G1特集 第78回 優駿牝馬(オークス)G1特集 第78回 優駿牝馬(オークス)

血統分析

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母父がノーザンダンサー系でG1馬のフローレスマジックに期待!

1)サンデーサイレンス系の取捨が最大のポイント

サンデーサイレンス後継種牡馬の活躍が目立つレース。同着を含めて8連勝中、9年連続で連対、過去10年中5回はワン・ツー・フィニッシュだ。

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父馬の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 8回 6回 7回 107頭 7.5% 13.1% 19.6%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 0回 16頭 0.0% 0.0% 0.0%
ナスルーラ系 2回 0回 0回 8頭 25.0% 25.0% 25.0%
ミスタープロスペクター系 1回 1回 0回 21頭 4.8% 9.5% 9.5%
ノーザンダンサー系 0回 0回 3回 22頭 0.0% 0.0% 13.6%
その他の系統 0回 2回 0回 4頭 0.0% 50.0% 50.0%

ただし、10年間の出走馬178頭中107頭がサンデーサイレンス系。要は「数で稼いだ」成績であり、アベレージ的には平均より少しいい程度だ。1番人気10頭のうち7頭がサンデーサイレンス系だったのだが、成績は2勝・2着2回・3着1回で、絶対視できるわけではない。

それでも上位を独占していることは現実であり、まずはサンデーサイレンス系出走馬の取捨がポイントになることは間違いない。1〜3着に来た21頭のうち18頭の父は芝2400m以上GI(海外含む)の勝ち馬。1着馬8頭を見ると、エリンコート(父デュランダル)を除く7頭の父が芝2400m以上のGIを勝っている。これを1つの目安としたい。

他ではナスルーラ系のCozzeneとジャングルポケットが勝ち馬を送り出している。馬券圏内に来たのはこの2頭だけだが、走れるのは確か。1勝・2着1回のキングカメハメハ産駒も要チェック。Cozzeneはマイラーだったが、ジャングルポケットとキングカメハメハは日本ダービー馬だ。

○プラス評価……父サンデーサイレンス系/父ナスルーラ系/キングカメハメハ産駒
 ○プラス評価……父が芝2400m以上GIの勝ち馬
 ●マイナス評価…父ノーザンダンサー系&その他のヘイルトゥリーズン系

【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2016.5.22 1 3 シンハライト ディープインパクト Singspiel
2016.5.22 2 13 チェッキーノ キングカメハメハ サンデーサイレンス
2015.5.24 1 10 ミッキークイーン ディープインパクト Gold Away
2015.5.24 2 14 ルージュバック マンハッタンカフェ Awesome Again
2014.5.25 1 9 ヌーヴォレコルト ハーツクライ スピニングワールド
2014.5.25 2 10 ハープスター ディープインパクト ファルブラヴ
2013.5.19 1 3 メイショウマンボ スズカマンボ グラスワンダー
2013.5.19 2 13 エバーブロッサム ディープインパクト デインヒル
2012.5.20 1 14 ジェンティルドンナ ディープインパクト Bertolini
2012.5.20 2 9 ヴィルシーナ ディープインパクト Machiavellian
2011.5.22 1 4 エリンコート デュランダル Bluebird
2011.5.22 2 18 ピュアブリーゼ Monsun Peintre Celebre
2010.5.23 1 17 アパパネ キングカメハメハ Salt Lake
2010.5.23 1 18 サンテミリオン ゼンノロブロイ Last Tycoon
2009.5.24 1 7 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2009.5.24 2 3 レッドディザイア マンハッタンカフェ Caerleon
2008.5.25 1 15 トールポピー ジャングルポケット サンデーサイレンス
2008.5.25 2 6 エフティマイア フジキセキ ニホンピロウイナー
2007.5.20 1 2 $ローブデコルテ Cozzene Seeking the Gold
2007.5.20 2 7 ベッラレイア ナリタトップロード Baldski
2)父×母父の配合イメージを考える

過去10年間の母父の系統別成績は以下の通り。ノーザンダンサー系が大きくリードしている。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 1回 1回 2回 30頭 3.3% 6.7% 13.3%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 0回 0回 13頭 7.7% 7.7% 7.7%
ナスルーラ系 0回 0回 1回 24頭 0.0% 0.0% 4.2%
ミスタープロスペクター系 1回 1回 2回 34頭 2.9% 5.9% 11.8%
ノーザンダンサー系 8回 6回 3回 61頭 13.1% 23.0% 27.9%
その他の系統 0回 1回 2回 16頭 0.0% 6.3% 18.8%

ここでは1〜3着の計30頭をサンデーサイレンス系種牡馬の産駒とそれ以外に分けて考えてみよう。

サンデーサイレンス系種牡馬の産駒は21頭。このうち15頭の母父が欧州の重賞勝ち馬(12頭は欧州G1勝ち馬)。残りも、米G1勝ち馬、仏2000ギニー2着馬、日本のGI馬となっている。

母父の系統としてはノーザンダンサー系が21頭中13頭と最多で、1着馬7頭のうちメイショウマンボ(母父グラスワンダー)を除く6頭の母父がノーザンダンサー系、しかも海外種牡馬・輸入種牡馬。父サンデーサイレンス系×母父ノーザンダンサー系という配合で生まれた馬は7勝・2着4回で勝率14.9%、5番人気以内に限れば6勝・2着4回で勝率31.6%のハイアベレージを誇る。

◎プラス評価……父サンデーサイレンス系×母父ノーザンダンサー系の海外種牡馬・輸入種牡馬
 ○プラス評価……父サンデーサイレンス系×母父が欧州重賞勝ち馬、日米G1勝ち馬

1〜3着馬30頭のうち非サンデーサイレンス系種牡馬の産駒は9頭。日本ダービー馬のジャングルポケットとキングカメハメハ、菊花賞馬ナリタトップロード、アラルポカル勝ち馬Monsunなど2400m以上のG1を勝っているスタミナタイプか、Cozzene、クロフネといったマイラータイプに大別される。また母父は海外種牡馬が5頭(うち4頭がノーザンダンサー系)、サンデーサイレンスが4頭。1着馬3頭の母父は米ダートG1の勝ち馬となっている。

○プラス評価……父が非サンデーサイレンス系(2400m以上G1勝ち馬かマイラー)
 ○プラス評価……上記×母父ノーザンダンサー系海外種牡馬(米ダートG1勝ち馬)またはサンデーサイレンス

3)母父の短距離適性がモノをいう

桜花賞から一気に距離が伸びるオークス。そのため桜花賞で好走してもオークスでは大敗、という馬も多い。だが実は「オークスでもスピード能力がモノをいう」という傾向が出ている。以下は連対馬の母父のスプリント〜マイルにおける現役成績をまとめたものだ。

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連対馬 母父の現役成績
ローブデコルテ Seeking the Goldはマイル重賞2着
ベッラレイア Baldskiは9ハロンの重賞2着
トールポピー サンデーサイレンスは8.5ハロンの重賞勝ち馬
エフティマイア ニホンピロウイナーはマイルG1勝ち馬
ブエナビスタ Caerleonは6ハロン強の重賞勝ち馬
レッドディザイア Caerleonは6ハロン強の重賞勝ち馬
アパパネ Salt Lakeは1400m重賞勝ち馬
サンテミリオン Last TycoonはマイルG1勝ち馬
エリンコート Bluebirdは5ハロンのG1勝ち馬
ピュアブリーゼ Peintre Celebreはマイル重賞3着
ジェンティルドンナ Bertoliniは6ハロンの重賞勝ち馬
ヴィルシーナ Machiavellianは1400mG1勝ち馬
メイショウマンボ グラスワンダーはマイルG1勝ち馬
エバーブロッサム デインヒルは6ハロンのG1勝ち馬
ヌーヴォレコルト スピニングワールドはマイルG1勝ち馬
ハープスター ファルブラヴはマイルG1勝ち馬
ミッキークイーン Gold Awayはマイル重賞2着
ルージュバック Awesome Againは9ハロン重賞勝ち馬
シンハライト Singspielは7ハロン強で初勝利
チェッキーノ サンデーサイレンスは8.5ハロンの重賞勝ち馬

ほとんどがスプリント〜マイル重賞で実績をあげている。母父のスピード能力の高さがオークスで勝ち負けするための絶対条件だ。

◎プラス評価……母父がマイル前後の重賞で勝利

4)人気の信頼度も血統と生産者でわかる

1〜2番人気に推された馬20頭のうち、3着以内に来たのは12頭(4勝・2着6回・3着2回)。勝ち馬4勝を含む6頭が、前述の父サンデーサイレンス系×母父ノーザンダンサー系の海外種牡馬・輸入種牡馬。また9頭がノーザンファーム生産馬で、ノーザンファーム生産馬のトータル成績は6勝・2着7回・3着4回の勝率14.3%、1〜2番人気に限れば3勝・2着5回・3着1回で勝率33.3%、複勝率は100.0%だ。

いっぽう1〜2番人気で4着以下に敗れたのは8頭。このうち4頭が母父ミスタープロスペクター系、2頭がキングカメハメハ産駒×母父サンデーサイレンス系の内国産馬だった。

◎プラス評価……1〜2番人気時のノーザンファーム生産馬
 ●マイナス評価…1〜2番人気時の母父ミスタープロスペクター系、父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンス系の内国産馬

結論

父が芝2400m以上のGIを勝っているサンデーサイレンス系種牡馬×母父がノーザンダンサー系で欧州の重賞か日米のG1を勝っている海外種牡馬・輸入種牡馬。このタイプが第一の候補。次いで父がナスルーラ系(2400m以上G1勝ち馬かマイラー)またはキングカメハメハ×母父がノーザンダンサー系海外種牡馬(米ダートG1勝ち馬)またはサンデーサイレンス、というタイプが第二の候補。どちらにも共通する強調材料としては「母父がマイル前後の重賞で勝利していること」があり、ノーザンファーム生産馬で1〜2番人気になれば鉄板だ。

マイナス評価となるのは、父ノーザンダンサー系&その他のヘイルトゥリーズン系、1〜2番人気時の母父ミスタープロスペクター系/父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンス系の内国産馬といった馬だ。

フローレスマジックは父がディープインパクト、母父Storm Catはノーザンダンサー系で米8.5ハロンのG1馬。ノーザンファーム生産馬だから1〜2番人気になれば黙って買いだ。アドマイヤミヤビは父がハーツクライ、母父がクロフネ。外国産馬のクロフネを「輸入種牡馬」と捉えれば走破圏内。こちらもノーザンファーム生産馬だ。

レーヌミノルは父ダイワメジャーに2400m以上のGI勝ち鞍がなく、リスグラシューは母父が「その他の系統」にあたるAmerican Post、ブラックスビーチは母父がミスタープロスペクター系Kingmamboなのがネック。

ソウルスターリングの父Frankel、モズカッチャンの父ハービンジャーは近年のオークスでは冴えないノーザンダンサー系なので強く推せない。

【フローレスマジックの血統表】

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ディープインパクト
 Deep Impact
 2002年 鹿毛(早来町)
*サンデーサイレンス
 Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
*ウインドインハーヘア
 Wind In Her Hair
 1991年 鹿毛(愛)
Alzao
1980年
Lyphard Northern Dancer
Goofed
フローレスマジック
 Flawless Magic(JPN)
 牝 3歳 父12歳・母15歳時産駒
 2014年 鹿毛(安平町)
Lady Rebecca Sir Ivor
Pocahontas
Burghclere
1977年
Busted Crepello
Sans Le Sou
Highclere Queen's Hussar
Highlight
Storm Cat
 1983年 (米)
Storm Bird
1978年 (加)
Northern Dancer Nearctic
Natalma
South Ocean New Providence
Shining Sun
Terlingua
1976年
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
*マジックストーム
 Magic Storm
 1999年 黒鹿(米)
Crimson Saint Crimson Satan
Bolero Rose
Foppy Dancer
 1990年
Fappiano
1977年 (米)
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Killaloe Dr.Fager
Grand Splendor
Water Dance
1977年
Nijinsky Northern Dancer
Flaming Page
Luiana My Babu
Banquet Bell