…母父がノーザンダンサー系/ミスタープロスペクター系

3)人気や母の母の父まで見据えたチェックを

連対馬20頭のうち、単勝オッズ6倍以上だったのが10頭。うち9頭が父ヘイルトゥリーズン系(SS系含む)で、母父はトニービン、マルゼンスキー、ダンシングブレーヴ、Sadler's Wells、ラムタラ、メジロマックイーン、ブライアンズタイムとスタミナに富むタイプが目立つ。母の母の父は6頭がノーザンダンサー系だ。これらの条件を満たせば“穴馬”ということになるが、10頭中8頭の連対が2011年以前である。

逆に単勝オッズ6倍未満だったのも10頭。10頭中8頭の連対が2012年以降で、近年は人気サイド中心の傾向といえる。キングカメハメハ産駒2頭、ローエングリン産駒1頭もこちらのグループで、母父にはMachiavellian、Cozzene、Storm Cat、フレンチデピュティとマイラー型が混じるようになる。母の母の父はミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系、ナスルーラ系が3頭ずつだ。

◎プラス評価……人気サイド/母父がマイラー型(スタミナ型も可)/母母父は3系統
 ○プラス評価……穴馬サイド/母父はスタミナ型/母母父はノーザンダンサー系

4)2歳〜3歳春の活躍馬を出した母系がいい

下表の通り、連対馬の母系からは必ずといっていいほど2歳重賞〜3歳春のクラシックで上位に食い込んだ馬が出ている。血統的に“筋の通った”母系であること、2歳戦、皐月賞戦線、桜花賞やオークスなどで活躍した近親がいることが必須条件となりそうだ。

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年度 馬名 母馬 母系から出た主な活躍馬
2007 ヴィクトリー グレースアドマイヤ 日本ダービー1着のフサイチコンコルド
サンツェッペリン プラントオジジアン サウスウエストS3着のキングオヴスキャット
2008 キャプテントゥーレ エアトゥーレ 朝日杯3歳S2着のスキーキャプテン
タケミカヅチ カズミハルコマ オークス1着のシャダイターキン
2009 アンライバルド バレークイーン 日本ダービー1着のフサイチコンコルド
トライアンフマーチ キョウエイマーチ 母馬自身が桜花賞1着
2010 ヴィクトワールピサ ホワイトウォーターアフェア 青葉賞4着のスウィフトカレント
ヒルノダムール シェアエレガンス 祖母が仏2歳G1勝ち馬
2011 オルフェーヴル オリエンタルアート 朝日杯勝ち馬ドリームジャーニー
サダムパテック サマーナイトシティ 四代母はCCAオークス2着
2012 ゴールドシップ ポイントフラッグ 青葉賞1着のガクエンツービート
ワールドエース マンデラ 母馬自身が独オークス3着
2013 ロゴタイプ ステレオタイプ オークス3着のオリーブクラウン
エピファネイア シーザリオ 母馬自身がオークス馬
2014 イスラボニータ イスラコジーン 独ダービー2着のEarl of Tinsdal
トゥザワールド トゥザヴィクトリー 母馬自身がオークス2着
2015 ドゥラメンテ アドマイヤグルーヴ 母馬自身が桜花賞3着、その母はエアグルーヴ
リアルスティール ラヴズオンリーミー 曾祖母は英仏1000ギニーなどG1計10勝
2016 ディーマジェスティ エルメスティアラ 英ダービー馬ジェネラス
マカヒキ ウィキウィキ 曾祖母はアルゼンチン1000ギニー勝ち馬

◎プラス評価……母系から2歳重賞〜3歳春のクラシック上位馬が出ている

結論

まずは人気サイドになることが予想される馬から。父は2400m以上のGI勝ちがあるSS系×母父はナスルーラ系/SS系以外のヘイルトゥリーズン系/主要系統以外の2400m以上またはマイルのGI勝ち馬×母母父はミスタープロスペクター系/ノーザンダンサー系/ナスルーラ系というタイプがベスト。

おおむね4番人気以下となりそうなら、父はSS系またはキングカメハメハ×母父はスタミナ型のナスルーラ系/SS系以外のヘイルトゥリーズン系/主要系統以外×母母父はノーザンダンサー系、という配合。

いずれにせよ母系から2歳重賞〜3歳春のクラシック上位馬が出ていることがマストだ。割引材料となるのは、父がスピード型/ナスルーラ系、母父がノーザンダンサー系/ミスタープロスペクター系、母系から活躍馬が出ていない、といったファクターである。

が、今回は各条件を完璧に満たす存在が見当たらない。人気が予想されるディープインパクト産駒の3頭、サトノアレス、カデナ、ファンディーナは、いずれも母父ノーザンダンサー系で取りこぼしの2着が心配。アウトライアーズも母父ノーザンダンサー系、コマノインパルスは父がナスルーラ系バゴ。アダムバローズ、スワーヴリチャード、マイスタイル、アメリカズカップは母父ミスタープロスペクター系で信頼感に疑問が残る。ウインブライトは母父がナスルーラ系アドマイヤコジーンだが、スタミナ型ではない。

となると、レイデオロはどうか。父キングカメハメハ×母父シンボリクリスエス、近親にディープインパクト。久々の実戦で人気を落としそうならむしろ好都合だし、人気になれば母母父ミスタープロスペクター系がプラス条件となる。

クリンチャーは父がディープスカイ×母父ブライアンズタイム×母母父はノーザンダンサー系Danzig。近親に兵庫ジュニアGP勝ち馬ミスイロンデルやハービンジャーなどがいる。またアルアインは父ディープインパクト、母父は米G2スーパーダービー勝ちのあるナスルーラ系Essence of Dubai、母は米G1馬、母母父はその他の系統と、こちらも完璧ではないものの魅力あり。

【レイデオロの血統表】

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キングカメハメハ
 King Kamehameha
 2001年 鹿毛(早来町)
Kingmanbo
 1990年(米)
Mr.Prospectot
1970年(米)
Raise a Native Native Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
Miesque
1984年
Nureyev Northern Dancer
Special
Pasadoble Prove Out
Santa Quilla
*マンファス
 Manfath
 1991年 黒鹿(愛)
Last Tycoon
1983年
Try My Best Northern Dancer
Sex Appeal
レイデオロ
 Rey de Oro(JPN)
 牡 3歳 父13歳・母 8歳時産駒
 2014年 鹿毛(安平町)
Mill Princess Mill Reef
Irish Lass
Pilot Bird
1983年
Blakeney Hethersett
Windmill Girl
The Dancer Green Dancer
Khazaeen
*シンボリクリスエス
  Symboli Kris S
 1999年 黒鹿(米)
Kris S.
1977年(米)
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Sharp Queen Princequillo
Bridgework
Tee Kay
1991年
Gold Meridian Seattle Slew
Queen Louie
ラドラーダ
 La Dorada
 2006年 青鹿(早来町)
Tri Argo Tri Jet
Hail Proudly
*レディブロンド
 Lady Blond
 1998年 鹿毛(米)
Seeking the Gold
1985年(米)
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Con Game Buckpasser
Broadway
Wind In Her Hair
1991年
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere