G1特集 第68回 朝日杯フューチュリティステークスG1特集 第68回 朝日杯フューチュリティステークス

血統分析

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JC勝ちの父スクリーンヒーローのトラストに注目!

1)ノーザンダンサー系とヘイルトゥリーズン系の争いか

過去10年における血統別成績は以下の通り。アベレージではノーザンダンサー系と非サンデーサイレンス系ヘイルトゥリーズン系が一歩リードし、サンデーサイレンス系は3着の多さが目立つ。

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父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ノーザンダンサー系 3回 4回 2回 28頭 10.7% 25.0% 32.1%
ミスタープロスペクター系 2回 3回 2回 35頭 5.7% 14.3% 20.0%
サンデーサイレンス系 2回 2回 5回 64頭 3.1% 6.3% 14.1%
その他のヘイルトゥリーズン系 2回 0回 0回 11頭 18.2% 18.2% 18.2%
ナスルーラ系 1回 1回 1回 21頭 4.8% 9.5% 14.3%
その他の系統 0回 0回 0回 2頭 0.0% 0.0% 0.0%

ただし2013年までの中山から2014年には阪神へと開催地が変更。同じ外回りの芝1600mでも、中山は1コーナー横ポケットからのスタート〜終始下り〜直線は310m〜ゴール前に2m以上の急坂というレイアウトなのに対し、阪神は向こう正面中ほどからのスタート〜道中はほぼ平坦〜4コーナーから緩やかな下り〜直線は473.6m〜ゴール前に1.8mの坂と、コース形態は大きく異なる。今後は血統別成績が大きく変わってくる可能性もあるだろう。

【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2015.12.20 1 15 リオンディーズ キングカメハメハ スペシャルウィーク
2015.12.20 2 11 エアスピネル キングカメハメハ サンデーサイレンス
2014.12.21 1 2 ダノンプラチナ ディープインパクト Unbridled's Song
2014.12.21 2 6 アルマワイオリ マツリダゴッホ ピルサドスキー
2013.12.15 1 6 $アジアエクスプレス Henny Hughes Running Stag
2013.12.15 2 11 ショウナンアチーヴ ショウナンカンプ サンデーサイレンス
2012.12.16 1 14 ロゴタイプ ローエングリン サンデーサイレンス
2012.12.16 2 5 コディーノ キングカメハメハ サンデーサイレンス
2011.12.18 1 3 アルフレード シンボリクリスエス サンデーサイレンス
2011.12.18 2 4 マイネルロブスト ゼンノエルシド メジロライアン
2010.12.19 1 11 グランプリボス サクラバクシンオー サンデーサイレンス
2010.12.19 2 5 リアルインパクト ディープインパクト Meadowlake
2009.12.20 1 8 ローズキングダム キングカメハメハ サンデーサイレンス
2009.12.20 2 12 $エイシンアポロン Giant's Causeway Sadler's Wells
2008.12.21 1 3 セイウンワンダー グラスワンダー サンデーサイレンス
2008.12.21 2 11 フィフスペトル キングカメハメハ Bahri
2007.12.9 1 1 $ゴスホークケン Bernstein Grand Slam
2007.12.9 2 3 レッツゴーキリシマ メジロライアン バイアモン
2006.12.10 1 3 ドリームジャーニー ステイゴールド メジロマックイーン
2006.12.10 2 9 ローレルゲレイロ キングヘイロー テンビー
2)阪神・芝1600mでの安定感はサンデーサイレンス系

参考までに、阪神・芝1600mにおける種牡馬成績も調べておこう(コースリニューアル後の2007年以降/朝日杯フューチュリティSは除く)。

重賞における父馬の系統別成績は、勝率の高い順にサンデーサイレンス系が7.6%、ミスタープロスペクター系が6.5%、ノーザンダンサー系が5.3%、ナスルーラ系が4.5%、サンデーサイレンス系以外のヘイルトゥリーズン系が3.2%。平均が6.4%だから、サンデーサイレンス系だけが優秀といえる。対象をオープン特別にまで広げて牝馬限定戦を除外すると、ノーザンダンサー系が10.9%でトップに立ち、サンデーサイレンス系が7.6%、その他のヘイルトゥリーズン系が4.8%。また2歳戦成績(牝馬限定戦を除外)は、サンデーサイレンス系が10.9%、ナスルーラ系が8.3%、ノーザンダンサー系が5.4%だ。

イメージとしては、安定感ならサンデーサイレンス系、これを追うのがノーザンダンサー系といったところである。

3)種牡馬は系統によって求められる資質が異なる

下は連対馬の父の現役成績を、種牡馬の系統別にまとめたものだ。

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種牡馬 主な活躍場所 主な勝ち鞍
ノーザンダンサー系
キングヘイロー 国内芝  高松宮記念
Bernstein 欧州芝 コンコルドS(芝7ハロン)
メジロライアン 国内芝 宝塚記念
Giant's Causeway 欧州芝 サセックスS/英国際S
ゼンノエルシド 国内芝 マイルCS
ローエングリン 国内芝 マイラーズCと中山記念を各2勝
Henny Hughes 北米ダート キングズビショップS(ダート7ハロン)
ヘイルトゥリーズン系(サンデーサイレンス系を含む)
ステイゴールド 国内芝 香港ヴァーズ/ドバイシーマクラシック
グラスワンダー 国内芝 朝日杯3歳S/有馬記念/宝塚記念
ディープインパクト 国内芝 3歳クラシック三冠
シンボリクリスエス 国内芝 天皇賞・秋と有馬記念を連覇
マツリダゴッホ 国内芝 有馬記念
ミスタープロスペクター系/ナスルーラ系
キングカメハメハ 国内芝 NHKマイルC/日本ダービー
サクラバクシンオー 国内芝 スプリンターズS連覇
ショウナンカンプ 国内芝 高松宮記念

ノーザンダンサー系は、メジロライアンを除けば、国内または欧州の芝で活躍した短距離〜マイル血統。いっぽうヘイルトゥリーズン系は2400m以上のGI勝ち馬ばかり。この2系統以外(ミスタープロスペクター系/ナスルーラ系)は短距離〜マイル型といえる。

どうやら系統によって求められる資質が異なるようだ。

また例年このレースは、新種牡馬の産駒が多数出てきたり、海外種牡馬の子がマル外として参戦するなど、出走メンバーの血統は多彩。そのせいか1990年以降の26年間で複数の勝ち馬を出しているのはサンデーサイレンス(3勝)、ブライアンズタイムとキングカメハメハ(各2勝)だけ。この点にも注目しておきたい。

4)母父サンデーサイレンス、母の母の父ナスルーラ系に要注目

母父の系統別成績は以下の通り。サンデーサイレンス系が大きくリードしている。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 6回 3回 2回 35頭 17.1% 25.7% 31.4%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 0回 8頭 0.0% 0.0% 0.0%
ミスタープロスペクター系 2回 0回 1回 25頭 8.0% 8.0% 12.0%
ナスルーラ系 1回 2回 3回 30頭 3.3% 10.0% 20.0%
ノーザンダンサー系 0回 4回 4回 52頭 0.0% 7.7% 15.4%
その他の系統 1回 1回 0回 11頭 9.1% 18.2% 18.2%

なお、過去10年の勝ち馬10頭のうち、6頭が「母の母の父がナスルーラ系」というタイプ。これも極端な偏りといえそうだ。

結論

狙えそうな配合は(1)父サンデーサイレンス系(2400m以上のGI勝ち馬)×母父はノーザンダンサー系以外、(2)父その他のヘイルトゥリーズン系(2400m以上のGI勝ち馬)×母父サンデーサイレンス系、(3)父ノーザンダンサー系(国内・欧州の芝短距離〜マイル型)×母父サンデーサイレンス系またはミスタープロスペクター系、(4)父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンス系、以上の4タイプ。母の母の父がナスルーラ系で、過去にこのレースの勝ち馬を出していない種牡馬(キングカメハメハを除く)なら、さらに推せる。

今年の登録馬を見ると、条件完全合致+強調条件充足という馬は該当なし。タイプ(1)では、モンドキャンノは父が短距離型キンシャサノキセキ、レッドアンシェルは母父が2・3着の多いノーザンダンサー系Storm Catなど、どこかに“引っ掛かり”がある。強いて挙げれば、「母母父ナスルーラ系」の強調条件を満たさないまでも父マンハッタンカフェ×母父ミスタープロスペクター系Coronado's Questのアメリカズカップが一番手か。

タイプ(2)のトラストも「母母父ナスルーラ系」の強調条件はクリアしていないものの、父スクリーンヒーロー×母父サンデーサイレンス系エイシンサンディなら問題なし。タイプ(3)には父Frankelのミスエルテがいるが、母父が勝率の低いナスルーラ系Pulpitという点が疑問だ。

タイプ(4)ではキングカメハメハの血を引くルーラーシップの産駒ダンビュライトが、母父サンデーサイレンス、母母父がナスルーラ系Rivermanで面白い存在。ただしルーラーシップが短距離〜マイル型ではない点がネックだ。

【トラストの血統表】

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スクリーンヒーロー
 Screen Hero
 2004年 栗毛(千歳市)
*グラスワンダー
  Grass Wonder
 1995年 栗毛(米)
Silver Hawk
1979年(米)
Roberto Hail to Reason
Nothirdchance
Gris Vitesse Amerigo
Matchiche
Ameriflora
1989年
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Graceful Touch His Majesty
Pi Phi Gal
ランニングヒロイン
 Running Heroine
 1993年 鹿毛(千歳市)
*サンデーサイレンス
1986年 青鹿(米)
Halo Hail to Reason
Cosmah
トラスト
 Trust(JPN)
 牡 2歳 父10歳・母13歳時産駒
 2014年 芦毛(新冠町)
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ダイナアクトレス
1983年 鹿毛(千歳市)
*ノーザンテースト Northern Dancer
Lady Victoria
モデルスポート モデルフール
*マジックゴディス
エイシンサンディ
 Eishin Sandy
 1993年 鹿毛(浦河町)
*サンデーサイレンス
1986年 青鹿(米)
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
エイシンウィザード
1986年 芦毛(静内町)
ノーザリー Northern Dancer
Politely
グローリサンディ
 Glory Sandy
 2001年 芦毛(新冠町)
シルバーナイキ ドン
ケープルビー
ダイヤターン
 Diatan
 1994年 芦毛(門別町)
メジロティターン
1978年 芦毛(伊達市)
メジロアサマ *パーソロン
*スヰート
*シェリル Snob
Chanel
キョウシンタマヨリ
1986年 鹿毛(浦河町)
ハギノカムイオー *テスコボーイ
イットー
ハグロタマヨリ *マニックス
ソロナコメット