G1特集 第22回 NHKマイルカップG1特集 第22回 NHKマイルカップ

血統分析

競馬予想・競馬情報トップ > G1特集 > NHKマイルカップ > 2017 > 血統分析

父、母父ともにマイル重賞で活躍のジョーストリクトリに期待!

1)主軸を務めるSS系。ノーザンダンサー系にも要注意

過去10年の系統別成績は以下の通り。数のうえでも率の面でもサンデーサイレンス(SS)後継種牡馬たちの産駒が優勢で、この系統を軸として考えたい。

この表は右にスクロールできます。

系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 7回 3回 5回 65頭 10.8% 15.4% 23.1%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 2回 0回 15頭 0.0% 13.3% 13.3%
ノーザンダンサー系 2回 5回 1回 47頭 4.3% 14.9% 17.0%
ナスルーラ系 1回 0回 1回 18頭 5.6% 5.6% 11.1%
ミスタープロスベクター系 0回 0回 3回 34頭 0.0% 0.0% 8.8%
その他の系統 0回 0回 0回 1頭 0.0% 0.0% 0.0%

注意したいのはノーザンダンサー系。2着が多いことに加え、ピンクカメオが17番人気1着、タガノブルグが17番人気2着、ムラマサノヨートーが18番人気3着と穴っぽい印象もあり、一昨年は1・2フィニッシュを決めている。サクラバクシンオー産駒(ナスルーラ系)のグランプリボスも勝ってはいるものの、イメージとしては「SS系とノーザンダンサー系の戦い」と捉えて間違いないだろう。

◎プラス評価……父SS系
 ○プラス評価……父ノーザンダンサー系(連軸/ヒモ穴として)
 ●マイナス評価…父ミスタープロスペクター系

【過去10年の連対馬の父と母父】

この表は右にスクロールできます。

日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2016.5.8 1 4 メジャーエンブレム ダイワメジャー オペラハウス
2016.5.8 2 5 ロードクエスト マツリダゴッホ チーフベアハート
2015.5.10 1 7 クラリティスカイ クロフネ スペシャルウィーク
2015.5.10 2 9 アルビアーノ Harlan's Holiday Unbridled
2014.5.11 1 10 ミッキーアイル ディープインパクト Rock of Gibraltar
2014.5.11 2 2 タガノブルグ ヨハネスブルグ スペシャルウィーク
2013.5.5 1 8 マイネルホウオウ スズカフェニックス フレンチデピュティ
2013.5.5 2 17 インパルスヒーロー クロフネ サンデーサイレンス
2012.5.6 1 5 カレンブラックヒル ダイワメジャー Grindstone
2012.5.6 2 17 アルフレード シンボリクリスエス サンデーサイレンス
2011.5.8 1 13 グランブリボス サクラバクシンオー サンデーサイレンス
2011.5.8 2 17 コティリオン ディープインパクト トニービン
2010.5.9 1 13 ダノンシャンティ フジキセキ Mark of Esteem
2010.5.9 2 1 ダイワバーバリアン マンハッタンカフェ Kingmambo
2009.5.10 1 3 ジョーカプチーノ マンハッタンカフェ フサイチコンコルド
2009.5.10 2 13 レッドスパーダ タイキシャトル Storm Cat
2008.5.11 1 9 ディープスカイ アグネスタキオン Chief's Crown
2008.5.11 2 5 ブラックシェル クロフネ ウイニングチケット
2007.5.6 1 14 ピンクカメオ フレンチデピュティ Silver Hawk
2007.5.6 2 10 ローレルゲレイロ キングヘイロー テンビー
2)黎明期から一転、マル外は軽視せよ

誰もが知る通り、レース創設当初は外国産馬が圧倒的な強さを誇っていたNHKマイルC。1996年から2001年までの6年間、外国産馬の成績は6勝・2着6回・3着4回(出走64頭)で、勝率9.4%、連対率18.8%、複勝率25.0%という素晴らしいものだった。

だがテレグノシスが内国産馬として初めて勝利した2002年以降、持込馬のキングカメハメハが勝っただけでマル外は急失速。過去10年では、17頭が出走して2着1回・3着1回という成績だ。このうち5番人気以内に推された馬は8頭いて、3着以内に来たのはアルビアーノだけ。人気でもアテにできないため、せいぜい「1頭くらい馬券に絡めておけばOK」というのが、マル外の現状だ。

●マイナス評価…外国産馬

3)格の高い短距離〜マイルGIでの血統実績を尊重

過去10年の勝ち馬の父について、現役時代のマイル実績と、当該馬以外の産駒のマイル実績を調べてみた。

この表は右にスクロールできます。

種牡馬 自身のマイル実績 産駒のマイル実績
フレンチデピュティ G2勝利 クロフネがNHKマイルC制覇
アグネスタキオン 未出走 初重賞がショウナンタキオンの新潟2歳S
マンハッタンカフェ 未出走 レッドディザイアが桜花賞2着
フジキセキ 朝日杯1着 コイウタらがヴィクトリアマイル勝利
サクラバクシンオー マイルCS2着 エイシンツルギザンがNHKマイルC2着
ダイワメジャー GIを3勝 トーセンベニザクラなどが重賞勝利
スズカフェニックス マイルCS3着  ウインフェニックスが新潟2歳S4着
ディープインパクト 未出走 ジェンティルドンナなどGI勝ち馬多数
クロフネ NHKマイルC1着 ホエールキャプチャがヴィクトリアマイル勝利

ほとんどの種牡馬がマイル重賞での高い実績を持ち、産駒もマイルGI/重賞で好走している。

○プラス評価……父がマイル重賞勝ち馬、その産駒もマイル重賞で活躍

4)SSの血と海外種牡馬の奥深さが重要

以下は母父の系統別成績。多少の率の差はあるものの「その他の系統」以外はほぼ横並びといったイメージだ。なおノーザンダンサー系の5勝はいずれも「父SS系」。父SS系×母父ノーザンダンサー系はNHKマイルCでぜひとも買いたい配合といえる。

この表は右にスクロールできます。

母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 2回 3回 2回 33頭 6.1% 15.2% 21.2%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 0回 1回 15頭 6.7% 6.7% 13.3%
ノーザンダンサー系 5回 3回 3回 57頭 8.8% 14.0% 19.3%
ナスルーラ系 1回 2回 1回 31頭 3.2% 9.7% 12.9%
ミスタープロスベクター系 1回 2回 2回 25頭 4.0% 12.0% 20.0%
その他の系統 0回 0回 1回 19頭 0.0% 0.0% 5.3%

SSの血が父か母父に入っているかどうかで成績をまとめたのが下の表だ。

この表は右にスクロールできます。

父・母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
どちらかがサンデーサイレンス系 9回 6回 7回 98頭 9.2% 15.3% 22.4%
サンデーサイレンスが入らない 1回 4回 3回 82頭 1.2% 6.1% 9.8%

近5年の1〜3着馬15頭を見ても、8頭が「父SS系」、5頭が「母父SS系」。残り2頭のうち1頭は母の母の父がSS。SSの血を引かない馬はアルビアーノだけだ。つまりNHKマイルCは「なによりもSSの血が重要」といえるレースなのだ。

さらに10年間の勝ち馬10頭の血統をJRA-VANデータで見た場合、母の父がアルファベット表記(海外種牡馬)になっている馬が5頭、母父がSS系という馬が2頭。残り3頭は、すべて父がSS系だ。SSの血が薄いなら、せめて母父は外国種牡馬であることが求められる。

また勝ち馬の母父を見ると、Silver Hawk、Chief's Crown、Mark of Esteem、French Deputy、Rock of Gibraltarはマイル重賞の勝ち馬で、フサイチコンコルド、サンデーサイレンス、Grindstone、スペシャルウィーク、オペラハウスは産駒がマイル重賞を勝っている(ダートも含む)。

◎プラス評価……父SS系×母父ノーザンダンサー系
 ○プラス評価……母父SS系、母父が外国種牡馬
 ○プラス評価……母父がマイル重賞勝ち馬、産駒がマイル重賞で活躍
 ●マイナス評価…SSの血が父にも母父にも入らない

結論

ベストは父SS系×母父ノーザンダンサー系の配合。少なくとも父か母父にSSの血が入り、父、母父、それらの産駒がマイル重賞で活躍していることがマスト。母父が外国種牡馬というのもプラス要素。該当馬が見当たらなければノーザンダンサー系種牡馬の産駒を連軸とする手もある。

ジョーストリクトリは父がこのレースの勝ち馬ジョーカプチーノ×母父キングヘイロー(マイル重賞勝ち馬/産駒にローレルゲレイロなど)、オールザゴーは父がステイゴールド(産駒にマイルGI勝ち馬)×母父フレンチデピュティ、レッドアンシェルは父マンハッタンカフェ×母父Storm Cat(産駒にマイルGI勝ち馬)で、この3頭が上位を争う。

カラクレナイ、アエロリット、シーズララバイは父がノーザンダンサー系×母父SS系で、人気にかかわらずおさえておきたい。ミスエルテはSSの血を持たず、苦戦が予想される。

【ジョーストリクトリの血統表】

この表は右にスクロールできます。

ジョーカプチーノ
 Jo Cappuccino
 2006年 芦毛(浦河町)
マンハッタンカフェ
  Manhattan Cafe
 1998年 青鹿(千歳市)
*サンデーサイレンス
1986年 青鹿(米)
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
*サトルチェンジ
1988年 黒鹿(愛)
Law Society Alleged
Bold Bikini
Santa Luciana Luciana
Suleika
ジョープシケ
 Jo Psykhe
 2000年 芦毛(静内町)
フサイチコンコルド
1993年 鹿毛(早来町)
Caerleon Nijinsky
Foreseer
ジョーストリクトリ
 Jo Strictly(JPN)
 牡 3歳
 父 8歳・母 6歳時産駒
 2014年 鹿毛(新ひだか町)
*バレークイーン Sadler's Wells
Sun Princess
ジョーユーチャリス
1988年 芦毛(新冠町)
トウショウボーイ *テスコボーイ
*ソシアルバターフライ
ジョーバブーン フォルティノ
ハードゲイ
キングヘイロー
 King Halo
 1995年 鹿毛(新冠町)
*ダンシングブレーヴ
1983年 鹿毛(米)
Lyphard Northern Dancer
Goofed
Navajo Princess Drone
Olmec
*グッバイヘイロー
1985年 栗毛(米)
Halo Hail to Reason
Cosmah
ジョーアラマート
 Jo Aromat
 2008年 鹿毛
 (新ひだか町)
Pound Foolish Sir Ivor
Squander
*タイキフレグランス
 Taiki Fragrance
 1993年 鹿毛(米)
Topsider
1974年
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Drumtop Round Table
Zonah
Sudden Flash
1986年
Known Fact In Reality
Tamerett
Spark of Fire Run the Gantlet
Sparkalark