G1特集 第151回 天皇賞(春)G1特集 第151回 天皇賞(春)

血統分析

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ノーザンダンサーの血が濃い
ウインバリアシオンに注目!

1)巻き返しのSS系に要注目

過去10年の系統別の成績は以下の通りで、サンデーサイレンス(SS)系が1〜3着以内馬の半数以上を占めている。ただし出走数自体が多く、アベレージとしては平凡。逆に率では優秀なノーザンダンサー系も、近4年は入着なし、昨年は出走すらゼロだった。

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父馬の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 6回 4回 6回 88頭 6.8% 11.4% 18.2%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 1回 0回 15頭 0.0% 6.7% 6.7%
ノーザンダンサー系 3回 2回 1回 25頭 12.0% 20.0% 24.0%
ナスルーラ系 1回 1回 0回 14頭 7.1% 14.3% 14.3%
ミスタープロスペクター系 0回 2回 1回 21頭 0.0% 9.5% 14.3%
その他の系統 0回 0回 2回 10頭 0.0% 0.0% 20.0%

2005年〜2009年は、ノーザンダンサー系が15頭走って3勝、SS系が37頭で2勝。ところが2010年〜2014年はノーザンダンサー系が10頭で未勝利、SS系が51頭で4勝。連対馬を見ても「SSの直仔減少にともなってノーザンダンサー系が台頭し、近年になってSSの孫(後継種牡馬の子)が活躍」という天皇賞(春)のイメージがよくわかる。

【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2014.5.4 1 7 フェノーメノ ステイゴールド Danehill
2014.5.4 2 12 ウインバリアシオン ハーツクライ Storm Bird
2013.4.28 1 6 フェノーメノ ステイゴールド Danehill
2013.4.28 2 1 トーセンラー ディープインパクト Lycius
2012.4.29 1 1 ビートブラック ミスキャスト ブライアンズタイム
2012.4.29 2 16 トーセンジョーダン ジャングルポケット ノーザンテースト
2011.5.1 1 2 ヒルノダムール マンハッタンカフェ ラムタラ
2011.5.1 2 15 エイシンフラッシュ King's Best Platini
2010.5.2 1 12 ジャガーメイル ジャングルポケット サンデーサイレンス
2010.5.2 2 16 マイネルキッツ チーフベアハート サッカーボーイ
2009.5.3 1 2 マイネルキッツ チーフベアハート サッカーボーイ
2009.5.3 2 4 アルナスライン アドマイヤベガ El Gran Senor
2008.5.4 1 14 アドマイヤジュピタ フレンチデピュティ リアルシャダイ
2008.5.4 2 8 メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ
2007.4.29 1 6 メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ
2007.4.29 2 16 エリモエクスパイア スキャターザゴールド コマンダーインチーフ
2006.4.30 1 7 ディープインパクト サンデーサイレンス Alzao
2006.4.30 2 11 リンカーン サンデーサイレンス トニービン
2005.5.1 1 10 スズカマンボ サンデーサイレンス Kingmambo
2005.5.1 2 17 ビッグゴールド ブライアンズタイム Mr.Prospector
2)2400m以上向きのスタミナ血脈が大切

連対馬の父について、現役時代の成績をまとめてみた(サンデーサイレンスは除く)。大半が国際的評価の高い2400m級またはそれ以上のG1で活躍していた馬たちであることがわかる。

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種牡馬 2400m級以上の戦績
ブライアンズタイム 特になし
オペラハウス キングジョージとコロネーションC1着/凱旋門賞3着
スキャターザゴールド ブリーダーズS3着
フレンチデピュティ 特になし
チーフベアハート ブリーダーズCターフ、カナディアン国際Sなど1着
アドマイヤベガ 日本ダービー1着
ジャングルポケット 日本ダービーとジャパンC1着
マンハッタンカフェ 菊花賞、有馬記念、天皇賞・春1着
King's Best 特になし
ミスキャスト 特になし
ステイゴールド 香港ヴァーズとドバイシーマクラシック1着
ディープインパクト 日本ダービー、ジャパンCなど1着
ハーツクライ 有馬記念とドバイシーマクラシック1着

距離実績のない種牡馬のうち、ブライアンズタイムは日本ではステイヤー血統として知られる存在で、天皇賞を勝つ馬が出ても不思議ではない。

アドマイヤジュピタの父フレンチデピュティ、エイシンフラッシュの父King's Best、ビートブラックの父ミスキャストは、いずれもマイラーだ。ただしアドマイヤジュピタの母父はステイヤー種牡馬リアルシャダイ。エイシンフラッシュは自身が日本ダービー馬、母が独セントレジャー勝ち馬、母父がミラノ大賞勝ち馬。ビートブラックは母父がブライアンズタイムだ。エリモエクスパイアの父スキャターザゴールドは実質ダート馬だったが、母父は英愛ダービー馬のコマンダーインチーフである。

トータルイメージとしては、やはりスピードよりスタミナ。父が日欧米の2400m〜3000m級G1を勝ち切る重厚な血の持ち主ならベスト。父がマイラー×母父がスタミナ型という配合も勝負できそうだ。

3)大不振のナスルーラ系以外なら大きな不利なし

母父の系統別成績は以下の通りだ。SS系の苦戦は、種牡馬として好調なだけに仕方のないところ。代わって「その他のヘイルトゥリーズン系」の頑張りが目立ち、ノーザンダンサー系も安定している。ナスルーラ系だけが大不振だが、これを除けばどこからでも買えそうだ。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 1回 0回 2回 28頭 3.6% 3.6% 10.7%
その他のヘイルトゥリーズン系 2回 0回 1回 15頭 13.3% 13.3% 20.0%
ノーザンダンサー系 5回 5回 4回 56頭 8.9% 17.9% 25.0%
ナスルーラ系 0回 1回 0回 33頭 0.0% 3.0% 3.0%
ミスタープロスペクター系 1回 2回 1回 13頭 7.7% 23.1% 30.8%
その他の系統 1回 2回 2回 28頭 3.6% 10.7% 17.9%
4)必須なのはノーザンダンサーの血の濃さか

ノーザンダンサー系が躍進し始めた2007年以降の連対馬13頭を見ると、5頭が父ノーザンダンサー系、9頭が母父ノーザンダンサー系。どちらにも該当しないのは4頭だ。このうち、ジャガーメイルはノーザンダンサーの4×4インブリードを持ち、エイシンフラッシュも5×6と薄いながらノーザンダンサーのインブリード。トーセンラーはノーザンダンサーの4×5×5だ。

ビートブラックのみノーザンダンサーの血を持たないが、この年は「謎の凡退を喫したオルフェーヴルに各馬が気を取られての逃げ切り」、すなわちイレギュラーな一戦と捉えれば、ノーザンダンサーの血をなるべく濃く受け継ぐ馬に注目したくなる。

結論

近年の勢いを重視するならSS系種牡馬の子がベストで、ノーザンダンサー系にも要注意。いずれにせよ「父が2400m以上の国際的なG1で活躍した」か「父がマイラー×母父がスタミナ型」であることと「ノーザンダンサーの血が濃い馬」という点が必須だ。

逆に軽視すべきなのは、その他のヘイルトゥリーズン系やミスタープロスペクター系の産駒、母父ナスルーラ系といったところ。

ステイゴールド産駒のゴールドシップとフェノーメノ、ディープインパクト産駒のキズナ、デニムアンドルビー、ラストインパクト、ハーツクライ産駒のウインバリアシオン、フェイムゲーム、いずれも父に2400m級G1の実績があり、各馬ノーザンダンサーのインブリードも持っていて大混戦だ。

この中では、母父の長距離適性ならゴールドシップとフェイムゲーム、ノーザンダンサーの血の濃さではウインバリアシオンが浮上する。

逆に厳しそうなのは父ミスタープロスペクター系×母父SS系のアドマイヤデウスとラブリーデイ。大きく割り引いて考えるべきだろう。

【ウインバリアシオン血統表】

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ハーツクライ
 Heart's Cry
 2001年 鹿毛(千歳市)
*サンデーサイレンス
 Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
アイリッシュダンス
 Irish Dance
 1990年 鹿毛(千歳市)
*トニービン
1983年 鹿毛(愛)
Kampala Kalamoun
State Pension
ウインバリアシオン
 Win Variation(JPN)
 牡 7歳 父7歳・母14歳時産駒
 2008年 鹿毛(安平町)
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
*ビューパーダンス
1983年 黒鹿(米)
Lyphard Northern Dancer
Goofed
My Bupers Bupers
Princess Revoked
Storm Bird
 1978年(加)
Northern Dancer
1961年(加)
Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
South Ocean
1967年
New Providence Bull Page
Fair Colleen
*スーパーバレリーナ
 Super Ballerina
 1994年 鹿毛(加)
Shining Sun Chop Chop
Solar Display
Count On a Change
 1987年
Time for a Change
1981年
Damascus Sword Dancer
Kerala
Resolver Reviewew
Lovely Morning
Count On Kathy
1978年
Dancing Count Northern Dancer
Snow Court
War Exchange Wise Exchange
Jungle War